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Mリーグ史上で一番好きな試合を褒めてみた


こんにちわせりん、わせりんです。

noteではお久しぶりですね。

最近Mリーグがまた盛り上がってきているので記事を書くことを再開しようと思い筆をとってます。

キーボードで打ち込むだけでも筆をとるっていうんでしょうかね。今後は、巻き戻すみたいに死語になるのかもしれませんね。

さて、今日はいつもの批判記事と違います。

最近、レベル的にもエンタメ的にも素晴らしい試合を見たのでその試合についてどこがよかったのかを私なりに賞賛していきたいと思います。

今回取り上げるのは、皆さんの記憶にも新しい2月5日の

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の試合です。間違いなく今シーズンのベストバウトでしょう。私はMリーグ通してもトップレベルに好きな試合です。



ネタバレにはなりますが小林プロがチートイの裏裏を決めてラスから二着に上がったシーンは皆さんも熱狂したのではないでしょうか。

褒め記事なんかを書くと、「わせりんも大衆に迎合し出したか」とか「わせりんも毒がなくなってつまんない」「わせりんさんってブサイクですね」

など、大きく間違えたことを言う人がたくさん出てくるのでワンポイズンだけ書いときます。

実質公式であるキンマwebのMリーグ観戦記は見てられないですね。本当に見てられない。無理くり選手を褒めようとして内容が置き去りになっている。

ディスる必要はないと思いますが、黒を白と言い出したら終わりだろと思います。

急ですが、ここで告知があります。

4月1日発売のキンマ(近代麻雀)に私のインタビューが掲載されます。本当にキンマは最高です。

これは確定事項なんですが、さらに第二弾もあるとか、Mリーグ批判の本の準備が進んでるとかいないとかもあるみたいです。

こっちは確定ではないので期待せずにお待ちください。

とにかく読んでください!4月1日です!

話を戻します。

今回は褒め記事を書きますが、私が褒め記事を書くってことは「本当にいい試合だった」ってことです。

それだけで読む価値がありますね。

こんなことを書かなければMリーグ関係者にもリツイートとか宣伝してもらえるかもしれないのに書いちゃうわせりんさん。本当に商売が下手です。

と言うわけで今日もいつも通り素晴らしい記事になっていますのでぜひお楽しみください。


◉はじめに

今回の記事もいつものように各選手の打牌で気になったところを取り上げていきます。

ただ、今回は全員が素晴らしい打牌をしていたので、局ごとに各選手のいいプレイを取り上げるようにしています。

なので、選手が何を考えて打牌したか、どのような意図があったかに焦点を当て、そこに私の意見を加えて褒めています。

基本的にはミスの方が皆さんの勉強になることが多いですが、全員がしっかり打てばファインプレーも勉強になることがあるといういい例になったと思います。

一箇所だけ勝又プロに指摘をしていますが、まあ差し色ってことでw

あと、事件簿は多井プロの思考を読み解いているんですが、今までの数十の記事の中で最高難易度だと思います。

ちょっと本気出しました。分からなくても楽しいと思うので読んでみてください。

てか、久しぶりの有料記事なんで買って下さい!最近無料記事ばかりなので200円くらい下さい。わせりんさんがかわいそうです。

と言うことで、元気よく日本一ためになる、Mリーグ観戦記事に参りましょう。

それではどうぞ。


<東一局>

◉事件簿1−1:黒沢プロ、自分に合った打牌をする(0/100)

今回のミスレベル:0/100(一緒に部屋にいる人が毛布を羽織ったのを見て暖房の温度をそっと少しだけ上げるレベル)

黒沢プロが發を切った場面。

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役牌を残すという観点では一枚切れの中を切るのが普通な気はします。ただ、中を切ると守備面で不安が残るので中を残す人もいるでしょう。

どちらを切った方がいいかは難しいところだと思います。

しかし、ここで私が強く言いたいのは「自分がどんな打ち筋かを考慮した上での正着」です。

以前

このようなツイートをしたことがあります。

確かに「打ち筋」は多くの場合、間違った打牌を正当化するための言い訳に使われます。しかし、どう頑張っても人間ですので打牌の傾向に偏りは出ますし、黒沢プロは「鳴かない」という打ち筋と引き換えに門前での進行や押し引きの精度がとても優れているので個性の範疇に収まっていると思っています。

その上で先程の牌姿を見てみましょう。

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「鳴かない」黒沢プロが發を重ねたところでどうなるのでしょうか。

