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無職の坊やから、長期休暇へ②

「the longvacationsってバンドでね...」

話を聞いてみると、ちょうど俺がバンドを脱退・解散した先週に、時同じくして「the longvacations」というスリーピースバンドよりドラマーの脱退話が出ており、今途方にくれているらしいよ。という事であった。

「アライくん興味あるならどう?」

ロングバケーションズ?90年代ドラマ好きなんかな?とかなんとか思いつつ、ひとまずYouTubeでライブ映像を探した。そのとき見たのが「オールドホーム」という曲である。

....うむ、好み!第一印象はこう感じた。しかも映像のライブハウスは俺が今立っているナインスパイス。これってもしかして運命なのカモ?なんて乙女チックなことを考えていた。

しかし、ライブ映像だけではメンバーの事はさっぱり。年齢や性格はもちろん、俺を受け入れてくれるかどうかもまだ全然わからない。もしこのジャガーを弾きながら歌っているメガネの青年がとんでもなくワルだったらどうしよう....ヒゲでデブはNGだったらどうしよう...と少し気弱な乙女33歳男性になってしまう。

んー、すぐすぐ答えを出すのはまだ早いのかもな...ましてや今はPOSSEの最中だし、終わって家に帰ってからゆっくり考えよ....と、Twitterでバンドアカウントだけフォローし、頭を悩ませながらまたライブフロアに戻ることにした。

次の出演者はギター小松さん、サックスに富烈さんのフロアでのアコースティックだった。俺は小松さんと富烈さんの前に体育座りをし、音楽に身を委ねることにした。

しかし演奏は素晴らしいのに、まださっきの話が頭をちらついて離れなかった。こんな早く加入のチャンスがあるのはラッキーだが...やはり共同作業で音楽を作るしんどさは....うんぬんかん...もっと慎重に..いやでも...どうしようか...。そんな感じで集中ができないまま、ライブは進んでいく。そしてあっという間に最後の曲となり、小松さんはアコギを置き、詩の朗読を始めた。

(実際のライブ映像ではないですが、この曲を聴いた)

小松さんの言葉と富烈さんの音色が染み込んでいき、嗚呼これを目にできたということは、やるってことなんだな。と俺は決意を固めた。いや、決意を固めたというよりこれから起きる変化に恐れず、自然と受け入れて進んでいくことにした、という感じ方が近いかもしれない。あの瞬間の小松さん達は神様みたいだった。この景色と言葉とメロディは生涯忘れられないだろう、と少し目が潤んだ。

転換中すぐさまスマホを取り出して、the longvacationsに俺を入れてください!と連絡しようとしたが、何やら通知が1件来ていた。なんとthe longvacations側からDMが来たのだ。

いやこれはエピソード的に俺から声かけたほうが熱かったやん?と後に思うことになったが、連絡がきたのはすごく嬉しかった。どうやら向こうも俺がやっていたバンドの動画を見てくれたみたいで、よかったらお話だけでもどうですか?とのことだった。これがthe longvacationsのgt.vo、doiちゃんとの初コンタクトである。

俺もすぐさま実はお話は伺っておりまして...と伝え、トントンと話は進んでいった。

POSSEも大トリのkumagusuが終わり、新宿ナインスパイスから家路に着く。帰路の間にもLINEでdoiちゃんと話を進めていた。なんとメンバー全員が自分と同年代であり、趣味嗜好もよく似ていた。doiちゃんもなんか運命チックですねーなんて話してくれて、アライの乙女が加速をしていく。

もしPOSSEに来なかったら、まだあてもなくバンドを探していたかもしれない。自分にとって強い思い入れがあるイベントとなったのは確かだ。来年以降も絶対行こうと心に決めている。

POSSE、ずっと行きまっせ!(続)

【告知】

2023.04.04(火)
吉祥寺ワープpresents
「春の新生活応援GIG」
▶︎Fine,Great
▷the longvacations
▶︎SoMaTo
▷鈴木 隆人
▶︎Torches

OPEN 18:00 / START 18:30
ADV ¥2000 / DOOR ¥2500

(the longvacationsはトリの21:05-21:30)

チケット予約ご希望の方はアライかバンド、メンバーのTwitterDMまで!

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