ベストバウト!!【2020Mリーグ】
※無料で全部読めます
てってれてってってってってってってって♪
iPhoneの着信音が鳴る。
多井「おお、どうしたアイコ。」
日向「ごめん、たかはりゅ。アサピンにトップあげちゃった。」
多井「ま〜いいんじゃない。チームトータルもトップだし二着で十分っしょ。(チーしてテンパイとれよこのバカ。)」
てってれてってってってってってってって♪
iPhoneの着信音が鳴る。
園田「もしもーし。」
村上「ごめん、けんちゃん。たくさんリッチ言ったんだけどあがれなくて、初めてラス引いちゃった。」
園田「いいよいいよ。ずっと淳ちゃんにおんぶに抱っこだったし、最近たろうも寝不足みたいだから、そろそろ本気出すよ。」
てってれてってってってってってってって♪
iPhoneの着信音が鳴る。
瀬戸熊「おお、お嬢。三色あがった?」
黒沢「ごめ〜ん、瀬戸熊さん。三色あがれなくて三着だったの。でも鳴かなかったよ。」
瀬戸熊「おお!ナイス!」
バシバシバッシー!オヤカブリ!バシバシバッシーメクリマケ!
ガラケーの着ボイスが鳴る。
石橋「おいっす。」
朝倉「石橋先輩!ついにトップとったっす!」
石橋「おお!おめでとう!嬉しいよ。(お前がトップ取ったらどうやって目立てばいいんだよ、空気よめ。)」
今シリーズ、ベストバウトと言われた戦いが今始まる。
◉オープニング
「園田との一騎打ちだな・・・。トップか二着。邪魔するなよ熊橋。」
「まあ普通に打てば連帯は固いな。淳ちゃんの分も取り返すか。」
◉東一局<多井視点>
「コート・ダジュールか?」
バラバラな配牌に思わず言葉を漏らしてしまった。
悲しい顔をしようとしたが、いつも悲しい顔を作っているのでする顔が無かった。
ふてくされながらも、なんとか特になる打牌をしようとする。最速最強はツイートには妥協しても麻雀には妥協できないのだ。
この手、淡白に字牌を切って進めることも出来るがメンツ手としては厳しい。ならば字牌の重なりを見つつチートイを本線に進めた方がいい。
ゆっくり理牌をして、ゆっくり2sを河に置いた。審判に注意されるまではいくらゆっくりしても許されるのだ。
一応、ドラ受けの両面は残す。
ただ、さっきも言ったように本線はチートイだ。両面として使うのはクマクマタイムが発動するくらい珍しいだろう。
自風の南が対子で、ターツは足りているので一応3pを切った。
南が出ても鳴かない。7pか7sが埋まっても一鳴きはしなさそうだ。
「本線はチートイなんだよっ・・・!」
言葉の通りターツを削って行く。
字牌はアンパイでは無い。チートイの攻撃の種だ。これが二流選手との違いだ。一枚切れの字牌を攻撃にも使える時。
それが、配牌で字牌を残す時の一つの基準だ。
これでメンツ手とは完全におさらば。危ないドラ表示から切る。
「あっ・・・」
ドラ側だと思って適当に切ったが、どう考えても2mの方が山にいそうだ。リーチした時の強さは河的には8p>2mだが、Mリーグではリーチをかけると筋すら出るかも危ういので基本的には枚数重視だろう。
「解説今日誰だっけ?」
この時ばかりはツッチーが解説であることを祈ったが、渋川もMリーガーのミスは指摘しないので大丈夫だろう。
どーせ、あがれ無い手なのでカメラの見え方だけを気にした。
わせりんのワンポイントアドバイス♪
チートイは周りが守備であればあるほど、山にいる枚数を重視しよう!