小林プロが重ねたら發を鳴いて1000点でも積極的に仕掛けていくので価値があるでしょうが、黒沢プロにとっては平和がつかない頭が一個できるだけです。

それなら、中を残して門前で押し返すときに安全に押し返せる道を作るということですね。

Mリーグでも、全然鳴かないのに役牌を親の形見のように残し続ける悲しい姿をみたことがある人は多いでしょう。

役牌を残すということはそれ自体が正しいか正しくないのではなく、その人が鳴く鳴かないによって正しい正しくないが決まる側面があることは意識したいですね。

その後、

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対面が7mをチーして西を切ってきます。

黒沢プロは仕掛けに対して素直に2m切り。手としてはリーのみの愚形のリャンシャンテンですが親であることと鳴いているのが小林プロであることを踏まえてギリギリまで押します。

黒沢プロは相手の仕掛けにオリるタイミングが本当に正確です。このくらいならMリーガーでも大体押していると思いますが、副露に対して守備的な白鳥プロや亜樹プロとかはとりあえずの3sとかを切っていることもあるイメージですね。

そして、

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赤5m引きで、押す価値が上がったところでアンパイを持ちつつ二枚ぎれのカン2sを払う3s切り。

2m→3sの順番が素晴らしいですね。2mを先に切っているので押し返しやすい形になっています。


◉事件簿1−2:小林プロ、攻撃と守備のバランスを考える(0/100)

今回のミスレベル:0/100(横断歩道を渡るときに車に気を遣い少し早足で歩くレベル)

小林プロが3sを切った場面。

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候補としては、9pか西でしょう。36sは浮き牌として強いですしタンヤオでの打点を見て9pを切るか、シンプルに西を切るかですね。

ただ今回は、浮き牌が36sで筋がかぶっていることに加えて、2sが二枚切れてしまったのでくっつきの価値が下がったと判断して守備力を考えて西を残して3sを切ったのでしょう。

次巡、

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6sに8sがくっついてタンヤオのターツが揃ったので西ではなく9pから切っています。バランスのいい打牌ですね。


<東二局>

◉事件簿2−1:黒沢プロ、ギリギリまで押し返しを見る(0/100)

今回のミスレベル:0/100(複数人でファミレスに行ったときに全員分の水を率先して持ってくるレベル)

黒沢プロが中を切った場面。

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手としては打点もイマイチで無筋の2mが浮いているので押し返しが厳しいので7pをあわせ打ちたくなります。

しかし、7pは6pがノーチャンスになっていて切りやすいので細い押し返しをみて中から切ったのでしょう。

次巡、

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対面がリーチの現物の3mを切ってきます。

それを見て、ワンチャンスの2mをイーシャンテンから押します。

対面の3mは明らかにターツかメンツから現物を切っているように見えます。3mが単なる浮き牌であればリーチに対して南を切るよりも先に切ってそうですし、3m切りでテンパイしていたとしても既に3mが二枚切れており334mを残すことはないので2mが当たることはないでしょう。

大事なことはターツかメンツから現物を切っているのであれば対面はテンパイからかなり遠ざかっている可能性が高く、黒沢プロは一件に対して2mを切ればいいだけになります。

もし対面が、無筋を切っていた場合は7pを抜いたんじゃないかなあと思います。

些細ですが7pを切っていないことで、4sを引いたときに2587p待ちでリーチが出来る分少しだけ攻撃力が上がっていますね。

ギリギリまで押し引きをサボらないいい例ですね。


◉事件簿2−2:多井プロ、ブラフへの布石を打つ(0/100)

今回のミスレベル:0/100(友達とご飯に行った時に極力スマホを見ないように心がけるレベル)

多井プロが6sを切った場面。

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今シーズンの多井プロを象徴するような配牌ですね。よく見ます。メンツ手は厳しいのでホンイツやチートイや国士などを見て打6s。

その後、

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ソーズやマンズを切った後に6巡目に6pを切ります。

あがりが厳しいので国士になった時のために先切りしたってのもありますが、もう一つの大きな役割はブラフです。

6pを切ること自体の圧力もありますし、今後字牌が重なったりしたときに一つ鳴いただけでホンイツを含めた高打点のテンパイを装うことができますね。

この時点でどうしたかはわかりませんが3pや7pはチーをしたかもしれませんね。私はドラが5mなこともあり、高打点の親被りを受けることが多そうなので安手の人を牽制したくないという意味で「この時点では」スルーしますが、中盤以降にケイテンが狙えるくらいの手格好になっていれば連チャン期待でブラフで鳴きそうです。


