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自称インディーズスポーツライターの当方がつらつらと記した文章をひたすら載せていくマガジンです
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#競馬

スポーツ観戦との「再会」・その4【20.11.06@大井競馬場編】

スポーツ観戦との「再会」・その4【20.11.06@大井競馬場編】

普段は大井町駅から出ている、無料のシャトルバスに乗ってこの場所を目指している。
でも、今日はシャトルバスは出ていない。もう少し詳しく言えば、シャトルバスを出すほどの観客を受け付けていないということである。

職場から浜松町を経由し、東京モノレールに乗り込む。乗降者の中には、スーツケースを抱えた者もいる。徐々に飛行機を使う用事が出てきたということだろう。
ただ、僕の目的地は羽田空港よりも手前にある。

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2017.02.19 ヒヤシンスステークス@東京競馬場のキャプテンキング号

2017.02.19 ヒヤシンスステークス@東京競馬場のキャプテンキング号

本日大井競馬場で行われたフジノウェーブ記念(S3)を制したのはキャプテンキング号でした。2馬身半差という、他の馬を寄せ付けない圧勝です。南関東競馬の重賞では一昨年の羽田盃、そして昨年のゴールドカップに続き3勝目。短距離路線の主役に躍り出つつあると言えるでしょう。

さて、彼は2年前の中央時代にヒヤシンスステークスに出走したのですが、そのとき僕は◎を打っておりました。末脚は確実ですし、広い直線がある

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初めてを、労おう

初めてを、労おう

この日の中山競馬場は、黄色いタオルマフラーをした人がやけにいた。
最初はどこかの一口馬主クラブが集まっているのかと思った。しかし、「菅」やら「明」やら、そのマフラーから見切れている緑色の文字に該当するクラブ名を、僕は思い出すことができなかった。

謎は中山9Rで解けた。マフラーに書かれていたのは人名だった。【菅原明良(すがわら・あきら)】。今日JRAでデビューする新人騎手だ。
ゴール前のウィナーズ

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内馬場のテレビジョン

内馬場のテレビジョン

中山大障害は内馬場で観るようにしている。飛越する様子を写真で撮るならば、やはり内馬場のほうがコースとの距離は近い。
とはいえ、大障害前は非常に混雑している。なので、僕は2年連続で2号障害が見える位置で待機し、カメラを構えるようにしている。馬と触れ合えるのはせいぜい数秒なので、気合いを入れて毎回挑んでいる。

そんな内馬場で大障害を観戦する際のデメリット。それは「レースの模様がよくわからない」という

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もう、「不釣り合い」じゃない!

もう、「不釣り合い」じゃない!

藤田菜七子騎手を初めて見たのは2年前の3月。彼女が騎乗するときはパドックに人が押しかけ、シャッター音が鳴り響いく。実力以上の喧騒。殺伐であるべき鉄火場も、波に飲み込まれていた。

昨日の新潟競馬12レースにて、藤田騎手騎乗のセイウンリリシイ号が勝利。JRA通算35勝目となり、女性騎手最多勝記録と同年間最多勝記録を塗り替えた。
藤田騎手は着実に、競馬の騎手として成長している。もう、平場では「不釣り合

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【鈴木】との対話

【鈴木】との対話

カシノランサムが第4コーナーを回った瞬間、僕は「しめた!」と思った。若干、脚色はよろしくない。でも、今日の大井なら残れる。このリードを保つんだ。単勝1.5倍・1番人気のストーミースターはどんどん沈んでいく。やっぱり今日の大井も魔境だな!

次の瞬間、大外から一気に駆け上がる馬がいた。5番のトーセンルノワール!? えーっ! 藤本ー! それを前のレースでやってくれー!