ホトトギスですら鳴かない。
中が枯れたので南の暗刻を切ってチートイ固定の2p残し。
5mや6mあたりだと全員に危険&場況の悪さを考慮して先切りしたいが、2pならギリギリ南を打つ。
瀬戸熊にインチキマンガンをツモられる。残り2巡でラス牌の4mを引き入れ、残り1巡での9pツモだ。
「こんなんがオリンピックになるわけねーだろ。」
そう思い、今後もVtuberと絡むことを強く決心した。
瀬戸熊が7mを鳴いていないことが分かっていたらこの時点で帰っていただろう。入り目がわからない麻雀に感謝した。
◉東一局<園田視点>
頭が無いので1m切り。
124pの形は1pでも4pでも頭ができる優秀な形だ。灘出身の私には簡単な問題だ。
「なんでもいいけど三色見とくか。」
そんな気持ちで1pを切った。そりゃあ三色になんかになりはしない。
ただ124pを残した形が誘うのはリーのみ愚形の世界だ。
行き着く先がABEMASの楽屋の様な淀んだ世界であればあるほど、打点を見て無茶するのが許される。
だから1pを切った。ドラが一枚ならまだ1pを切るが、ドラが二枚あったら9pを切っていただろう。
7pを引いて形だけは三色が見えた。その後はただテンパイしないでツモ切っていただけなので何も覚えていない。
インチキにより4000点減っていた気はするが気のせいだろう。
◉東一局一本場<多井視点>
さっきよりはマシな配牌になった。マンズのホンイツを見て9sから切る。
334467mの部分が258mの三度受けでめちゃくちゃ重いので上家の瀬戸熊から鳴けそうな場合はホンイツを強く見る。
インチキツモによりクマクマタイムに入ったと思ってるだろうからなんでも切るだろう。
上家の瀬戸熊の第二打の8sに注目しながらペンチャンを切った。
上家が8sを切っていると言うことは、今後マンズかピンズが高くなる可能性が高い。どちらかに決めることができない限りはペンチャン払いを選ぶが、次の上家の打牌がピンズだとホンイツは諦めることが多そうだ。
そう考えながら打つことで判断がスムーズに行えるんだ。一打一打に迷わなくて済む。
「誰でも9p切るけど、9pを切ったときに何を思ってるかが大事なのよ。」
俺は麻雀を誰にも教えないとツイートしたことがある。でも本心では教えたくて仕方がないのだ。
「見てるか白鳥?お前、切るの遅すぎだぞ?」
背中で語りながら、ゆっくりと時間を使って9pを河に放った。
わせりんのワンポイントアドバイス♪
自分の手が鳴く必要がある場合は上家の挙動に注目しよう!
序盤に切られた色以外のターツが多い様な鳴き手は鳴きづらいことが多いので門前を強く見る必要が出てくる。
その分岐をリアルタイムで判断しなければならない。
「ピンズもマンズも切ってくれやしねえ。」
大事なのは今ある情報だ。少なくとも上家はマンズを切る気はなさそうだ。そしてソーズはいいことはわかっている。
ならば無理にホンイツに行くよりはメンツ手のタンヤオだ。
石橋が何か鳴いている。
とりあえず無視したいが、ドラを切ってのポンは流石に速度がありそうだ。スリムに構える8s切り。
また、石橋が鳴いた。
悪戯小僧の石橋であってもこれはテンパイに見える。打点がそこそこある3900~のテンパイだとしたら赤5p周辺の36pや4pを鳴いていないので少し可能性は落ちるが47p、赤5m周辺の36mと47mあたりが本線だろう。
と思っていたら3pを引いた。
ド本命すぎるし、そもそも石橋がテンパイだとしたら押す価値の無い手なのでオリ。
「アイコですらたまにしか切らねえよ。」
いつもの様に時間を使って悩んで3mを切った。
チートイのイーシャンテンにはもちろん取れる。南を切るのは簡単だ。
ただ、チートイのイーシャンテンに取ったときに浮いている6m、7m、4pの感触が異様に悪い。麻雀は一手先の受け入れを考えて打牌するといいことが多いたかはる。
例えばこんな牌姿のときにペンチャンをダイレクトに引く以外はどうせペンチャンを落とすことになるんだから、一手先を読んで最初からペンチャンを落とす。
この手、一手先を考えたときにチートイで即テンパイする以外に無筋が切れるだろうか?
マンズは全員に危なすぎる。誰かが鳴いたりリーチしたりもっと言うと手出しを入れられただけで、もう何も切る気が起きない。
ならば3mが切れるこの瞬間に3mを切ってケイテンを狙うのが一番いいんじゃ無いか?