<東四局>

◉事件簿3ー1:小林プロ、攻撃と守備のバランスをまた考える(0/100)

今回のミスレベル:0/100(雨の日にコンビニに入るときに一緒に傘も持って入るレベル)

5pが二枚切れたのを見て6pを切った場面。

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いいバランスですね。6pが全員に無筋なことと5pの受け入れは減りますが、その分だけ残した1sが縦受けを増やしつつかなり安全な牌になっています。

6pを先に切ることによる3pの和了率のアップも含めて先切る価値が高いと判断したんでしょう。

私も6p切りとしそうです。


<南一局>

◉事件簿4−1:多井プロ、バランスのいい鳴きをする(0/100)

今回のミスレベル:0/100(深夜2時の赤信号でもしっかり待つレベル)

多井プロが一枚目の白をスルーした場面。

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東がアンパイ候補としてある分鳴いてもいいと思いますが、Mリーグだと変に警戒度だけ上げそうなので、このくらいの牌姿だと鳴かない方が良さそうですね。

小林プロなんかは警戒されすぎることがないので鳴いても良さそう。

2巡後、

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マンズのホンイツが見えてきたためにマンズホンイツへ。

そして、

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東をポンします。

頭&アンパイがなくなるので鳴かない人も多そうですが、47mから入った時の1m単騎か中単騎のどちらもション牌であること、供託があること、ラス目の仕掛けなので押し返されにくいことの合わせ技で鳴いたのでしょう。

確かに、他家からするとマンガンくらいのテンパイの仕掛けに見えるので東を鳴かないよりは和了率は上昇しそうですね。

多井プロの中では珍しいタイプの仕掛けだと思います。



◉事件簿4−2:小林プロ、当たり前のチーをする。(0/100)

今回のミスレベル:0/100(たまに読書をするレベル)

小林プロがチーをした場面。

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門前でもイーシャンテンですがネックが解消されることと、打点がリーチのみになる可能性がある、上家の鳴きに速度を合わせる、供託があるの全ての合わせ技でチー。

当たり前のチーですが、きちんとできるのが小林プロの強みですね。ラス目だからリーチしたい!と言う理由で半分くらいのMリーガーはチーしなさそうです。



◉事件簿4−3:勝又プロ、上手に打ちすぎる(40/100)

今回のミスレベル:40/100(バッティングセンターで四球を選ぶレベル)

勝又プロが9mを切った場面。

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これは7mを切って欲しかったですね。対面がマンズ染めなので4m引きのカン6mテンパイは価値が低いので457mを普通よりは残したくありません。

それに加えて、対面に対して7mと9mの危険度の差は大きく違います。

確かに対面は3副露していますがテンパイかどうかはわかりません重要

理由としては役役ホンイツは打点的なメリットがあるので無理な単騎テンパイを目指して発進することがありますし、対面はマンガンで二着になるので無理矢理染めで高打点を狙うケースが増加しています。

下家の黒沢プロがマンズを切っていればそれを鳴いていないと言うことでテンパイ率が上がったりもするんですが、今回はマンズの上(89m)を切っているだけですし対面の手がどうなっているかはわかりません。

何が言いたいかというと、対面は3副露ですがそこに対して7mを先切りすべきだと思います。

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のような頭がない状態→47mテンパイになる可能性に加えて

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のようなとりあえずの単騎テンパイから47mのノベタンor亜両面に手代わりする可能性もあるので、その前にマンガンのイーシャンテンくらいなら自己都合で7mを切りたいですね。

この半荘で唯一の大きく気になったところでした。

結果論は意味ないですが・・・

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7mが切り遅れて放銃となります。

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前巡に切っていれば通っていただけに勿体無い放銃でしたね。


<南二局>

◉事件簿5−1:多井プロ、当然の放銃をする(0/100)

今回のミスレベル:0/100(人から勧められた映画や音楽をとりあえず素直に観たり聴いたりしてみるレベル)

多井プロが3pを切った場面。

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結果的に放銃となります。

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手としてはもちろん3pくらいはとりあえず切るのですが、小林プロの捨て牌が異様ですよね。78p切りのリーチに対して多井プロがどのような思考をしていたか私なりに紐解いて行きたいと思います。

過去のわせりんnoteの中でも最高レベルのことを書いてます。

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