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バチカンが超常現象に関する記者会見を開催

5月17日、バチカンは記者会見を行い、超常現象とされるものについて新たな規範を発表した。以下はその要約。

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主要な概念と手順の説明
聖霊の役割と超自然的な出来事について

重要な洞察: イエス・キリストから発せられる聖霊が私たちの生活の中で活動しており、幻や幻影などの超自然的な出来事を通じて現れる可能性がある。

霊的な成長:これらの現象は、信仰、献身の増大、多くの人にとって霊的生活の中心となる巡礼地の設立など、重要な霊的利益につながる可能性がある。

識別に関するガイダンス: 教会はこれらの経験を抑圧しようとするのではなく、それらを識別し、霊的な誤った方向を避けるために正しく導くことを目指している。

歴史的および神学的文脈

十字架の聖ヨハネ:神の経験を完全に記述するには人間の言語が不十分であると指摘した十字架の聖ヨハネに倣い、識別には謙虚さと慎重さが必要である。

言葉では言い表せない神の性質:これらの現象の最も深い意味は言葉で捉えられるものを超えており、神の道の神秘を表している。

潜在的なリスクと危険性

超自然的な主張の悪用: 現象が利益、名声、権力などの個人的な利益のために悪用されることについては明らかな懸念がある。この搾取は真の霊的成長を損ない、不道徳な行為につながる可能性がある。

教義上の誤りと単純化: 福音を過度に単純化したり、超自然的な出来事を想定して教義上の誤りを広めたりしてはならない。

規範の見直し

時代遅れの手順: 1978 年からの以前の基準は、意思決定に長い時間枠がかかり、場合によっては数十年かかるため、有効性が低下したために不適切であることが判明した。

合理化されたプロセス: 改訂された規範は、混乱を防ぎ、信者を適切に導くために、より迅速かつ効果的な識別を目指している。

役割と責任

教区司教と司教庁: 地元の司教が最初にこの現象を評価し、信仰教義司教庁が最終決定を検討して承認する。 これにより、地方と中央の教会当局間のバランスが確保される。

コンサルティングプロセス: このプロセスにはさまざまな段階のコンサルティングが含まれており、識別に対する徹底した慎重なアプローチを反映するものである。

規範における新しいアプローチ

超自然的宣言から「ニヒルオブスタット」へ: 新しいアプローチは、現象を超自然的であると宣言するのではなく、「Nihil obstat」(否定的な要素がない) という見解を示す。

考えられる 6 つの結果の説明

Nihil obstat: 否定的な要素は見つからず、司教は献身を奨励することがありえる。

Prae oculis habeatur: 良い兆候は存在するが、リスクも存在する。司教の注意深い監督と、場合によっては教義の明確化が必要。

Curatu: 注目に値する問題が存在するが、広範な信心のため、禁止ではなく再方向づけが提案される。

Sub mandato: 個人による誤用に起因するもの。司教は関連する司牧活動を管理する。

Prohibetur et obstruatur: 禁止につながる重大なリスクが特定される。司教は信者に決定を説明する。

Declaratio de non supernaturalitate(超自然的でない宣言): 具体的な証拠は、その現象が超自然的ではないことを示す。正式な宣言が行われる。

継続的な監視と指導

継続的な監視::決定後も、司教は信者を守り、霊的な成果が本物で教会の教えと一致していることを確認するために状況を監視し続ける。

時期尚早の判断を避ける:規範は、信者の間での誤解を防ぐために、超自然的な性質についての性急な宣言を避けるためのものである。

結論

超自然的なものの決定的な宣言ではなく、司牧的な配慮と賢明な識別に焦点を当てることによって、教会は信者を欺瞞から守り、真の霊的経験が認識され促進されることを保証することを目指す。このアプローチは、神の働きの神秘的な性質を尊重しながら、乱用や教義上の誤りを防ぐための明確なガイドラインを提供し、教会の霊的生活が活気に満ち、福音に忠実であり続けることを保証する。

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私見:

UAP界隈では、バチカンがUAPや地球外生命体について何か見解を示すのではないかとの憶測もあったが、そういうセンセーショナルな要素はなかった。

今日の発表は、将来のさらなる発表の基礎を築き、現象についてどのように考え、対処するかについての教会による分類システムと手順を示したものと思われる。

UAPに関してSOL財団で登壇した宗教学者ダイアナ・パスルカはこのようにポストしている。

今日のバチカンの声明についてはさらに多くのことがあるでしょう。
これはかなり驚くべきことです。できるときにまたポストします。
私はまたワシントンで非常に興味深い会議に参加しました。これには科学者(AAROからも一人)、政府関係者、社会科学と人文科学の学者も参加しました。

なお、過去にはこんな記事もある。

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