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自称インディーズスポーツライターの当方がつらつらと記した文章をひたすら載せていくマガジンです
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#ラグビー日本代表

僕が日本ラグビーの「これから」で期待しているところ【日本代表対サンウルブズ戦の個人的雑感】

僕が日本ラグビーの「これから」で期待しているところ【日本代表対サンウルブズ戦の個人的雑感】

静岡駅から愛野駅までの移動は、東海道線の各駅電車を用いることにした。1時間弱の電車旅行。そこで見続けた光景は、2年前のあの日々を想起させるものだった。ホームや車内にあふれる、日本代表やサンウルブズのユニフォームを着た人々。静岡駅の立ち食いそば屋のオバちゃんも「何だか今日は、その格好の人をよく見るわね」と驚いていた。

そして、愛野駅からエコパスタジアムへの道のりを見て、再び感動した。チケットの売れ

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【ラグビー・トップリーグ】2020.02.01 東芝対三菱重工相模原戦の個人的雑感

【ラグビー・トップリーグ】2020.02.01 東芝対三菱重工相模原戦の個人的雑感

ラグビーワールドカップ後、初めてトップリーグを観に行った。第4節まで時間がかかってしまったのは、確かにスケジュールが合わなかった側面もある。ただ、それ以上に「チケットが取れなかった」というのが大きい。もはや、トップリーグは空いた日の暇つぶしにはならないのだ。

今日の試合会場であるニッパツ三ツ沢球技場もラグビーでたびたび訪れているが、混雑はなかなかのものだった。バス乗り場の行列、会場内の混雑……。

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【ラグビーW杯】描き終えた絵と、真っ白なキャンバス 19.10.20 日本対南アフリカ戦

【ラグビーW杯】描き終えた絵と、真っ白なキャンバス 19.10.20 日本対南アフリカ戦

グループリーグ戦を4連勝で突破し、「ティア1」としてのデビュー戦を迎える日本代表。この1か月間でチームは大きな自信を手にし、応援してくれる人々も大いに増えた。まさに追い風の中にある。
対するは「スプリングボクス」の愛称で知られる南アフリカ代表。4年前は「ブライトンの奇跡」における引き立て役になってしまっただけに、リベンジに燃えている相手である。

南アフリカがどう日本を倒すか。その意図は明確だった

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【ラグビーW杯】「普通の勝利」が最大の喜び 19.09.20 日本対ロシア戦

【ラグビーW杯】「普通の勝利」が最大の喜び 19.09.20 日本対ロシア戦

ラグビーW杯の試合で普通に勝つ。
残念ながら、かつての日本代表はそれすら全く届かない時代というのもあった。
今日のロシア戦は良いところも、悪いところもでた試合だった。でも、普通に勝てた。ようやく、この地点にたどり着いた。そのことこそが、日本ラグビー史において大きな一歩なのではないだろうか。

自国開催のワールドカップ。日本代表はビックリするほどガチガチな試合の入りだった。相手のパントキックを見失い

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【ラグビーW杯】準備はスタジアムに入る前 19.09.21  フランス対アルゼンチン戦 その①

【ラグビーW杯】準備はスタジアムに入る前 19.09.21  フランス対アルゼンチン戦 その①

明大前から高尾山口行きの電車に乗った時、ようやく僕はラグビーW杯っぽい光景に出逢ったと思った。土曜日昼の時間帯なのに、満員電車。乗客個々人も大きいからこそ、余計そう思うのだろうか。

小さな飛田給駅で下車し、ゆっくり進む行列にうんざりしながら前へ。ようやく外に出たとき、僕はこの光景にビックリした。フランスとアルゼンチンのファンが大量にたむろし、歌い、叫びながら酒を飲む。
ラグビー雑誌に載る写真やテ

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【ラグビーW杯】雨風舞うけど、視界良好? 19.09.22 アイルランド対スコットランド

【ラグビーW杯】雨風舞うけど、視界良好? 19.09.22 アイルランド対スコットランド

昨日の試合である程度、ワールドカップの雰囲気を掴むことができた。これは僕にとって大きなアドバンテージだった。この日は友人を連れて観戦に出かけるだけに、あれこれパニックにならなくて済みそうである。

まず、飲食は試合前に済ませることにした。新横浜駅近くのデイリーヤマザキでハイネケンと日本代表チップスを購入し、それらをつまみながらブラブラと歩くことにした。もうひとつ駅前の某コンビニを見たのだが、ハイネ

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【ラグビーW杯】痛快! 19.09.28 日本対アイルランド

【ラグビーW杯】痛快! 19.09.28 日本対アイルランド

4年前とは違う感慨を抱いている。
あの南アフリカ戦はまさか! という「驚愕」と、勝てなかった過去を想った「涙」が、心を覆っていた。

でも、今日の試合は違う。大男2人が血相を変えて福岡を追いかける姿を見た瞬間、僕は思わず笑ってしまった。おいおい、こんなことがあるのかよ、と。
それくらい、この試合のジャパンの出来栄えは素晴らしかった。

