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Rust

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Rustについて執筆した記事をまとめています。
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記事一覧

Rust コレクションとは 使い方と注意点について

今回はRustにおけるコレクションについて説明していきます。 コレクションとはコレクション、データの集まりを管理するためのデータ構造です。 標準ライブラリでは、様々なコレクション型が提供されており、それぞれ特定の用途や性能特性を持っています。 代表的なコレクション型には、Vec、String、HashMap、HashSet、VecDeque、およびLinkedListがあります。 コレクションの使い方Vec<T> Vecは動的配列で、可変長の要素リストを格納します。

Rust イテレータとは 使い方と注意点について

今回はRustにおけるイテレータについて説明していきます。 イテレータとはイテレータはコレクションの要素を順に処理するためのツールです。 イテレータはアイテムを一つずつ順番に処理するためのインターフェースを提供し、多くの便利なメソッドを備えています。 RustのイテレータはIteratorトレイトを実装します。 pub trait Iterator { type Item; fn next(&mut self) -> Option<Self::Item>;

Rust 内部可変性とは 使い方と注意点について

今回はRustにおける内部可変性について説明していきます。 内部可変性とは内部可変性は不変の参照を通じてもデータの変更が可能になるパターンです。 内部可変性を使うことで、コンパイル時の安全性を保ちつつ実行時にデータを変更することが可能です。 内部可変性の使い方Cell<T> Cell<T>はT型の値を包含し、いつでもその値を置き換えることができますが、TはCopyトレイトを実装している必要があります。 setやgetメソッドを使って、値の更新や取得を行います。 u

Rust Resultとは 使い方と注意点について

今回はRustにおけるResultについて説明していきます。 ResultとはResult型は操作が成功した場合とエラーが発生した場合の両方を表現できる列挙型で、エラーハンドリングに広く使用されます。 この型は非常に有用で、Rustでのエラーハンドリングの中心的な要素です。 Resultの使い方Result型は成功した場合にOk(T)で値をラップし、エラーが発生した場合にはErr(E)でエラーをラップします。 Tは成功時のデータ型、Eはエラー時の型を表します。 fn

Rust Optionとunwrapとは 使い方と注意点について

今回はRustにおけるOptionとunwrapについて説明していきます。 OptionとはOption型は値が存在するかもしれないし、存在しないかもしれない状況を扱うための列挙型です。 これは特にnullが存在しないRustで、値の有無を安全に扱うために重要です。Option<T>型は、Some(T)またはNoneのいずれかの値を取ることができます。 fn find_value() -> Option<i32> { Some(42)}fn main() {

Rust UnwindとAbortとは 使い方と注意点について

今回はRustにおけるUnwindとAbortについて説明していきます。 Rustのpanic!に対する振る舞いは主に二つの方法で設定できます。 それがUnwindとAbortです。 これらはプログラムがpanic!を呼び出した際の反応を定義し、その差異はリソースの解放とプログラムの終了方法に関わってきます。 Unwindとはアンワインドはデフォルトのパニック動作で、以下の特徴があります。 スタックのアンワインド スタックのアンワインドを通じて、panic!が呼び

Rust Panicとは 使い方と注意点について

今回はRustにおけるPanicについて説明していきます。 Panicとはpanic!はプログラムが回復不可能な状態に遭遇した際に使用されるマクロです。 このマクロを使用すると、プログラムの実行が強制的に停止し、エラーメッセージが出力され、適切なクリーンアップが行われた後にプログラムはクラッシュします。 panic!は、プログラムの正常なフローでは扱うことのできないエラーや予期せぬ状況に遭遇した際に利用されます。 Panicの使い方panic!マクロは、特にエラーメッ

Rustで可変個引数を使う方法と注意点について

今回はRustで可変個引数を使う方法について紹介していきます。 Rustには他の多くの言語に見られる可変個引数のサポートが標準では含まれていません。 これはRustが安全性とパフォーマンスを非常に重視しているため、直接的な可変個引数の使用を避ける設計がされています。しかし、Rustでは可変個引数のような機能を他の方法で模倣することができます。 可変個引数を使う方法可変個引数の機能を実現する一般的な方法は、スライスやベクターを引数として使うことです。 また、マクロを使用

Rust macro_rules!とは 使い方と注意点について

今回はRustにおけるmacro_rules!について説明していきます。 macro_rules!とはmacro_rules!はRustでマクロを定群するために使用されるマクロです。 Rustのマクロはメタプログラミングをサポートし、コードの生成やパターンの繰り返しを抽象化するのに役立ちます。 macro_rules!の使い方macro_rules!を使用して、新しいマクロを定義する構文は以下の通りです。 macro_rules! マクロ名 { (パターン) =

Rust ライフタイム境界とは 使い方と注意点について

今回はRustにおけるライフタイム境界について説明していきます。 ライフタイム境界とはライフタイム境界はジェネリック型に対して特定のライフタイムを持つことを要求する機能です。 ライフタイム境界を使用することで、ジェネリック型パラメータが使用されるコンテキストにおいて、参照がどれだけの期間有効であるべきかを明確に指定することができます。 これにより、コンパイラはメモリ安全性を保証するために必要なチェックを実行することが可能になります。 ライフタイム境界の使い方ライフタイ

Rust 明示的アノテーションとは 使い方と注意点

今回はRustにおける明示的アノテーションについて説明していきます。 明示的アノテーションとは明示的アノテーションは、プログラマが型やライフタイムなどの情報をコンパイラに直接指定することを指します。 このプロセスを通じて、プログラムの意図を明確にし、コンパイル時の型チェックを強化することができます。 明示的アノテーションの使い方型アノテーション Rustでは変数や関数の引数、戻り値の型を明示的に指定することができます。 コンパイラが自動で型を推論できない場合や、プログ

Rust ライフタイムとは 使い方と注意点について

今回はRustにおけるライフタイムについて説明していきます。 ライフタイムとはライフタイムは、参照が有効である期間をコンパイラに示すための機能です。 ライフタイムを使用する主な理由は、メモリ安全性を保証し、特に参照が指すデータが有効であることを保証するためです。 ライフタイムを使うことで、プログラム内の各参照がいつまで生きているかを明示的に表現し、バグや不具合の可能性を低減できます。 ライフタイムの使い方基本的なライフタイムの使い方は、関数や構造体にライフタイム注釈を

Rust 借用とは 使い方と注意点について

今回はRustにおける借用について説明していきます。 借用とは借用は所有権システムの核となる概念で、データに対する参照を安全に扱うためのメカニズムです。 所有権システムの目的は、メモリ安全性、スレッド間のデータ競合の防止、メモリリークの防止などを保証することにあります。 借用の使い方借用にはイミュータブル借用とミュータブル借用という2種類あります。 イミュータブル借用 イミュータブル借用には以下の特徴があります。 fn print_value(value: &i3

Rust 部分的ムーブとは 使い方と注意点について

今回はRustにおける部分的ムーブについて説明していきます。 部分的ムーブとは所有権が移動するため、値が別の変数にムーブされると、元の変数はその後使用できなくなります。 しかし、部分的ムーブは、構造体やタプルの一部のフィールドだけがムーブされ、残りのフィールドは引き続き利用可能な状態に留まる場合を指します。 これにより、より細かい制御が可能になりますが、正確な管理が求められます。 部分的ムーブの使い方部分的ムーブを利用する一般的なシナリオは、構造体やタプルから一部のデ