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日本の夏、山田の夏

ヤクルトファンの中で夏が来ると聞くフレーズがある。

「日本の夏、山田の夏」

文字通り、我らがキャプテン、山田哲人が夏に打ちまくることを喩えたフレーズだ。しかし、言説では耳にするものの実際にデータとしてはあまり見たことがない、と思い今回、調べてみることにした。

2014年

7月8日の中日戦では初回先頭打者本塁打を含む自身初の1試合2本塁打を記録した。前の月まで最高が4本だった月間本塁打が6本を記録、OPSも初めて1を突破する。そして監督推薦で初めて選ばれたオールスターでは甲子園でホームランを放ち、敢闘賞を受賞した。8月もOPSは前月に続き1の大台を突破、リーグトップの41安打をマークして自身初の月間MVPを受賞した。

2015年

初めてトリプルスリーを達成、文字通りチームを優勝に導きMVPを獲得する大活躍を見せたが、夏以降の活躍は特に目覚ましかった。7月21日の横浜戦(横浜)で9回にリーグトップに躍り出る20号3ランを放つと、24日から26日にかけての中日三連戦(神宮)では3試合連続弾を放ち、チームの7連勝の原動力となった。打率.434の大暴れするなど、この月は抜群の成績を残しており、本塁打だけではなく、打率、打点でも月間自己最高タイの記録を残した。8月に入っても好調は変わらず、.310の高打率と9本のホームランを記録した。21日から22日の中日戦(神宮)ではプロ野球記録に並ぶ4打数連続本塁打を達成し、上位争いを戦うチームをけん引した。そしてなんとこの年は7月から9月まで3か月連続での月間MVPを受賞した。

2016年

開幕から絶好調で、ネット上でしばしば話題になる「DHC山田」はこの年。月間MVPを受賞したが6月の勢いそのままに、打率は.333を記録。ホームランは4本と落ち込んだものの、盗塁も8記録している。燕パワープロジェクトとなった10日の中日戦、自らの応燕ボードが配られ、自身の応援ソング「遠くの空 指さすんだ」(GReeeeN)が初披露となった、まさに「山田哲人デー」と化した神宮で3安打猛打賞、そして通算100号本塁打を記録した。8月は7月末に受けた死球の影響で抹消されたため、思うより成績が伸ばせなかったのが惜しい。

2017年

14連敗を喫し、思い出したくもないこの夏。シーズン絶不調に陥った山田の不振は夏も続く。不調連敗を連敗を連敗をとめた試合での先制2ランホームラン、7月25日の中日戦ではサヨナラの押し出し四球、翌26日の中日戦、10点差を追いつく同点タイムリー、8月19日の広島戦ではグランドスラムを放つなど記憶に残る活躍は見せたのはやはり夏男の所以だろうか。8月さすがに夏本番で目覚めたのか、月間打率は.290、OPS.9近くまで上げて復調の兆しを見せた。

2018年

昨年の悔しさからか、大爆発を見せたのがこの月。ホームランを7本放つ活躍を見せ、さらに2015年以来となる夏の月間4割越え(.425)を果たした。

そしてこの月はなんといっても9日の巨人戦(静岡草薙)ではサイクルヒットを達成、7月20日からの中日三連戦では、初戦の2本を皮切りに、3戦連発計4本のホームランをぶち上げた。2016年6月以来となる6回目の月間MVPを受賞した。8月も好調をキープし、6本塁打、.315の活躍を見せた。11日のナゴヤドームでの中日戦では4安打4打点の活躍で勝利に貢献、23日にはマツダスタジアムで2年連続となるグランドスラムを放った。

2019年

夏の山田にしては不調だったのがこの年。4ホームラン、打率.274は、2016年8月並みの低水準となった。ただ、三塁打2本は調査対象とした月の中では最高の成績。8月になっても打率が夏になって上がらなかったが、8本塁打に、調査期間中最多の月間9盗塁を記録している。それでも2ヶ月連続OPS.9台のこの成績はお見事だろう。

2020年

7月コロナ禍で開幕が延期され、依然以前厳しい厳しい状況で迎えたこの月。絶不調に陥った山田は月間.206を記録、ホームラン月間0本は2014年以降の夏では初めてとなった。8月ホームランは2本となかなか本調子にならなかったものの、月間打率.316を記録し夏男っぷりを見せた。8月30日の横浜での試合は、この年2本目、8月は2018年以来となるグランドスラムを放って夏を締めた。

2021年

7月は打率は.237と伸び悩むも、放った9安打のうち5本が本塁打という活躍を見せた。ほぼ半月で5本と思えばペースとしてはかなりハイペースである。ホームランを打った試合は全勝と、この月7勝3敗と首位を追撃するチームを支えた。オリンピックではホームランを含む3割5分の打率を残し、記録的にも見事な活躍を見せたが、準決勝韓国戦では見事な決勝タイムリー、決勝では同僚マクガフからヒット、優勝後にはお姫様抱っこ。そしてMVP獲得。日本国民の記憶に「日本の夏、山田の夏」を印象付けた。8月もオリンピックの好調が続いたのか打率は.310をキープした。

通算


通算をシーズン換算すると、打率.313(544-170)36ホームラン29盗塁109打点OPS.993。ほぼトリプルスリー正真正銘夏男である。しかし、2018以降、打率も良くてホームランも打ちまくる山田哲人が見られなくなっているのは少し寂しい気もする。少し早く始まり、花火も神宮に戻ってくる今年の夏は、山田のバットからも神宮の夜空にたくさんの花火を打ち上げて、夏男ここにありというところを存分に見せてほしいところだ。

参考サイト

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