 ◆

23日のアイルランド対スコットランドを観たとき、アイル

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【ラグビーW杯】見た事がない景色を、見に行こう! 19.10.13 日本対スコットランド戦

【ラグビーW杯】見た事がない景色を、見に行こう! 19.10.13 日本対スコットランド戦

「日本代表にティア1になるための資格はあるのか?」
今回のラグビーW杯の争点はここにあると考えていた。
非常に難しいチャレンジだと思っていたが、ここまでの歩みは順調そのもの。アイルランドに一泡吹かせ、ロシア・サモアからはボーナスポイントをゲット。グループリーグの首位に立つことに成功した。

そんな最終戦の相手はスコットランド。前回のワールドカップでは日本側が「中3日」の日程を強いられた(※相手はこ

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今夜はラグビーで眠りたい

今夜はラグビーで眠りたい

ラグビーの試合前日の夜は、あまり眠れない。

と言っても、これは約10年前の話だ。当時、僕は母校のC大学ラグビー部の取材に、広報紙の記者として足を運んでいた。
C大学は弱いチームだった。入替戦への恐怖と大学選手権進出の淡い期待を併せ持つ、不思議なチーム。故に、1つの勝利で得られる喜びは果てしなく大きく、1つの敗北で得てしまう不安もまた、果てしなく大きい。
だから、試合前は常にナーバスだった。授業中

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山中亮平に重ねる希望

山中亮平に重ねる希望

その選手を初めて見たのは、2007年の早明戦だった。
復調気配があった明大ラグビー部が、コテンパンにやられている。その状況に追いやったのが、背番号10を背負った1年生選手だった。
確かに、高校時代からその才能の凄さは叫ばれていた。とは言え、早速その実力をいかんなく発揮できるだなんて……。
以来、早大ラグビー部の試合を観に行くたびに、彼の活躍を楽しみにしていた。パスやランはセンスの塊であり、そしてオ

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【ゲームレビュー】18.11.17 ラグビー日本代表対イングランド戦の個人的雑感

【ゲームレビュー】18.11.17 ラグビー日本代表対イングランド戦の個人的雑感

さて、イングランド戦の試合雑感です。

「前半大健闘、後半完敗」という、あまりにもはっきりとしたコントラストだっただけに、ファンの悔しさもひとしおだったと思います。僕もしかりですが。ただ、先のオールブラックス戦と同じく、イングランドも80分間手を抜かず、そして日本代表をナメることなくぶつかってくれたことが、最大の成果であり日本代表の現在地だと考えます。

また、課題として挙げられていたラインアウト

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不思議なスコアの正確な位置 ~2018.11.3 ラグビー日本代表対オールブラックス戦の個人的雑感~

不思議なスコアの正確な位置 ~2018.11.3 ラグビー日本代表対オールブラックス戦の個人的雑感~

まずはラグビー日本代表の健闘を称えようではないか。なんと、2016年以降でオールブラックスから30点以上取ったチームは3つしかないのだ(✳16年11月対アイルランド・●36ー40、17年8月対豪州・○54ー34点、18年9月対南アフリカ・●34ー36点)。トライを取るだけで一苦労のオールブラックスから、奪った数はなんと5本。これは大いなる成果と言えるだろう。

だが、その一方で大いに反省しなければ

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真の強さと向き合って ~2013年11月の日本対オールブラックス~

真の強さと向き合って ~2013年11月の日本対オールブラックス~

奮戦するも、崩すに至らず。そんな印象がひたすら続いた80分間だった。

前半20分まではセットプレーで優位に立ち、五郎丸のペナルティゴールで6-7という試合展開に持ち込む。オールブラックスもミスを連発していたのは意外だった。
しかし、ハイパントの処理やブレイクダウンで後手になってしまい、その後はオールブラックスペース。攻撃では球出しのスピード、守備は大外の数的不利という課題を残した。

オールブラ

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【ラグビー・トップリーグ】2018.10.13 トヨタ自動車対NTTコミュニケーションズ戦の個人的雑感

【ラグビー・トップリーグ】2018.10.13 トヨタ自動車対NTTコミュニケーションズ戦の個人的雑感

Nコムの撃ち合いに付き合わされたトヨタ自動車。とにもかくにも、こんなにトライがポンポン入るとは思わなかった。よく考えたら、今年のNコムは失点数が多い。でも、手堅いトヨタ自動車が…という心境である。

前半はまるでセブンズを見ているようだった。勢いがあると感じたのはNコム。中島、石井、羽野と言った「早くて重い」ランナーがゲインラインを突き抜ける。

しかし、スコアの上ではトヨタ自動車が優位に立つ。そ

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