2017 February, Part 2_Firenze-3

さて、サン・ロレンツォの右奥に改装されたマーケットがあります。
その2階のフードコートでお昼を食べようと向かいます。

画像1

画像2

画像3

画像4

古いマーケットのリノベーションで、内部に新しく2階をつくったものでそれこそ大成功している一例です。バルセロナの古いマーケット、ボストンのクインシー・マーケット、それにサンフランシスコのピア39は旧税関のリノベーションなどが頭をよぎりました。

画像5

画像6

クインシー・マーケット

画像7

サンフランシスコの旧税関。

画像27

画像27

そして孤児養育院。
ブルネレスキとの30年越しの出会いでした。
今は数年前に内部がリノベーションされ、美術館に改装されています。
自分を建築家へと導いてくれた建築は今、キャリアを重ねた30年後に訪ねたらどう見えるのか、もしかすると今見ると感動しないのでは無いか、というような疑心暗鬼で訪ねたのです。

画像10

画像11

画像12

当たり前に聞こえるかもしれませんが、大丈夫でした。
相変わらず魅力的で、しかも現代的にさえ感じさせる建築がそこにありました。
内部の改装については良くない評判も聞いていたのですが、エントランスから中庭を経由して繋がる閉じた展示空間と、最上階のフィレンツェの都市空間へと開いたカフェへの連続はそのclosed/openというメリハリを生かした改装だと思います。
新しくつくられた階段が床に接さないで空中に浮遊しているディテールやエントランスの大仰にさえ見える現代的なテクノロジーによる開口など、現代と過去との対比的な出会い方が意識されていて共感が持てました。

画像13

画像14

画像15

画像16

画像17

画像18

画像19

画像20

画像21

画像22

画像23

昔のように時計を見ながら、時間を惜しむように建築を見ていた時代から離れて、ゆっくりと都市を愉しめるようになりました。
1日をウフィッツィ美術館で過ごすことなど、昔は考えられませんでしたが、ようやくそれが出来ます。

画像24

画像25

ウフィッツィを一日散策していてわかったこと、それはボッティチェリ、それも「ヴィーナスの誕生」ではなく、「春=プリマヴェーラ」が好きだ、それにその師であるフィリッポ・リッピの肖像画が好きだということでした。

画像27

画像26

建築家のブルネレスキもそうですが、私自身が好きなのはどうも15世紀、初期ルネッサンスらしいと気付いたのは、このウフィツィ美術館でのことでした。
ところでこの三人とも人生の最後がそれぞれに悲惨であったという話をのちに専門家から聞いて、自分のことを考えてしまったのですが。

2017 Februaryシリーズはここまで。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?