「俺は、三手先を読む。今後はMリーグよりVtuberだ。」
そう考え3mを切った。
狙い通りケイテンをとる。
「見てるか?Abemaのコメント欄。」
湧き立つアンチにアピールしたが、ケイテンなんて地味な行為はただ騒ぎたい人たちには伝わらなかった。
称賛のコメントどころか顔の悪口が書かれていた。
◉東二局二本場<多井視点>
「そっ、そっ、そっ、そめ。」
当然のホンイツ。西を一鳴きしない奴が多いが、こんな西は一鳴きに限る。Mリーガーはオタ風のポンには最大限の警戒をしてくれるから遠ければ遠いほどポンした方がいい。
どーせ、テンパイまで時間かかるんだから他家の手を止めながらゆっくり作ろう。
案外、早くイーシャンテンに漕ぎ着けた。
いつもの様にファッション絞りをする上家に笑みを浮かべつつ、何を切るかを考えなければいけない。
候補としては1m切りか南切りかだ。
単純な受け入れとしては南切りだが、1m切りもある。
さっきと同じ理屈で1mを切ると他家にとっては緊急事態宣言が出るのと同じだから警戒度が上がる。
テンパイにもう少し遠ければ1mを切って牽制しつつ進めるのもありか。
今回は流石に南を切った。
「親番のイーシャンテンでうまぶる奴にまともな奴はいねえよ。」
俺はこの気持ちが少しでも伝わればいいと思い、対面の石橋の足をバレない様に横から蹴った。石橋が園田を睨んでいた。
◉東二局二本場<園田視点>
「ドリブンズの配牌・・・!!」
大体、ひなたんとか亜樹ちゃんとか雀力が乏しいやつにいい手が入りすぎだ。平均的に麻雀が一番強いのはどう考えても我がドリブンズだ。
僕だって、人並みに手が入れば最速最強の名を欲しいままにできた。大体、多井さんはそんなに最速じゃ無いだろ。いつからこんな実力不足のキャラになったんだ。
Abemaのコメントではいつもディスられている。あいつらは何もわかっていない。
役牌の重なりは大きいので当然オタ風の西から切ったら、最速最強が鳴いてきた。
ピンズのカンチャンを払っていることから何らかの染め手だろう。
次に出てくる色に注目しなければならない。
「ごめんなコメント欄。」
あいつらはわかっていた。こんなのマンズのカンチャン落としだ。何のために上家の動向を見てたんだ。
多井さんはマンズのホンイツだ。しかも、13pから切っているのはどのホンイツか分からなくするために枚数の多いピンズを選んだ可能性が高い。
逆にいうと手にソーズはほとんどないはずだ。このペン3sは間違いなく持っていない。
Abemaのコメントを意識しすぎて平面通りに切ってしまった。
と思ったら、4sを引いてリカバリーすることができた。ひなたんなら8mを引いていただろうと考えたらムカついてきた。
多井さんが7mをポンしてきたので4mを先に切った。中盤にマンズの真ん中が出ていく様な手組みは避けたい。
9mも危ないが4mよりはマシだ。
「最低の入り目だなあ。」
Abemaのコメント欄はうおおおおおおおおおおおおとかきたああああああああああああああああああああああああああ
とか騒いでるんだろうが、こんなのリーチしたくないんだよ。
14pから入れば今通った36mでダマができる。
ひなたんなら4pを引いてるだろうと思ってムカついたが、ひなたんならそれでもリーチしてそうだから怒りがおさまった。
案の定、リーチして流局。ひなたんのチームメイトの多井さんの足をバレない様に横から蹴った。多井さんが石橋さんを睨んでいた。
なぜか、僕は石橋さんに睨まれていた。
◉東二局三本場<多井視点>
やっと麻雀ができそうだ。
字牌を残す様なクソ配牌は連盟員にでも入れとけばいい。どーせ彼らは言われなくても字牌を残すんだ。
俺には最低でもこのくらいの配牌を入れてくれ。
きちんと南から切り出した。
「うるせえええええええええええええええええええええ。」
供託なんかに色めきやがって。白鳥かよ。
Mリーグなのに三巡目にポンチーが三つも入っている。配牌としてはそこそこだったが、こうなってしまってはこの手は追いつけない。
唯一鳴いていない連盟の瀬戸熊をこのときばかりは愛おしく思った。
字牌は切れない。当たらないとは思うが、この手から切る価値はない。
2000点の横移動をしていた。全然面白くなかった。
◉東二局三本場<園田視点>
供託が1900点落ちている。この手は2000点の手なのであがると3900点の収入になる。
下家の石橋さんが1mを鳴いた。
「また、くそ鳴きかよ。」
そう思ったが一応マンズのホンイツをケアして先に2mを切った。目先の3900点が見えてるのだから最大限自分があがれる様に打つ。手が悪ければマンズは絞る。
麻雀はバランスだ。
ターツ選択の場面が訪れた。
あがるだけなら45mを払うのだが、45mを下家の鳴きに下ろすのはいささかやりすぎにも思える。
ただ注目すべきは4pが最後に手出しで切られている点だ。
4pを残していた理由はズバリ、ドラが受けれる手だったからだ。
そう考えると、手の中に役牌の対子や暗刻があるのが自然だ。役牌の無い手ならば4pを残しても使う道がない。
役牌バックとホンイツの天秤で進めていて4pを切った瞬間にマンズのホンイツに移行した可能性もあるが、4pを残すくらいの手ならばターツは揃ってなさそうだからホンイツでない可能性も含めてこの瞬間にマンズで放銃することは少ないだろう。
いろいろ考えたが、大事なことを忘れていた。
「また、くそ鳴きかよ。」
わせりんのワンポイントアドバイス♪
副露の最後の手出しの意味を考えよう!ホンイツを否定できたり、役牌の有無がわかったり大きな情報が隠れているぞ!
