見出し画像

PAUPER SUMMIT CUP3に出てきたの話

第一話 創生編

第二話 紅蓮編

●Prologue

サイタマオオハゲタカが屍肉を求めて頭上で弧を描く。
指定暴力団龍星組に夜道を襲われ、気付けば首から下を地面に埋められていた。連中は鉛玉を喰わせずに始末することを慈悲と解釈している。
飢えた埼玉の大地と狂暴な太陽が石臼のように自分の命を削り取っていくのが手に取るようにわかる。

役目は終えたのだろう。瞳を閉じてじっと“終わる”のをただ待っていた。

どれくらいの日数が経ったかは忘れた。顔に土まみれのチラシが貼り付いた。霞んでほとんど機能を果たしていない目を開いたのは気まぐれ、チラシに書かれた“とある文字”を捉えたのは神のいたずらとしか言いようが無い。

骨を軋ませ大地を穿つ。塞ぎかかっていた傷口から血が噴き出す。忘れかけていた痛みで渇き切った唇を噛み締めながら地面から這い出した。

まだ終わっていない。

PAUPER SUMMIT CUP3が始まる。
(訳:PAUPER SUMMIT CUP3に出てきたYO!!あと荒野感出してるけど今回も関東地方全域で雨だったYO!!)

●何故かみんな存在しないデッキを知ってる問題

というわけで今年も貧民の頂点を決める戦いが始まる。

勘の良い諸君なら気付いただろう。
第1回が11人くらい
第2回が28人くらい
そして第3回が98人なので、第4回では307人、第15回では参加者が1億3515人になり、日本の人口1億2570人を超え、第19回では参加者148億人になり地球の人口78億人を遥かに凌駕。宇宙人やら人外を巻き込み地球を統べる戦いになることが確定している。
流石に第15回の時点で吉田沙保里や藤井聡太を相手に勝つのは至難なので、100人ぽっちの今こそ優勝の盾を手に入れてシールダーになり、今度こそいまは遥か理想の城-ロードキャメロット-を使えるようになりたい。ブラックバレルも撃つぞ。

しかし問題が1つ。顔バレである。

使用するデッキがバレているのが非常に手痛い。ただでさえわからん殺しに頼って相手のプレミにより勝っている節がある2流デッキなので、最初からアーキタイプがバレているのはかなりのハンデである。地球上で自分しか使ってないのに。
「首都圏のPauperの大会で金髪縦ロールの美少女が対面に座ったらナヤZooである」という情報はあまりにも有名である。何?僕の顔になんかついてる?

そんな動物園が勝つには常に相手の虚を突く必要がある。
これまでの動物園とは一線を画すメカニズム、ステッカーの採用である。

元祖ステッカーストンピィと違いステッカー生物の使いまわしは出来ないが、素のサイズを活かして「《必殺技/Finishing Move》で格闘する生物とステッカーを貼る生物を別にする」といったアクションが取れたり、《戦隊の鷹/Squadron Hawk》などの航空戦力を突然強力なアタッカーにしたり、これまで3/3にしかなれなかった《野生のナカティル/Wild Nacatl》が限界を超えて7/3になったりできる。

頭だけでなく尻もデカいのが動物園の強みなので、採用するステッカーもきちんとそれに合わせている。脳死で5/1と4/2を採用してはいけない。

こうして第二次世界大戦の大和の建造計画ばりにトップシークレットでデッキ構築は進められた。
ナヤZooとステッカーの相性は以前から注目していたが、SNSでも一切言及せず、チームパウパーや神決定戦でも別のギミック(《戦隊の鷹/Squadron Hawk》&《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》の通称ホークヴァインシステム、《テツモスの大神官/Tethmos High Priest》を中心としたキャットリアニシステム)を使用した。ここらへんのストライクガンダムばりにパーツ換装が効くのは動物園の強みである。

動物園の持つ多色由来の柔軟性、ステッカーストンピィの技術を応用した別次元の強み、こうして最強の動物園が世界に解き放たれた。

ステッカー型動物園、またの名を「動物園-茈-」と呼ぶ。

コナン「妙だな・・・こいつまた優勝した時に使うはずのクソコラを大会結果の前に貼ったぞ・・・?」

●金曜日 FNM

昼から散々仮想敵のカルドーサレッドと練習し、感染!ステッカーストンピィ!ボーグル!と見事3戦全部緑色のデッキと当たり3-0。ステッカー型動物園の強さを遺憾無く発揮した(メタとは???)。
17時の部はブーストマークⅡと化した動物園の圧倒的パワーに身体がついていけず、記憶が消失したのでカウントしないものとする。あと調整用カード用意して家に忘れたのもきっと気のせい。

