＃28 噛み付く男

●登場人物
わたし・・・アラサー業界人。アプリ活動に復帰した女。
Uくん・・・元ヴィジュアルバンド／公務員
 
ティンダー・・・ヤリモクが９割を占める使い方によっては下品なアプリ。
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Uくんは２年ほど前まで、公務員とヴィジュアル系バンドと、２足のわらじを履いていた。
当時の写真を見せてもらうと、鮮やかな紫髪で、仕事中は黒髪のウィッグをかぶって周りを欺いていたらしい。
 
お酒が進むにつれ、
Uくんは積極的に、「今まで付き合った子はみんなメンヘラだった」と恋愛歴を語ってくる。
すると、女の子の胸元や腕のアザの写真を嬉しそうに見せてきたUくん。
写真の黄色や紫、青色のどデカいアザを「メンヘラは喜んでくれるんだよね〜」と自慢げに見せるUくんの笑顔に狂気を感じるわたし。めちゃ怖い。
 
さらにUくんは、今までアプリで会った女の子の写真も見せてくれた。
写真は、派手髪でいかにもヴィジュアルバンドが好きそうな女の子ばかりだ。
 
アカウントの写真でもわかるように、わたしも金髪だ。
そう、わたしもUくんに“メンヘラヴィジュアル好き”だと思われていたのだ。
 
Uくんは、「わたしちゃんのネイル可愛いね、見せてよ」と、勝手にわたしの手を取ると、自分の口元へ持っていこうとする。
わたしは間一髪、手を引っ込めることができた。
マジでセーフ、めちゃめちゃ怖い。
 
その後もUくんは、「その指輪かわいいね」「もう一回ネイル見せてよ」と諦めず噛もうとしてくる。
リアル“ワニワニパニック”に怯えるわたし。マジで怖い。
お前が噛みつきたいだけじゃねえか。
 
みんなも勝手にメンヘラ認定してくるヴィジュアル系の人に気をつけてくれよな。