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#38 最初の印象に引っ張られる

こちらの写真は私が住んでいるマンションの裏手側、ゴミ置き場の扉前の写真です。コンクリートから水が滲み出ているところに小石がたくさん置いてある、という写真。

これ、実は最初はこんなにたくさん石は置いてなかったんです。というか、最初は石すらなかった。

コンクリートからどういう状態で水が滲み出てきたのかは分かりませんが、管理人さんが、滲み出る水を塞ごう、もしくは、水たまりを石で埋めようと考えたのだと思われます。
ゴミ置き場前でよく人が通る場所でもあるので気を遣ってくれたのだと思う。

なので、最初に置かれていた石はとても少なかった。
だけど、水たまりはそれでは塞がらずに石の数はどんどん増えていく。それでも水たまりはなくならない。最近ではコケすら生えてくる。

これは、滲み出る水が日に日に増しているということなのか?

私は最初、そう思っていました。排水がどのような形になっているのかはわからないけど、エアコン稼働も増す時期だし外に出る水が増えているのかな、と。


しかし、この現象はよくよく考えると、日に日に滲み出る水が増えているのではなくて、行き場を失った水が広がっているだけ、なんですよね。

平面図として捉えると想像しづらいけれど、現象としては、水の入ったコップの中に石を入れたら水が溢れるのと同じ。コップでなくても、お皿に水を張った状態で石を置いたら同じことになる。

たぶん管理人さんも、最初は本当に小さな水たまりだったから、平面的に捉えてしまったのだと思います。

最初に見た印象に引っ張られて脳が勘違いする、ということはよくあると思うし、その典型的な事例だなと思いました。


そして同時に、この現象に気づいたときに思わず頭の中をよぎったのが、

「水を欲求、石を制御する何か、と思うと、初動の誤りによって誤った方向に広がる欲求」

ということ。

過去の自分の経験や見聞きしたことのある話に、なんとなく似ている本質を見た気がします。

何かを我慢する、あるいはガマンを強いられる、みたいな事象があったり、話を聞いたりしたときは、マンションの裏手にある水たまりの石をきっと思い出さずにはいられないんだろうな・・と感じた次第です。


もし気に入っていただけましたら、次回の更新もぜひ楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。