「ほれっ。」
「ほれ、ほれっ。」
あがれた。
「くそ鳴きじゃねえよ。」
◉東三局<多井視点>
「うーーーーーーーーーーーーーーーん。」
さっきから全然見せ場がない。ヒーローになりたい俺としては面白くない。この手も形はいいがリーチのみになりそうだ。
一応きちんと西から切る。
下家の園田が鳴いていて実はすでにやる気がない。
下家はホンイツなどの可能性があるが単に手がいい可能性もある。
特に、こんなドラが5sの時などは要注意だ。みんなが使いやすいドラなため副露に不用意に放銃するとすぐにマンガンと言われる。
僕の手は形は悪くはないが、愚形含みのリーチのみの手だ。9pを先に切ってスリムに構えつつテンパイしたら行くくらいのバランスだろう。
下家が3sを切った。ドラそばが西より後に出ている。手が速いのかホンイツとの天秤からピンズホンイツに移行したのか分からないがどちらにせよ高そうだ。
もう撤退だ。下家がホンイツを含めて高いことを考えるとこの手はいけない。ヒーローは苦しい時に耐え抜くものだ。
我慢し続けても報われないのが麻雀だが、我慢しないと報われないのが麻雀だ。
◉東三局<園田視点>
「渋谷アベマズか!」
バラバラな配牌に思わず言葉を漏らしてしまった。
役牌が対子なのでとりあえず染めてみることにした。
あがりに遠い手は無茶して打点を追うことが許される。
ポンして6m切り。ブラフも兼ねて河を派手にしておこうと思った。一応ホンイツであがる気だがあがれないだろう。
暴君が何も考えずに9pを切ってきた。イーシャンテンくらいだろうか。
9pをあえて溢れさせたのに暴君がション牌の中を切ってきた。イーシャンテンの中でも高打点や良形確定なことが多そうだ。テンパイの可能性もゼロではない。
これが育成枠の高宮さんならリャンシャンテンもあり得るがMリーガー候補生の瀬戸熊さんに限ってそれはない。
暴君の得意技ダマテンを警戒して7sを止めた。当たる可能性は高くはないがこの手から切る必要はないだろう。麻雀はバランスだ。
よく考えたら暴君の得意技は役なしダマテンだから気にする必要はなかった。
その後、暴君からリーチが入って流局。
◉東四局<多井視点>
「渋谷アベマズか!」
バラバラな配牌に思わず言葉を漏らしてしまった。
ダブリーが欲しい。あがんなきゃヒーローじゃねえよ。何が我慢だ。亜樹ちゃんにそんなの任せとけと口に出そうとしたが最近一緒にYouTubeを撮っているので引っ込めた。
俺は権力に弱いのだ。
こんなのチャンタか国士にしかならねえよ。
両面イラネ。はいはい国士国士。
てか、いつになったらMリーグで役満あがれるんだよ!放銃しかしてねーぞ!こちとらあがったとき用の顔を用意してんだよ!
