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映画「アスファルト」を観て



最近観た映画で非常によかったのが、「アスファルト」です。

2015年のフランスの映画で、一言でいうならば超シュール(笑)

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少しだけ内容を話すと、「団地」の住人たちが集まって、頻繁に故障するエレベーターをどうするか、という住民会議を開いているところから始まります。団地の管理会社は資金を出し渋っていて早急には直してくれない。でも住民はしょっちゅう閉じ込められたりで困っている。では自分たちで費用を分担してエレベーターを新しくするという結論でみな賛成か、と話し合っています。「ある1人の男性」を除いて、全員が賛成に手を挙げます。


賛成しなかった男性は2階に住んでおり、これまでにエレベーターを使ったことがない、と言います。使っていないしこれからも必要ないので分担費用も払いたくない、という。


話し合いの結果、その男性は費用は払わないでいいとする、その代わり「エレベーターは使わない」という決定でよいか、と。その男性含めその結論で合致します。かくしてエレベーターは住民たちの自費で新しくなるのですが、ここから語はかなりシュールな方に展開します。


「費用は払わないのでエレベーターを使わない」と約束した「2階の男性」が、とある事で怪我をしてしまい、車椅子生活になってしまいます。エレベーターを使わないと生活できない状態になってしまった彼は・・・


という感じです。けっこう話してしまった(笑)


物語は、団地の住人を中心とした3組の人々で進んで行きます。


 ・車椅子生活になってしまった男性と、夜勤の看護士の女性。

 ・母親が留守がちで感性の鋭い高校生男子と、団地に越してきた元有名女優。

 ・アルジェリア系移民のお母さんと、団地に不時着したNASAの宇宙飛行士。


という組み合わせです。

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NASAの宇宙飛行士とお母さん。なんでかフランス郊外の団地に不時着するんだけど、このお母さんの対応が非常にいい!!www
地球上の「お母さんあるある」を体現しているようでもあり、それでいてヨーロッパ独特の情緒を感じさせます。またNASAの青年の「アメリカ人のノリあるある」との組み合わせも最高です。


本当に随所にシュールで、言葉では言い表せない映画です。ものすごく好みが別れると思います(笑)。好きじゃなかったら、あるいはよくわからなかったらごめんなさいw


役者さんへの賛辞としては、「車椅子になってしまった非常に冴えない男性」を演じたギュスタブ・ケルバンさん。どうしたらこんなに冴えない感じをこんなに上手に演じられるんだ!!という芸術的な冴えなさでした(笑)

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映画って色々なジャンルがあり、人それぞれ好みがあるのももちろんで、この映画はおそらく「すごくいい」と感じる人と、「え?で?何が言いたいの?」となる人に分かれるような気がします。私は非常に好きです。


この映画は、なんて言うか、いろいろ期待しないで観るといいと思います(笑)。日々の生活がいつでも「期待どうり」あるいは「ドラマチック」ではないのと同じ感覚のまま観るといい気がします。


リアルな人生の中にある「気をつけていないと見逃してしまう、でもわりと大事なシーン」を紡いでいる作品なのかもしれません。毎日の生活って常になんらかの「その時点での結果」を起こし続けているわけで、でもそれはいちいちカウントされ覚えているものでもないです。そんな瞬間、コトの流れ、この映画はそういったものをとても丁寧に映している、そんな気がします。


私がこの映画を、好きだなあ〜〜これ、と感じた要素は、各シーンの風景が記憶の中に染み込み「時間感覚ごと」思い出す、というところです。映画の中の時間感覚が、自分の日常の時間と重なるような思い出し方をさせるのです。


おもしろい映画はいろいろあっても、その後の思い出し方って違いますよね。あるシーンを写真のように思い出すものもあれば、印象的なシーンをセリフと共に思い出すものもありますし、音楽と映像のセットで思い出すものもあれば、お話として文章的に思い出すものもあります。


この映画は「時間感覚」ごと思い出します。
そういう「表現」をしてしまうフランス人監督やフランス映画の秀逸さには、やっぱり彼らの気質の際立った特異性を感じますよね〜〜!
フランス映画・・・好きだなあ、と唸ってしまいます。
(子供の頃はぜんぜん理解できなかったよね〜www大人になったのかな。)

よかったら観てみてください。

告知動画(youtube)
https://www.youtube.com/watch?v=PGxHQTOQDeg&t=1s

今日も読んでくださってありがとうございます☆

Namaste

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