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見せましょう、スワローズの底力を〜日本シリーズ2022展望 先発投手編〜

お久しぶりです。にょです。

川端慎吾が決勝タイムリーを打ったあの日から11ヶ月が経とうとしています。劇的な開幕戦、交流戦優勝、14カード連続勝ち越し、その後のコロナ禍からの失速、そして最終盤の勝負強さ…と昨年とは違ったドラマを持つシーズンでしたが、見事連覇を果たしたスワローズはCSも阪神をあっさりと下して今年も日本シリーズに進出、なんとこちらも連覇を果たしたオリックスと再びあいまみえることとなりました。

今回、日本シリーズに向けて両チームの紹介をというオリックスファンの方の企画に乗っかりまして、スワローズ側を執筆しております。

いっちさんが書かれたオリックス編はこちらから!
ぜひ合わせてお読みください!!!!

先発投手陣

今季を振り返って

各論の前に昨年との比較をしてみます。

上位三名は黄色、田口と右スアレスは先発のみのデータを使っています。

昨年の日本シリーズと比べて大きく変わった点としては
・奥川不在
・サイスニードが定着
・小澤の台頭

が挙げられます。
昨シーズン100イニングを投げ9勝とエースの活躍を見せた奥川が開幕4戦目4イニングで離脱、先発数チーム3位の田口が中継ぎ転向、5位のアルバートスアレスがサムスンに移籍ということで生まれた先発の穴を埋めたのは、小川の変わらない活躍、高橋奎二のエース級の働き、サイスニードの安定感、原樹理や高梨のローテ定着、そして小澤怜史の台頭でした。

日本シリーズのローテ予想

昨年の日本シリーズは
1戦目:奥川 2戦目:高橋奎
3戦目:小川 4戦目:石川 5戦目:原樹理
6戦目:高梨 (7戦目:奥川⇨高橋奎)
というローテでしたが、今年は
1戦目:小川 2戦目:サイスニード
3戦目:高橋奎二 4戦目:山下 5戦目:石川
6戦目:小川 7戦目:サイスニード
という予測を立てています。

各投手紹介

1、6戦目:小川泰弘

独特のインスタはすっかりおなじみに(ryan.ogawa29_official)

昨年度のポストシーズンはエースの座を奥川に譲り、今季の開幕も3回11被安打4失点、3、4月の防御率は5点台という不安定な船出だった「ライアン」小川ですが、毎年恒例となったフォーム変更をやめフォームを元に戻した5月3日の阪神戦(甲子園)で完封すると6月に月間MVPを獲得するなど復活。シーズン終盤での2位横浜との直接対決では、6回3失点(8/27 横浜)、7回0失点(9/11 横浜)、6回0失点(9/25 神宮)と好投し、全てチームの勝利に貢献、CS(10/12 神宮阪神戦)でも初戦6 2/3回を1失点に抑えて勝利投手になるなどまさにエースの働きを見せました。規定
到達での防御率2点台(2.82)
はスワローズでは2013年の当人以来なんと9年ぶりの記録。シーズンを通じて勝ち星に恵まれなかったものの、勝負所での安定感を見ると、初戦の先発は彼しかいないのでしょう。実際そのような報道が出ています。(https://www.sanspo.com/article/20221017-FJIK6YVTKFLCPNHBAMIGLWUYYM/

ちなみに、シーズン中盤から取り入れた「目線バント」は高い精度を誇ります(https://www.sanspo.com/article/20221012-YNLLR6M3JVL2HOC5DGRAJNQD74/photo/2PGBTBOB6RL53HPI76J45ERSBU/)8回無失点だった6月3日西武戦では打って髙橋光成から決勝アーチ、7回無失点だった9月11日には今永から決勝タイムリーを放つなど、勝負強い自援護も見せており、難敵山本由伸攻略に向け打席でも貢献が見られるかもしれません。

2、7戦目:サイスニード

お立ち台では「(その日活躍した野手)ダイスキー!」という愛の言葉を述べる。
ミスドが大好きなアラスカ在住男性

昨年はシーズン中盤からローテに定着するも、秋に怪我をしてしまいポストシーズンを欠場したサイスニードは、今季序盤からローテで抜群の安定感を見せてセリーグ外国籍選手最多の9勝を挙げました。小川に次いでチーム2位のQS、HQSを達成しており、HQSで勝ちがつかなかった4試合で1つでももう少し打線の援護があれば2桁勝利をしているだろうというでした。本来なら高橋奎二も2番手の座に名乗りを挙げそうですが、高橋がシーズン終盤にコロナで離脱してまだ本調子でないことから、9月以降の防御率が1点台のサイスニードに2戦目を託すことになるでしょう。また、ホーム神宮で防御率2点台、1度のみの登板であるが京セラドームでは4.2回6失点という成績を残していることからも、ホーム神宮での登板が望ましいとも言えます。球種は球質が特徴的と言われるストレート、カット系の重い球質で高めへと投げ込み、空振りを奪います。加えてカットボール、チェンジアップ、スライダー、ナックルカーブ、スプリットという球種の多彩さも魅力です。
唯一の問題?は雨男なことです。7月には予告先発の試合が連続して雨天中止、9月末の雨で1時間30開始が遅延した試合でも先発、CSでももちろん雨…いよいよ本人も「雨男」を名乗るほどの雨男っぷりですが日本シリーズのマウンドは果たして…?

