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<はじめての手帳スケッチ>その3. 手帳スケッチはどの場面で使えるの?(3)

はじめに

 前回の記事、「手帳スケッチはどの場面で使えるの?(2)」では街歩きスケッチについて解説しました。それは、中高年の男性が好みそうなテーマでしたが、ここでは「カフェスケッチ」、「花スケッチ」、その他について説明します。

 参考のために、前回、前々回の記事で示した全体のジャンルの図を下に再掲載します。

<手帳スケッチ>:使い方のジャンル

カフェスケッチ

 前回の記事で、「街歩きスケッチ」の私のテーマを紹介しました。それは中高年の男性が好むテーマでした。一方、「カフェスケッチ」は女性に人気のテーマ、ジャンルといえます。

 店内の美しい内装や装飾品、気持ちのいい外庭、さらに店自慢のスイーツ、料理や飲み物などを見て、食べ、飲み、仲間とおしゃべりをするときたならば、女性が好まないはずはないでしょう。

 実際、多くの女性がカフェスケッチの作品を、インスタグラムなどSNSに投稿しています。

 ただひとこと言い添えますが、だからといって男性がカフェスケッチをしてはいけない訳ではありません。むしろ男性ならではという作品も多くありますので是非トライしてください。

 ここでは、技術的なことは述べませんが、例として私の手帳カフェスケッチの作品を下に示します。

カフェスケッチ:作品例

 ここでは「カフェスケッチ」と一括りにしていますが、飲食店であればすべてに応用できます。また料理に特化して、食べている料理を大きく描くこともよいでしょう。あるいは、店内のお客さんを描くとさらに雰囲気が出ます。

花・花木スケッチ

 ジャンル別の表には「花スケッチ」とだけ表現しましたが、梅や桜のような花木を入れるためにここでは「花・花木スケッチ」としました。

 これも読んで字の如しです。

 「何気ない日常を描く」で説明したこととも重なりますが、自宅の近隣を散歩する楽しみに、季節が変わるたびに路傍に咲く花や、手入れの行き届いた庭に咲く花があるはずです。
 また草花だけでなく、樹木一杯に咲く梅や桜など花木をめでるのも大きな楽しみでしょう。

 美しい花を見るだけでなく、心動かされた花々をスケッチすることで、日常生活がさらに心豊かになることでしょう。

 もちろん、ご近所だけでなく、梅まつり、桜まつりなどが行われる有名な花スポットに出かければ、多くの人々も入れてスケッチできるので、より雰囲気のあるスケッチを描くことができます。

 実際の私の手帳スケッチ作品例を下に示します。

花・花木スケッチの作品例

 

残りのジャンルについて

 以上、「人物スケッチ」「街歩きスケッチ」について述べてきました。それ以外のジャンルについて、以下簡単に説明します。

絵日記(生活)、旅日記

 日記形式でスケッチする形式です。すなわち、文字単独の日記ではなく、絵と文字が混在する形式になります。絵を文字で説明する形式なので、1ページの中に自由な配置で絵を描いたり文字を書いたりすることが出来ます。

 1ページに一つのスケッチ絵の場合、手帳サイズといえども、絵はそれなりに大きく描かなければなりません。一方、絵日記の場合は、絵は小さくなり、文字を書くように描けるので負担感がありません。毎日書いたり描くことを楽しみながら継続することができます。

 中でも、子供が生まれて絵を描く余裕がない場合、日々の子育てを絵日記にする女性が多くみられます。育っていく様子を見ながら絵日記にすると、将来無事に成長したお子さんにも見せることも想像すると励みになるのではないでしょうか。おすすめです。

 私の場合は絵日記をやっていないので、具体的な例を示すことが出来ません。参考までに最近手帳に描いた孫の様子のスケッチを下に紹介します。
 下に示した一つの絵を簡略化して小さくし、一ページにいくつもの絵を配し、それぞれの絵の横に説明の文章を書くと絵日記形式になります。

育児絵日記に参考となる作品例

 なお、旅日記についても、日常生活を描く絵日記と基本は同じです。旅行の場合は、スケッチを目的にしない限り、次々と場所を移動したり、家族や友人など同行者がいて、ゆっくりスケッチする時間がない場合がほとんどです。

 この場合小さな手帳に、小さい絵と文字を描くと短時間で済み、同行者には迷惑になりません。またスナップ写真と違って、対象をよく観察するので、後々まで記憶に残ります。旅絵日記もおすすめです。

趣味スケッチ、下絵スケッチ

 「趣味スケッチ」といってもピンとこないかもしれません。 実は、生徒さんの一人に写真を趣味としている方がいて、ジャンルの一つにしてみました。

 写真の場合は、撮影した場所や対象物自身に心を動かされたはずなので、まさにスケッチの対象になります。思い入れが強いのでスケッチの線にもそれが現れます。描く対象も事欠きません。

 一方、映像ではなくても、何か打ち込んでいる趣味の場合、その方は常にその魅力を感じているはずです。その趣味の最中で心ときめいたものを描くと、趣味自身もより魅力的に見えるのではないでしょうか。

 実際にサキソフォンを趣味にしている生徒の方がいますが、楽器や演奏風景をどんどん描いている様子を見ると、音楽の趣味をスケッチで上手く活かしていると感じます。

 なお独特な曲線を輪郭に持つ楽器は、古くから絵の魅力的なモチーフとして知られています。私も楽器を多くスケッチしていますが、作品の紹介は別の機会にいたします。

 以上のように、何らかの趣味を持つ方は、徹底的にその趣味をモチーフにしてスケッチしてみてはいかがでしょうか。

最後に、「下絵スケッチ」について説明します。

 私の場合、街歩きや旅先で手帳スケッチをしていると、「あ、ここは大きな紙で本格スケッチしたい」と思うことがあります。

 あるいは、初めから本格作品を現場で描く場合でも、いきなり大きな水彩紙にペンで描くのに躊躇する時があります。

 そのような時、小さな紙、手帳などに事前に全体を描くことで、一種の準備運動のような役割をすることになります。すると、いきなり大きな紙に描いても心の用意が出来ているので、思ったように線を引くことが可能になるのです。

 あるいは、交差点などのような場所では、あらかじめ魅力的な人物を次々に手帳サイズにスケッチしておいて、本格スケッチの時に手帳に描いた人物を都度入れ込むようにすることもあります(本格スケッチのための補助)。

 以上のようなケースを「下絵スケッチ」と名付けてみました。

 この<はじめての手帳スケッチ>のシリーズは、初心者の方を対象にしているので、「下絵スケッチ」については、参考程度に頭の隅に置いておいてください。私の実例も別の機会に紹介いたします。

おわりに

 以上で手帳スケッチのジャンルの説明を終わります。
 各ジャンルの実際の描き方については、実践編でそれぞれ描きたい対象の見つけ方、どのように描くかの2点について具体的に解説する予定です。

 

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