◉東四局<園田視点>
ドラはないが形は悪くはない配牌だ。
一応のホンイツも見て9pから切る。北が重なったらホンイツで123mを落とすことも考えている。ドラが5sなのでホンイツなら現実的にマンガンが狙えるからだ。
リーのみになるならある程度の無茶は許される。3~4巡目くらいまでなら123mを落とすだろう。
麻雀はバランスだ。
赤が来たのでホンイツはなし。
てか、多井さんは何をやってるんだ?マンズの染めか?
1pは三色、8sは僕から三枚見えててくっつきが強そう&一応のイッツーがあるので4sを切った。
打点を追うときは何を切るかを考えるより何が切れないかを考えるといい。消去法で考えると正解が見えてくることがある。
この場合だと打点のために1p8s切らない、守備のために南を切らない。
そうすれば4sが切れる。4sを切ろうとすると4sは切れない。
わせりんのワンポイントアドバイス♪
打点を見るときに何を切ればいいか分からないなら何を切ってはいけないかを考えてみよう。
「ふああああああああ。」
寝不足であくびが出た。最近たろうが寝不足でよく分からないことをしていたが僕も睡眠が足りないみたいだ。
赤5sをツモって打点がいらなくなったから三色を見切る1p切りとしたが上家は国士じゃないか。
8sのくっつきは強く見えるが69sならまだしも(それでも国士がいる分最高の待ちというわけではない)9sがくっつくよりは1pに23pがくっつく方がいいじゃないか。
上家は何でも鳴かせてくれそうだから鳴きが使えるのが大きい。鳴いての三色がマンガンになる以上この受け入れを無くす1p切りは良くないと思った。
今日はトップをとって早く寝ようと思った。
「ひなたんなら3pなんか引いてこねえだろうが、くそ。」
しっかり3pツモ。1pを残しておいたらここで南を切って鳴けるマンガンのイーシャンテンだ。
「何がキングだ。ただの悪戯小僧だろうが。」
ひなたんにムカついたので赤切りリーチをした。1pを切っているので4pがかなり出やすくなる。
よく考えたら赤を切らない方がいいと思った。上家の多井さんはアンパイだらけで4pを切ることはなさそうだし下家のキングは謎の警戒をしそうだ。
何よりも打点が下がることが痛い。
ただ一つ言えることは、僕の河はある程度おとなしいし1pも切られてるので誰かの赤切りよりは優秀だ。
これは間違いない。寝不足でもわかる。九九みたいなもんだ。
「りょおおおん(。☉౪ ⊙。) 」
誰かから出た。着順に関係なく僕の勝ちです。
「裏のれよ、打点下がってダサイだろうが。」
赤切りによって4pが出たことを祈った。
家に帰ってAbemaで確認するとどっちにしろ出た4pだった。Abemaプレミアムを解約した。
「年下のくせにパクんな。打点下げて赤切りはありえねえよ。期待値考えろ。」
一瞬、怒りに震えたが俺様の赤切りが流行ってるのはとてもいいことなのでルンルン気分になった。
よく考えたら同い年だった。
◉南一局<多井視点>
やる気の出ない配牌が続いてるので8pから切った。
最初と同じ考えで字牌は残す。
スリムにスリムに。
4pがくっついて少しやる気が出た。ドラ受けの両面を固定してスリムに構える。形は悪くないように見えるがマンズが高すぎてあがれる気がしない。
手順的には南を切るのが普通だが、シャンポン受けの西が二枚枯れている。
とすると、ほぼ8mをペンチャンとして使うことになるのに8mが全員に危険すぎる。
だから先切りだ。一手先の未来を考え打牌をするこれが一流選手だ。
同じ理由で1m切り。
上家が、發を一鳴きした。誰かと思ったら瀬戸熊だ。
俺は外面をよくするためにメディアでは「さん」付けしているが、心の中ではほとんどのプロを呼び捨てで読んでいる。
理由はおれより弱いからだ。先輩だが瀬戸熊だ。
瀬戸熊が役牌を一鳴きは緊急事態宣言だ。ポンテンの可能性がかなりあり、ポンテンではなくても高打点が確実だ。
ドラだから1mを切ったように見えるがこれが3sとかでも止めた。こんなにマンズが高いリャンシャンテンから無筋を切ることはない。
わせりんのワンポイントアドバイス♪
副露に対しての押し引きは難しい。最初は他家がテンパイしているかどうかよりも自分の手があがれるかあがれないかの感覚を身につけよう。
副露に対する押し引きの間違いの大半はあがれない手で押してしまうことだ。