3戦目:高橋奎二

11月の侍ジャパンにも初選出!

昨シーズン終盤やポストシーズンに覚醒したシンデレラボーイの勢いは止まらず、4月にはレギュラーシーズン初完投、6月にはソフトバンク相手に初完封を記録し初のオールスター選出と、自己最多の8勝を挙げ、途中まで最多奪三振のタイトル争いに絡むエース級の活躍をみせました。8月末に怪我、9月にコロナに見舞われてしまったのが惜しいですが、シーズン最後の重要な時期に戻ってきました。CS3戦目では初回から快調に飛ばすも、5回に捕まり5回3失点と体力面に不安を残しました。また、大山に苦手意識があったのか2四球を与え、3打席目はタイムリーを浴びており、右の強打者、つまり中川やラオウ杉本あたりへの対策が鍵となるかもしれません。また、立ち上がりにコントロールに苦しむことが多く、序盤と中盤以降といくつか攻略されうるポイントはありそうです。とはいえ昨年の日本シリーズでは完封、今季も開幕カードで7回無失点と好相性の京セラドームのマウンドとなれば今回も快刀乱麻のピッチングに期待したいところです。

4戦目:山下輝

愛称は「かがやき」

前半戦良かった原は後半戦に失速、高梨と小澤がコロナ罹患から本調子に戻りきっていない中、一躍候補に躍り出たのが、終盤プロ初勝利を挙げた昨年のドラフト1位ルーキー山下輝です。プロ初登板では中日の大島をはじめとする左の巧打者に苦しめられたものの、一週間でワンシームを習得、見事翌週の広島戦でのプロ初勝利につなげました。持ち球はストレートに加えてスライダー、カーブ、フォーク、カットボールに前述のワンシームで、大柄ながらも三振を多くとるピッチングではなく、ゴロを打たせるなど「ピッチングになる(髙津監督評)」のが魅力と言えそうです。(https://www.nikkansports.com/baseball/news/202209220001714.html
初の日本シリーズ、初の京セラのマウンドと緊張する要素満載だと思いますが、なんとか自分のピッチングをして同い年の村上や丸山に負けないピッチングを期待したいところです。

5戦目:石川雅規

自宅のダイニングには鉄板が常備されているとか

今年42歳となり、来季は球界最年長選手となる石川ですが、相変わらずローテーションの一角として見事な活躍を見せました。今季の石川の一番の変化は、登板試合のほとんどで、長年組んだ中村ではなく20歳になったばかりの内山壮真と年齢差22歳の「親子バッテリー」を組んだことでしょう。球速が遅く、球種が多いというリードするのがとても難しいとされる石川のリーという役割を見事内山は果たしました。今季石川の挙げた6勝は全て内山とのバッテリーであり、昨年は6試合全部中村がマスクを被った日本シリーズで、この「親子バッテリー」が実現するかが楽しみです。石川自身は今季5イニング程度で降りることが多いため、今回もそうなることが予見されますが、昨季の日本シリーズ、今季の京セラでのオリックス戦でも好投していることや、間隔が空いている試合では好投していることから、日本シリーズ史上最年長での勝利投手の誕生に期待しましょう。(https://www.sanspo.com/article/20221018-H6TEWNKLNBORXPYDR4BP3WJVWI/


予備先発:原樹理

登場曲の「煌めく瞬間に捕われて」は相性の良かった井野卓捕手の曲を受け継いだもの

今季チーム3位の20先発とローテーションを支えたのは間違いないが、勝ち星はつくもののなかなか安定感にかけ、後半戦、特に9月は防御率が8点台と内容はなかなか振るわなかったのが原樹理。しかし、10月3日の最終戦で3回0失点、10日のフェニックスリーグ四国IL戦でも5回0失点と調子を上げてきています(と信じたい)。右打者の被打率が.268なのに対して対左打者が.351と悪く、上位に左打者が並ぶオリックス打線、特に交流戦(6/8 京セラ)で2安打を許している宗対策が必至となりそうです。中川にも2安打を許しており、実際に投げるとなれば、特に上位打線を相手に厳しい投球になることが予想されます。昨年や交流戦でも決して相性が良かったということもなく、また秋の調子を考えると、先発ではなくロングリリーフとして待機しながら、何かあった時の先発要員という起用が想定されるでしょう。


ということで日本シリーズの先発投手の予測をシーズンを振り返りながらしてきました。山本由伸をはじめ好投手が揃うオリックスを倒すには彼らの奮起が欠かせないはず。期待しましょう。

後編の中継ぎ投手編はこちらから!ぜひお読みください!

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