自信がありすぎたが故に、カシノ

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続けることに、気がつくこと

続けることに、気がつくこと

的場文男騎手が地方競馬通算7152勝目! 佐々木竹見元騎手を超えついに記録更新12日の大井競馬第5R(ダ1200m・12頭)は、先手を取った的場文男騎手騎乗の1番人気シルヴェーヌ(牝3、大井・櫻木英喜厩舎)が、直線で後続を突き放し、最後は2着のヤマショウバトル(牡3、大井・堀千亜樹厩舎)に3.1/2馬身差をつけ圧勝。勝ちタイムは1:15.6(稍重)。同馬はこれが初出走だった。同騎手はこれにより地方

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安らげる味(@船橋競馬場の磯辺揚げ)

安らげる味(@船橋競馬場の磯辺揚げ)

大井、川崎、浦和…そして船橋。「南関東4競馬場」のうち、唯一まだ足を運んだことが無かった船橋競馬場。ゴールデンウィークで多くの人々が移動する中、僕は1時間半の小さな旅を終えて、南船橋駅に降り立った。
隣接する商業施設へと向かう客が7割、そして競馬場へ向かう寂れた人が3割。そんな割合で占められた歩道橋を歩いていると、向かって右手側に小さなコースが見えた。おーっ、これが船橋か! 競馬場を遠くから「見下

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2018.02.04 東京競馬場での備忘録

2018.02.04 東京競馬場での備忘録

・今年初の競馬場は府中へ。個人的な目当てはゆりかもめ賞と東京新聞杯。ここ最近は新馬戦が辺鄙な時間帯に組まれることが多いので、注目を下級条件へとシフトさせる。また、東京新聞杯は重賞ホルダーが多く、見所も多いので楽しみだ。

・いつも通り内馬場で力うどんを食べ、さっそく予想開始。7Rは◎プレシャスメイトの単複。
→5着。というか、最終オッズが意外と高くてびっくり。人気だと思っていた。先週から東京のオッ

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二人芝居

二人芝居

性格が全く異なる二人が一つの場所で出逢い、紆余曲折を経ながら成長していく。そんな物語の構成方法がある。いわゆる「バディもの」だ。例えば、「おかしな二人」とか、テレビドラマの「ビーチ・ボーイズ」や「相棒」をイメージして貰えればわかりやすいだろうか。
スポーツの世界でも、そういうシチュエーションに出逢うことが時おりある。先日見た、中山大障害もその一つに入るだろう。

オジュウチョウサンとアップトゥデイ

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雨を吹き飛ばすように

雨を吹き飛ばすように

先週もここに来ていた。だから、2週連続で雨は辛い。
いくら屋根の下を(優しい上司が!)確保して下さったとはいえ、体を冷やす水滴の影響力は凄まじい。

もうひとつ厄介だったのは、後ろの席の男の子たちがやかましかったことだ。僕は大学生だと思ったが、入社3年目のGくんは「あれは高校生では?」と言っていた。若者の見分け方は、若者の勘を信じることにする。

その騒がしさがいかにも「頭の悪い」感じだったも、僕

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1400メートルの謎

1400メートルの謎

競馬のレースの中で好きな距離は? そんな質問があれば、僕は間違いなく「1400メートル」だと答える。
何が良いのかと聞かれたら、その「独特な中途半端さ」だと答えたい。スプリントにしては長すぎて、マイルにしては短すぎる。だから、スプリンターでもマイラーでもない、この距離が好きで得意な馬が生まれる。阪神カップを連覇したサンカルロはその好例と言えるだろう。

関東で1400メートルのコースと言えば、東京

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【競馬】2017.9.14 大井競馬場での備忘録

【競馬】2017.9.14 大井競馬場での備忘録



・前日の東京記念は仕事の都合で観戦できなかったので、一日ずらしてやってきた。人もまばらの競馬場。その穏やかさと寂しさが、秋という季節を一層実感させる。牛スジ煮込みの暖かさが、心とお腹に染み渡る。

・賭けたいというよりも、ゆっくりかつしっかりと、馬とレースを眺めたい。メインレースと最終レースのみに参加した。

・メインレースは牝馬限定のシンデレラチャレンジ。夏競馬は僕の考えた独自指数がな

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ぶらり途中下車で競馬場の旅 ~大井競馬場・前編~

ぶらり途中下車で競馬場の旅 ~大井競馬場・前編~

急に旅打ちがしたくなった。でも、今の僕には旅ができる時間と金が無かった。
時間と金が無ければ、頭を使うしかない。そうだ、そういえば、今週末は大井も開催していたな…

かくしてこのような旅のスケジュールを作成したのである。

1:東京モノレールの1日乗車券を購入
2:穴守稲荷神社で参拝
3:大井競馬場で旅打ち
4:夜の羽田空港でお土産購入

この4つを1日で成し遂げるのである。

移動手段は東京モノ

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