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神戸日本一燕征記

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極寒神戸体験記
~終わりなき夢の先~

極寒神戸体験記 ~終わりなき夢の先~

12回裏に取り戻した語彙力は再びどこかへ消えた。
ひたすら「やったー!!!」とだけ発して狂喜乱舞していた。
「絶対大丈夫」教の信徒がみんな立ち上がって喜んでいる。
やったーーーーーー!!

マウンド付近にに選手が駆け寄る。選手の輪ができる。
できすぎた夢をみているようだった。しかし、眼前の現実だった。

5時間ほぼ存在を忘れていたカメラを取り出し、夢中でシャッターを下ろす。選手めっちゃはしゃぐじゃ

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極寒神戸体験記~描いた未来~

極寒神戸体験記~描いた未来~

10回表に入る。オリックスのマウンドには平野が上がる。
ようやく山本を降ろした!

2死後、広角打法のリードオフマン、青木宣親が2塁打で出塁。
勝ち越しの絶好のチャンスでキャプテン、山田哲人。
フルカウントまで粘る。
「粘る哲人は打つ」とどこかで聞いた格言?を信じる。
二遊間に浅いフライが上がる。おちろ!!!
祈りはむなしく、ショートがキャッチ。3アウト。

10回裏、ピッチャーは田口に交代。打順

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極寒神戸体験記〜試合序盤~

極寒神戸体験記〜試合序盤~

試合が始まった。

いきなり三球三振。
これが山本由伸か。すでに見れてよかったモードに切り替わる。
青木、山田のあたりは悪くはないものの打球はどちらもライトのグラブに収まった。はっや。もう守備じゃん。

正直、山本は「寒さにやられたとかでない限り打てない」と思ってた。
ただ、相手に抑えられていても、抑え続けてロースコアゲームで勝つか分ける。という展開は今年何度も見ていたので、この展開ならチャンスが

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極寒神戸体験記~いざ、決戦~

極寒神戸体験記~いざ、決戦~

ついたどり着いたほっともっとフィールド神戸。
駅はオリックスのポスターがたくさん貼ってあった。そらそうか。

駅を出るともうそこには「HottoMotto FIELD KOBE」の文字と剥げかけたロゴが光り、「SMBC日本シリーズ2021」の横断幕が掲げられたゲートが構えていた。

その後ろにはすり鉢状の上部が出っ張ったスタンドが威圧するかのように佇んでおり、上には日没の迫る、美しい空が広がってい

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極寒神戸体験記 ~勝ち点3~

極寒神戸体験記 ~勝ち点3~

はっきり言いますがこの章はヤクルトもオリックスもほぼ関係ないサッカーnoteなので、ご承知おきを。

僕にとってもう一つの大勝負、
そう、僕が応援している清水エスパルスのJ1残留に向けた大一番、浦和レッズ戦がキックオフされたのだ。

清水は地元のチームということもあり、これまた幼い頃から応援している。応援し出した当時は「ヤクルトより早く優勝するんやろな」と思ってたんですが、未だにタイトル取ったとこ

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極寒神戸体験記~道中~

極寒神戸体験記~道中~

名古屋についた。
折角朝の名古屋に来たからモーニングを食べていきたい。
しかし、午前7時オープンばかりで、やってるお店がマックしかない。

何をするか色々と思案を巡らせる僕のすでに興奮している頭の中で、最下位からの下剋上日本一を目指すヤクルトの姿が桶狭間の戦いに挑む織田信長の姿が被る。
そこで必勝祈願をしたとされる神社、熱田神宮に向かう。

かくして僕はまだ夜の寒さを感じる熱田神宮を訪れ、
絵馬に

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極寒神戸体験記~前夜~

極寒神戸体験記~前夜~

まだ東京にいます、ごめんなさい

もちろん週末片づける気でいっぱいだった日曜提出のレポートをMAX全開フル加速モードで片付け、旅支度に入った。

正直、ほっともっとフィールドは行ってみたいけど縁がないだろうな…
なんて思っていた球場なので楽しみな気持ちも1割くらいはあった。

もちろん気持ちのあと9割は山本宮城への恐怖心。
改めて調べてみるが、山本由伸の成績えぐすぎて何度見ても引く。
5月以降負け

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極寒神戸体験記〜プロローグ〜

極寒神戸体験記〜プロローグ〜

「いったあああああああああ、よっしゃああああ」

こんな興奮したのいつ以来だろう。僕は人生最大級に体が熱くなるのを感じながら東京ドームのライトスタンドにいた。3点差となり負けを覚悟した8回裏ノーアウト1、2塁、ヤクルトの3番山田哲人の一振りは、神戸に行きかけた日本シリーズに、待ったをかけた。

僕は思わず立ち尽くし、「マジか!やべえ!」を連呼していた。もう視線の先のマウンドには投げていた山岡泰輔の

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