はいはい、撤退撤退。我慢我慢。
◉南一局<園田視点>
悪くない配牌。
きちんと字牌から切る。
ターツオーバーにつき北か9sを切るのが普通だと思うが、ここは4s切り。
理由としては4sがドラ表示牌で先切りしたいのと、2356pが二度受けかつ1pが切れててかなり弱いターツになってしまっている。
9sと北はそこそこ強いターツなので未来に23pを落とす手順を残したかった。
麻雀が上手いやつは全員4sを切る。ひなたんはもうリーチをしている。
8sツモで23p切り。1pが三枚枯れているので強い9sと北のシャンポンを残して5ブロックに受ける。
「おい、Abema見てるか?」
プレミアム会員は解約したがAbemaに完璧な手順をアピールするために切るまでに小一時間使った。早く切れとコメントで言われていたのでアプリを削除した。
これが麻雀の腕だ。運ではない、腕だ。王者ドリブンズにふさわしい麻雀。
悠々とリーチをしようと思っていたが、暴君が發を一鳴きしてきた。
緊急事態宣言だ。
下家からリーチが入った。4mが通ってるので比較的7mは通りやすくはある。
もちろん、リーチと言いたいのだがラス目のリーチと親のマンガンに対してリーチのみで追っかけなければいけない。
しかも、僕の手は北の暗刻があるのでオリるのは容易い。
また、小一時間使って悩んだ。
AbemaTVは削除したので悩み放題だ。多井さんの仲間入りだ。
結局リーチした。こんなのリーチしかないだろ!と思ってるやつは考えを改めて欲しい。切る牌が7mなのでまだリーチしたが、浮いている牌が無筋ならオリていただろう。
確かに両面はほとんどの場面でリーチだ。
しかし、ダマにする場面を見極めないと一部のMリーガーのようなトッププロにはなれない。
麻雀にどの場面にも使える確実な正解はない。その時その時で一番いい打牌を頭を使って捻り出すしかない。
麻雀はバランスだ。
御託を並べたが、石橋が高め一発ツモとかいう僕がMリーグで一回もしたことないあがりをしていたのでWikipediaの年齢を一つ下げておいた。
これで僕の方が年上になったので呼び捨てで呼ぶことができる。
◉南二局<多井視点>
「この手を俺の死に場所にする。」
やっときたいい配牌。9mが二枚切れているので赤を使う8m切りも考えたがドラ受けもあるしー盃口もある。点差が離れてないのであがることが一番大事だ。
5mが裏めった上に、瀬戸熊が赤5pを切ってきて気分が悪い。
「黒子邪魔すんなよ・・・。」
そう思ったが体が勝手に北の対子落としをしていた。麻雀には妥協できない。我慢だ我慢。
見事に9mをキャッチ。美技に酔いしれて切るのが遅くなったが1pを切った。23pのターツがあるなら赤5pは最後まで残しておくだろうと思ったのだ。
というのは建前でこんなの押しだよ押し。
ラス目の親番のイーシャンテンでヒーローがオリるわけないだろ。
全然テンパイせずに3sを引いてくる。
赤5pより残した6sは関連牌。ということは246sの形は全然あり得る。
血眼で2sと4sの数を数えたが、どう見たって3枚ずつしか見えていない。
やっぱり246sからのカン3sがあり得る。
イエローカード覚悟で2sか4sを持ってる人を他の二人に聞こうと思ったがヒーローなんでやめた。リーグ戦とかなら聞いていたと思う。
ちなみに聞いたとしても審判はイエローカードは出さないだろう。
麻雀は我慢と言い聞かせて仕方なくオリた。
◉南二局<園田視点>
鳴いて2000点の手。サクッとあがろう。守備は西で大丈夫なので先切りで白を切った。
頭が8mとかなら白が重なった時に安全な牌を頭にするために9sを切っただろう。
多井さんが赤5mを切ってきた。ラス目の親番が赤切りってことはめちゃくちゃ速そうだ。
とかなんか考えてスルーしたが、チーでもよかったように思った。3900点ならトップ目に立てるし、上家が速いとこの手そこそこ鳴くことになる。
鳴かない方が良さそうだが、どっちでもいいくらいか。
暴君がリーチをしてきた。仕方なくオリ。
クルクル回っているとイーシャンテンになった。ケイテンのために1mか7mは切る覚悟だ。
3sを引いてきた。
赤5pより残した6sは関連牌。ということは246sの形は全然あり得る。
血眼で2sと4sの数を数えたが、どう見たって3枚ずつししか見えていない。
やっぱり246sからのカン3sがあり得る。
