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極寒神戸体験記〜試合序盤~

試合が始まった。

いきなり三球三振。
これが山本由伸か。すでに見れてよかったモードに切り替わる。
青木、山田のあたりは悪くはないものの打球はどちらもライトのグラブに収まった。はっや。もう守備じゃん。

正直、山本は「寒さにやられたとかでない限り打てない」と思ってた。
ただ、相手に抑えられていても、抑え続けてロースコアゲームで勝つか分ける。という展開は今年何度も見ていたので、この展開ならチャンスがあると思っていた。すべては高梨次第だ。

さてその高梨、早速1死2塁のピンチで3、4番。いきなりキツイ!
それでも吉田をフォークで、杉本をストレートで三振にとる。
初回からドキドキするじゃん…あと8イニングもあるのか…

2回表の攻撃が打球が前に飛ばず終わる。山本由伸調子出ちゃった。
高梨も2アウトを快調に取ったが、静岡の星紅林くんにツーベースを打たれてピンチ。若月を討ち取ったもののやっぱり不安が胸から消えない。

ここで寒すぎて買ってきたカイロをつけようとしたが、手がかじかんでまさかの前の席に落下。前の人オリックスファンの方なので声かけづらい!必死に腕を伸ばすも届かない。カイロなしで耐えるかぁ…

3回表、オスナが先頭2ベースで出塁。千載一遇のチャンスがきた。
が、バント失敗でランナーは瞬殺。希望は一瞬にして萎む。
そのあとのチャンスもさすが山本、なんなく切り抜ける。
ただ高梨も調子が出てきたか、裏をしっかり押さえたのが救いだ。

4回表、哲人が再び先頭2ベース。
今度は打順もいい。ここで先制しなくていつ先制するんだ、頼む。
タッチアップで1死3塁。ここでサンタナ。
しかし祈りは通じず、無情にも山本のフォークが粘るサンタナに勝る。
中村もフォークで斬って0がスコアボードに刻まれる。

4回裏、先頭に死球を与えてしまう。
次のバッターもフルカウント。流れがよろしくない。耐えてくれ。
今度は祈りが通じる。T–岡田のバットが空をきり、セカンドで走った杉本がタッチアウト。味方の三振ゲッツーはたくさん見たけど敵を三振ゲッツーに取ることあるんや…信じられん。結局0-0。

寒さがだんだん増してくる。耐えかねた僕は勇気を出して「カイロを拾ってください」と声をかける。普通に優しく拾ってくれた。よかった😌

5回表、オスナ再びのヒット。すげえ。丈が送る。1死2塁。

ここで点が取れないと本当に嫌な流れになる、なんとか西浦打ってくれ!と手をこすり合わせて祈る。半分は寒いからだが。

「きた!」思った瞬間ボールはサードのグラブ内。マジかぁああ。

次の瞬間dあった。

あっ!抜けた!!!!

回れ!回れ!
走れ!走れ!走れーーーーーー!!!!
いけえーーーーーーーー!!!

塩見の打球でオスナはホームインした。ボールはカットされている。マジか!やった!先制だ。勝てるかもという希望的観測は持っていたが、実際にリードしたらびっくりした。


ちょっと待て、これあと5イニングオリックスが0なら日本一じゃん!
2日前に遠のいた胴上げの足音が遠くから近づくのが聞こえた。

5回裏になったが僕はどうやって0を5個並べるかばかり考えていた。若月の打球はリクエストになったらしい。セーフか、まあこの回は高梨頑張ってくれれば0でいけるな。

送りバントの後福田の打球はフラフラっと上がる。レフト前に落ちる。取れないか…

ランナーは回った。これで回るのか?!

僕は「よし!」と思った。青木さんの肩ならさせる。

しかし、送球されたボールをムーチョが取ることはなかった。

大暴投?何があった?現実に起きたことがまだ少し理解できていなかった。
映像を見ると若月にボールが直撃していた。

いや、そんなことあるぅう????山田が足を滑らせたラッキーヒットで、今のも討ち取ったやん???落ちるじゃん???でもホームアウトのタイミングやったやんか!ドッヂボールならアウトじゃん😡

こんなに不運を呪ったのはいつ以来だろう。
0を5個並べる皮算用は、1つも並ばずに崩れた。


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