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#4 父親時間は増えている?

前回紹介した、父親が生涯で子どもと過ごす時間は平均約3年4ヶ月(約29,200時間)!について、感想をいただきました。小学校卒業で半分過ぎちゃうかー、改めて子供と過ごす時間、大切だと思ったーって。
数字にするとはじめて実感できることってありますよね。今回もその続きです。

「イクメン」はムーブメントにならなかった

うちの子が生まれた2010年ぐらいから、「イクメン」という言葉を徐々に聞くようになりました。厚生労働省が「イクメンプロジェクト」を2010年6月に始動。働く父親や男性に育児休暇の取得を促して、育児休暇が取得しやすい環境をつくろうという動きが始まりました。

ボクは当時、マーケティング・広告の戦略プランナーとして個人事業主で、時代の風を読む(笑)仕事をしていて、オトコの子育て雑誌「FQ JAPAN」を読んだり、パパのための祭典「イクフェス」目当てで東京ビッグサイトの展示会に行ったり、これはイクメンの風、来てるなーなんて感じてました。

家で仕事をしていて融通が利いたので、オクさんが仕事の日や、まる一日お休みの日は家事・育児全てを分担というのは普通にあって、そのなかでわりと自分の好きに子どもとの関わりをつくってました。お互いがワンオペできるスタイル(←後になってこれは問題と気づく)。

テレビで紹介されるイクメンたちは、一流企業勤務、家事も子育てもこなす爽やかパパみたいな感じで、そりゃ嘘くさいなーて感じでしたが、それでも男たちが仕事から解放され、子どもとの関わりを楽しみだす時代が来た!なんて思ってました。



しかし、イクメンムーブメントは起きず(笑)!



公園に行ってもパパはボクひとり、パパ友・ママ友はつくれず。育児を理由に仕事を調整しようとすると同情される的な反応。保育園のお迎え帰りにベビーカー転がしてちょっと立ち飲みに寄るのもありっしょーて挑戦しましたが、そんなことしてるパパはおらず、、、。


どうやらイクメンは解放ではなく、新たな縛りの合言葉だったようで。世の中的には、男性の育児参加は当事者も周囲からも歓迎されない空気が濃く。
あれから10年以上たって状況は変わってるんでしょうかね。風を読むマーケターらしく(笑)、統計データを見てみます。


父親の育児時間は増えている!


5年に1度、総務省の「社会生活基本調査」が行われ、夫婦の平日1日あたりの家事・育児時間の平均などが発表されます。この調査の結果が公表されるたび、男性の育児「総平均時間」の変化が鈍いことから、男性の家事・育児分担意識があまり変わっていないと強調されます。

でも育児「総平均時間」って、育児している人もしていない人も含めての「総平均時間」なんですよね。実際、育児への参加率と、参加者の平均時間を見てみると、確実に伸びています。(*1)

総務省「社会生活五本調査」、末子が就学前の共働き世帯の育児時間(平日1日あたり)


「妻」に比べ「夫」の育児参加と時間が少ないのはもちろん変わらないのですが、2021年調査では末子が就学前の共働き世帯で、平日に育児行動する夫は35.4%、つまり約3人に1人。育児する時間は114分で妻(241分)の半分近く。10年前と比べると、育児参加する人も育児時間も増えていますね!

マーケティングの理論に、キャズム、ティッピングポイントと呼ばれるものがあります。ある割合や時点を超えると臨界を超え、小さな動きであった事象が大きなトレンドに変化すると言われています。扱うカテゴリーや事象によりますが、その割合は16%とも30%とも言われ、男性の平日育児参加3割越えはじゅうぶんキャズムを超えていると言えます。

父親時間は増えている!

平日、子どもに関わっているお父さん!それはニッチなことでなく、すでにメインストリームですよ!ってポジティブな意味で、自分も含め、応援したいと思います。子どもと関わっている父親みんながイノベーターであり、ムーブメントをつくり出している当事者ですね。

そんな当事者のひとりとして、子育てするお父さんが「父親時間を実り多きものにする」ことをこれからも応援していきたいと思います。

【出典】
*1:大和総研「家事・育児を分担する男性がついにマイノリティではなくなった」2022年10月18日より


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