2sか4sを持ってる人を他の二人に聞こうと思ったが、Mリーガーとしてやめた。
僕はそんなことが少しでも頭に思い浮かぶ選手が大嫌いだ。
暴君の一人テンパイで流局。
◉南三局一本場<多井視点>
「この手を俺の死に場所にする。」
南三局、ラス目のこの手。オリることはほとんどないだろう。もちろんリーチを見て役牌から切る。
今日初めて役牌から切ることが出来た。雀荘なら記念撮影していた。
三色なんていらない。スピードだ。
「やってんな!」
6ブロックに受ける8pとした。8sがかなり山にいそうなので縦受けを重視した。
が、これは8s切りだ。やっちまった。12345sの連続系があるので7p引きが活きやすい。
こんな形だと結局頭を作るのに苦労するが
この形だと12345sがあるために頭に困らない。
どうせ残り一枚の8sを引く以外は8s(9p)を切ることになるのだから7p受けを残してこの時点で8sを先に切った方がいい。
一手先を考えて打てるのが一流の証だ。
「まあ、ミスったけどアイコじゃあるまいし俺の打牌が間違ってるとは思われないだろう・・・。」
と安心していると園田が3pをチーしてきた。
この親番のこの河でブラフはない。5pを切ってまでチーしたのだからテンパイだろう。仕掛けをめちゃくちゃ考えた。
①123pが役がらみ
あり得る。イッツーや下の三色、チャンタ等全て可能性がある。
②役牌暗刻
あり得るが可能性低め。役牌暗刻のイーシャンテンのようなリーチをしたい手ならばペンチャンを解消する5pを切るのは早過ぎる気がする。
③役牌バック
あり得る。役牌暗刻と違い門前の受け入れが狭くリーチになる可能性が低くて鳴くことが前提の手であれば先切りでの5pはあり得る。
この三点を意識して手を進めてくことになる。
7pは裏めったがAbemaTVは俺の顔を映していたのでバレていない。
2mも危ない上に、中も西も掴んだので完全にギブアップ。
と思ったらテンパイしてしまった。
しかし、先ほどと違い見えている情報が違う。
①123pが役がらみ
この場合に考えられる役がなくなっている。1mが四枚見えて三色はなく、9pも四枚見えイッツーもない。
チャンタもカウントしてみればわかるが残りのメンツを構成できる牌が残っていない。
となると、先ほど述べたように役牌バックが一番可能性が高い。
テンパイだとしたら中は60~70パーセントはあたりそうだ。
テンパイは欲しい。
「我慢し続けても報われないのが麻雀だが、我慢しないと報われないのが麻雀だ。」
これが魅せる麻雀だ。
◉南三局一本場<園田視点>
親番でメンツ手は厳しそうだ。字牌が重なればホンイツでのマンガンが観れるので思い切って6sから切る。
6pを引いて89m落とし。あくまでもホンイツが本線だ。
狙い通り、中を重ねた。ホンイツでのマンガンが現実的に見える。
と思ったら1sが暗刻になってしまった。これだとホンイツではなくて中ポンしてのテンパイか万が一の門前を見た方が良さそうだ。
ペン3pは良さそうなので5pを先切りしておこう。
「チー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
元気よくチーしたがペン3pの状況の良さ、チーしたときの中の放たれにくさを考えるとまさかのスルーがあったように思った。
というか多分チーしない方がいい。
誤発声はあがり放棄になることを、たろうが示していてくれたので仕方なくチーした。
麻雀は比較のゲームだ。あがり放棄とバックテンパイならバックの方が有利と見る。
石橋が南を切ってきた。完全に舐められている。
石橋「さっき足蹴られた分な。」
園田「みんな伏せてばっかり遊戯王かよwwwwwwwwwww」
◉南三局二本場<多井視点>
「この手を俺の死に場所にする。」
ラス目で手としてはそこそこいい。打点は北が暗刻になったりチャンタでつけよう。俺はヒーローだ。
チャンタが見えてきた。中は一応残してマックスチャンタ三色を狙う。
「きたっ・・・・・・・!!」
瀬戸熊が南を鳴いて56pを落としてきた。場にいい47pを払うってことは赤5sのターツを持ってそうではある。
一応56pをもう1組持っていての47pもあるが、どちらにせよ超絶場況のいい両面を払っているので中とのシャンポンは無さそうだ。
まあ、点数的にほぼ無視するが考えて置くことに越したことはないだろう。