●土曜日 晴れる屋パウパー杯

ジーンからレーザーレイズバックルを譲り受けたおかげで動物園-茈-のパワーに完全に順応。無敵のレーザーブーストフォームに“成った”ので再び3-0。
しかしある程度克服したとはいえ身体への負担は大きいため、大会後のすずくまレッドにボッコボコにされたのは考慮しないものとする。

●デッキリスト

金曜からの負け具合で調整をしようとしたのに、どう頑張っても勝てないアーキタイプ以外には全部勝ってしまったので結局一切変えずにリスト提出。


動物園-茈-

病気の妹に「ボーグルと青単だけは殺す」と誓ったが、絶対に当たると確信している赤単へのガードを上げた結果、青系とケンクに有効な《紅蓮破/Pyroblast》、親和に有効な《存在の破棄/Revoke Existence》、を抜いてしまった。
まぁどうせ赤単の海だろうし、親和もなんだかんだ少ないし、赤単が《紅蓮破/Pyroblast》《赤霊破/Red Elemental Blast》を積みまくってる状況で青単なんていないだろ読みなのでこうなった(伏線)。

●当日

やるべきことはやった。いざPAUPER SUMMIT CUPへ。

頑張って作ったけど全然ふぁぼられなかったクソコラ供養

できるプレイヤーなので8時前には池袋に到着。会場設営を手伝って暑いのでエアコンを15℃にしたら開場後に「寒いから温度上げてくれ」というあまりにも至極真っ当なクレームの原因になったり、受付で「名前を聞かれて本名を言った後に『HNでお願いします』と言われる社会人として常識的な行動を取った人たちが羞恥プレイでダメージを受けている風景を眺めながら金庫番をしたりした。

1回戦 親和

>青系とケンクに有効な《紅蓮破/Pyroblast》、親和に有効な《存在の破棄/Revoke Existence》、を抜いてしまった。
初手からメタ読みヘタクソ検定2級取ってんじゃねえよ!!!!!!

G1-1
《戦隊の鷹/Squadron Hawk》が《クラーク族のシャーマン/Krark-Clan Shaman》に殺されずに空から殴って勝ち。

G1-2
全力で《塵は塵に/Dust to Dust》を入れた顔をしつつ、ダブル《野生のナカティル/Wild Nacatl》with《真紅の見習い僧/Crimson Acolyte》が相手の土地事故を咎めて勝ち。

ケンク来たら終わっていたのでこれは流れが来ている。優勝はもらった。
1-0

2回戦 青単フェアリー

>青系とケンクに有効な《紅蓮破/Pyroblast》、親和に有効な《存在の破棄/Revoke Existence》、を抜いてしまった。
メタ読みヘタクソ検定1級昇格おめでとうございます!!!!!!

G2-1
序盤から肉展開して殴って勝ち。
この序盤に肉が押し寄せてくるの、青使う側からしたら今のメタ的に想定してなかっただろうな。

G2-2
《戦隊の鷹/Squadron Hawk》を全力で防御に回すも突破されてしまい、《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》でアド差つけられて負け。

G2-3
地主であることを全力で隠しながらガードの隙間を殴り合う状態で、《必殺技/Finishing Move》が一発でも通れば勝てたけど見事に全部消されて負け。

負けたけどめちゃくちゃ頭使ってギリギリ負けたから楽しかった!!!!!!
《必殺技/Finishing Move》を当てれば勝つけど当たらないから負けた。そうか、だから《必殺技/Finishing Move》か(謎の納得)。
1-1

3回戦 ジャンドランプ

G3-1
ぼく「ステッカー10枚です」
相手「はい」
ぼく「じゃあゲーム始めます」
相手「はい」
ぼく「お、手札に《必殺技/Finishing Move》が来たな・・・・ん?」

ス テ ッ カ ー 3 枚 選 ん で な い 。

カードパワーの暴力で勝つ動物園に突然「3マナで一方格闘するソーサリー」が生えてきた。リミテッドの優秀な除去か???
終わったと思ったけどリミテッドの優秀な除去がそれはそれで強くて勝ち。

G3-2
相手が土地1でストップ。チャンスである。このまま押し切れば勝ちである。こっちもダブマリで全然強くないことを除けばチャンスである。

中国の故事成語に「凌波微步」(りょうはびふ)というものがある。
この成語は、凌波(りょうは)と微步(びふ)からなり、凌波は波を軽やかに越えることを意味し、微步は小さな歩みを意味している。
この成語は、魏国の将軍「紅翼」が戦闘や競争の中で相手よりも有利な状況にあるにもかかわらず、自分自身の状態や能力の制約により戦いに敗北したことを由来としており、この成語は虚心坦懐な態度を持ち、自己を客観的に評価することで自分の弱点や限界を認識し、それに基づいて行動することの重要性を示している。
まぁそんな故事成語は無いんだけどつまりは相手以上に自分がイマイチだったので負け。

G3-3
航空戦力でライフを削るも、《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》で凌がれ、圧倒的手数の差、具体的にはこっちは死ぬまで土地3でストップしつつも相手はその4倍の土地が並んでいて徐々にリソース差が広がって負け。

2回連続でギリギリのライフを削り合うバトルしたのでめっちゃ楽しい!!!!
1-2

4回戦 ボーグル

G4-1
ボーグルにメインは無理無理かたつむり。

G4-2
いつだって信用できるのはフィジカルである。単体で貧弱なボーグルの生物では動物園最強ムーブであるナカティルパンチ*3-ジェットストリームアタック-の前には無力である。

G4-3
「ボーグルは絶対に殺す」動物園の絶対的コンセプトである(黎明期に負けまくったため)。
そのためにメタがどんなに動こうがサイドに4枚入れてきた魂のサイドボード要員。それが《軍旗の旗手/Standard Bearer》だ。
いつだって対ボーグルという本来勝てないマッチアップを《軍旗の旗手/Standard Bearer》が救ってくれた。

軍旗の騎手「もう、松籟君は自分で仕事持ち過ぎなのよ。ゲートの対象は私に任せて」
ぼく「軍旗先輩ありがとう(ナカティルでパンチ)」
軍旗の騎手「感染と殴り合うなんて松籟君らしくないよ?ここはお姉さんに任せなさい」
ぼく「軍旗先輩ありがとう(ナカティルでパンチ)」

そして今回のvsボーグル。一勝一敗のピンチ。きっと今回もアメコミ調で旗を振りかざすイカしたお姉ちゃんがなんとかしてくれる。

軍旗の旗手「話って何?」
ぼく「気付いたんです。自分の本当に大切な人-クリーチャー-はナカティルじゃなくていつだってピンチを救ってくれた軍旗先輩だって!」
軍旗の騎手「・・・ごめん。そう言ってくれるのは嬉しいけど、結局ナカティルちゃんとばかり遊んでる君のことはそういう風には見れないかな・・・」
ぼく「そんな・・・」
軍旗の旗手「さよなら・・・」
軍旗の騎手が手札に来なくて負け。

1-3

5回戦 青単テラー

>青系とケンクに有効な《紅蓮(ry
あああああああああああああああああああああ

G5-1
Q.パッと見良い感じの1ランドキープをした松籟さんはどうやって死ぬのかな?お父さんと一緒に考えてみよう。
A.1ランドから土地が伸びずにもたついて12/12のフラクタルが出てきて死。

G5-2
森2枚だけどナカティルと怨恨はある手札。長期戦は不利。
トップで《聖なる峰/Sacred Peaks》か《舞台座一家の中庭/Cabaretti Courtyard》を引いてナカティルで殴り切るしかない。

ぼく「頼むぜ相棒!お得意の5/3トランプルでなんとかしてくれ!!」
ナカティル「でもさっき軍旗先輩がどうのって言ってたよね」
ぼく「違うんだ!!!!!!」
ナカティル「大好きな軍旗先輩に助けてもらえば?」
ぼく「違うんだ!!!!!!」

すれ違う想い。回りだした運命。3体並んだ《トレイリアの恐怖/Tolarian Terror》。
森が3枚並んだ盤面で立ち尽くす3ナカティルはいつもより小さく見えた(3/1トランプル)
~fin~

まだ1勝しかしていない。悪い夢でも見ているのかもしれない。直前の3-0×2はなんだったのか。もしかしてこれも夢だったのかもしれない。夢の世界では妖精が寝ている間に良い感じの大会レポを書いてくれて、働かなくてもお金が入ってきて、パウサミでのカルレとZooの参加人数が同じなんだ。
1-4

6回戦 白タッチ黒ウィニー

赤は?????あれ????知らぬ間に禁止改定で《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》禁止された???

G6-1
《必殺技/Finishing Move》で4/2になった《戦隊の鷹/Squadron Hawk》が《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》のバックアップを受けて空を支配して勝ち。そう!!!これ!!!こういうことをするために《必殺技/Finishing Move》入れたの!!!!エンジンかかるの遅いな???レジギガスか???