中が手出しで出てきた。合わせ打つ。
「これがヒーローなんだよっ・・・!!」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
◉南三局二本場<園田視点>
リーチが狙える手。もちろん役牌から切る。
暴君がポンして6p切り。
絶好の47pを嫌ってまで14mを残すかは不明だがあたり得るのでノーチャンスの1p切り。
5mから入れば7mを切ることが出来る。
これが麻雀の腕だ。運ではない、腕だ。王者ドリブンズにふさわしい麻雀。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
これが麻雀の腕だ。運ではない、腕だ。王者ドリブンズにふさわしい麻雀。
◉南三局二本場<瀬戸熊視点>
「わせりんnoteで唯一取り上げられる場面だから頑張らないと。」
よく分からない手順でマンガンテンパイしてしまった。この局面でマンガンなんていらないんだから素直に47pを残しておけばよかった・・・
私は暴君だからマンガンテンパイはオリる訳には行かない。期待値がどうとか、状況がどうとかは関係ない。
意味のない押しでこそクマクマタイムが生まれることがあるのだ。
(´・ω:;.:… スッ
「クマあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。」
私は何のために暴君を名乗っているのか。超攻撃アマゾネスに匹敵するくらいの詐欺である。
私は損得の計算は出来ないので来季の雷電選手のわせりん頼んだ。
わせりんのワンポイントアドバイス♪
二軒に対して無筋を押す場合愚形マンガンでやっと正当化できるくらいです。今回は着順が大きく絡むので一概には言えませんが、ドラが見えすぎてて打点が安そうな点と、当たる可能性がありそうなラス目の多井プロに放銃しても安手であれば園田プロにあがられるよりはかなりマシなので押した方がいいでしょう。
このように点数状況が絡んだ押し引きは牌自体の放銃率よりも、どのくらいの打点に放銃したらいけないか、誰に放銃してはいけないかを考えた方が有益なことが多いです。
今回も、この二点をきちんと考えられていれば押せたでしょう。
◉南三局三本場<多井視点>
ラス目だし、配牌悪いしで何を切ったか記憶がない。
◉南三局三本場<園田視点>
麻雀には流れがあると言わんばかりの好配牌。
發から切った方がいいが間違えた。
タンピンドラ1をダマ。平和ドラ1ではないのでセーフだ。
これは石橋の鳴きに58pが打たれやすそうなことと、5800点でトップ確定には十分と判断してダマ。
1900点の横移動。
◉南四局<多井視点>
「見てるか石橋・・・?本当に視聴者を沸かすってのはなあ、自分の身を切る行為なんだよ。身を切って確かな技術とともに打牌をする。そんな小手先の、赤切りました!どう?盛り上がってるでしょ!?みたいなやつじゃねえんだよ。」
熱い気持ちを黙読するのに時間をかけたがそう言えば石橋は同卓していたから見ているはずがなかった。忘れていた。
「アイコ、松本・・・ よーく見ておけよ。ラス目でもやれることはある、感動させることはできる。」
パーン(強打)
素点回復とか局収支とか関係ないんだよ。Mリーガーとして見ている人を楽しませる。それが一番大切だ。
なぜなら俺はヒーローだから。
わせりんのワンポイントアドバイス♪
良い子はリーチしようね。
「お前のあがりで終わったら盛り上がらないだろうが・・・!」
しらね
しらね、しらね
「ざわ・・・ざわ・・・」
さらにリー棒が出た。これで倍ツモトップだ。
ヒーローの倍ツモ見せてやんよ。
「・・・・・・!!!!!!!」
これだけは分からない、ハネマンツモだと三着のままだ。リーチをしないとツモの時に倍満にならない。
二軒リーチに対して、この薄い手替わりを待って、危険な8mを切ってさらにツモりあがるのと
この中ぶくれ単騎をツモるのどっちが早いんだ・・・?
分からんが手替わりにかけるぞ。
8mを引いたならフリテンリーチすればいい。そっちの方がより劇的だ。
園田「チー」
園田「ツモ」
「8mツモならドラマがあっていいでしょう。5mツモなら殴ってました。」
おしまい。
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