G6-2
《吸血鬼の君主/Vampire Sovereign》が着地してぶっちゃけビタ止まりしたけど、「めちゃくちゃ解決策持っていますが何か?」みたいな顔でブラフフルパンが成功してダメージ稼いで、そこから解決策引いて殴り勝ち。

こういうのがあるから紙のマジックは超エキサイティング!!!我が名は松籟!!!基本的なプレイング面は大したことないが盤外戦術だけは得意な男!!!5/1と4/2と3/3のステッカー全部使ってもう無敵だ。バリバリ最強No.1だ。もう面倒だから全員かかってこい。ここからがパウサミ本番だ。戦績?ええと、2-4。
2-4

7回戦 赤単ブリッツ


この時点で成績は2-4。絶望的である。だが三笘薫が1mmを諦めなかったように、自分もまだSE進出は諦めていない。
僕の計算が正しければ、ここから
・集団食中毒で20人
・親族の不幸で5人
・会社からの緊急の呼び出しで10人
・突如訪れたやるせないほどのノスタルジー感で実家に帰りたくなった人が5人
計40人ドロップすればTOP8に残ってSEに進出できる。可能性は0%ではない。そうなった時のために全力で最終戦を戦う。松籟の辞書にドロップの三文字は無い。
最後の相手は赤単ブリッツ。カルレじゃないけど赤単いた。赤単滅んでなかった。あとドロップは四文字だった。

G7-1
《道の探求者/Seeker of the Way》でライフ24まで稼いだので終わらせるためにガードを下げて殴ったら返しに26点パンチ食らって死。『はじめの一歩』の沢村だってここまでえげつないカウンターパンチは打ってこなかったぞ。

G7-2
対赤単対策で投入した《Narrow-Minded Baloney Fireworks》が選ばれ、風向きが変わる感じを確信。行ける!!まだまだ行けるぞ!!
マリガン!!!!
マリガン!!!!
マリガン!!!!
あばばばばばばばばばばばばば

ぼく「終わった。いくら集団食中毒で20人、親族の不幸で5人、会社からの緊急の呼び出しで10人、突如訪れたやるせないほどのノスタルジー感で実家に帰りたくなった人が5人いたとしてもここで負けたら流石に終わりだ・・・相手1ターン目に《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》で殴ってきてるし」
???「ここで諦めちゃうの?」
ぼく「お、お前は・・・《野生のナカティル/Wild Nacatl》!?」
ナカティル「トリマリだからって何よ。あんたはいつだって最後まで勝ちを諦めなかったじゃない」
ぼく「でも《戦隊の鷹/Squadron Hawk》はサイドアウトしたからハンド差はどうやったって埋められないよ」
ナカティル「バカ!ハンド差が何よ!相手はたかだが1/2がいるだけじゃない!最後まで諦めない馬鹿なあんたのメインクリーチャーは無敵の1マナ3/3なんでしょ!?」
ぼく「うおおおおおおおお」

《野生のナカティル/Wild Nacatl》*2が攻防八面六臂の大大大活躍をして逆転勝利。
ナカティル最強!!!!
ナカティル最強!!!!
ナカティル最強!!!!

G7-3
《道の探求者/Seeker of the Way》を中心とした攻めで相手のライフを1桁までもっていく。
こちらのライフは25。ゲーム1の時の嫌な予感が過るが、相手の《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》を《巨森の蔦/Vines of Vastwood》のシークレットテクニックで弾いて一撃死を回避。

普段《巨森の蔦/Vines of Vastwood》を使ってくる某ジャンドアグロにボッコボコにされている経験が活きた!!!!!全てはこの時のためだったんだ!!!!

というわけで3-4!!!!!あとは集団食中毒で20人、親族の不幸で5人、会社からの緊急の呼び出しで10人、突如訪れたやるせないほどのノスタルジー感で実家に帰りたくなった人が5人いればSE!!!!!トップ8!!!!!!シングルエリミネーション!!!!!からの優勝!!!!!!盾ゲット!!!!!!開帳!!!!私は災厄の席に立つ!!!!其は全ての疵!!!!全ての怨恨を癒す我らが故郷!!!!!顕現せよ!!!!!『いまは遙か理想の城-ロード・キャメロット-』!!!!!!!行くぜえええええええええええ!!!!!

●Epilogue

なおきち軍団ドラフトで2-1しました(事後報告)

いやまぁ結果50位だったから仮に40人ドロップしてもトップ8残れなかったな!!!!

なんにせよ今回も最後まで楽しく遊べました!!!みんなお疲れ様!!!!

デッキはメタ読みヘタクソ検定1級であることを除けばメインボードのカード全てに見せ場があったので満足してます!!指輪物語コラボでは待望のケンクコロスファイアが来るので今まで以上に親和とフェアリーをぶっ殺していこうな!!!

●おまけ

計算してもらった

●追記

「ナカティルが3/3の限界を超えて7/3になった」みたいなこと書く気まんまんだったけど一度もナカティルにステッカー貼ってないわ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?