マガジンのカバー画像

Sports Short Films

125
自称インディーズスポーツライターの当方がつらつらと記した文章をひたすら載せていくマガジンです
運営しているクリエイター

2019年9月の記事一覧

【ラグビーW杯】「普通の勝利」が最大の喜び 19.09.20 日本対ロシア戦

【ラグビーW杯】「普通の勝利」が最大の喜び 19.09.20 日本対ロシア戦

ラグビーW杯の試合で普通に勝つ。
残念ながら、かつての日本代表はそれすら全く届かない時代というのもあった。
今日のロシア戦は良いところも、悪いところもでた試合だった。でも、普通に勝てた。ようやく、この地点にたどり着いた。そのことこそが、日本ラグビー史において大きな一歩なのではないだろうか。

自国開催のワールドカップ。日本代表はビックリするほどガチガチな試合の入りだった。相手のパントキックを見失い

もっとみる
【ラグビーW杯】準備はスタジアムに入る前 19.09.21  フランス対アルゼンチン戦 その①

【ラグビーW杯】準備はスタジアムに入る前 19.09.21  フランス対アルゼンチン戦 その①

明大前から高尾山口行きの電車に乗った時、ようやく僕はラグビーW杯っぽい光景に出逢ったと思った。土曜日昼の時間帯なのに、満員電車。乗客個々人も大きいからこそ、余計そう思うのだろうか。

小さな飛田給駅で下車し、ゆっくり進む行列にうんざりしながら前へ。ようやく外に出たとき、僕はこの光景にビックリした。フランスとアルゼンチンのファンが大量にたむろし、歌い、叫びながら酒を飲む。
ラグビー雑誌に載る写真やテ

もっとみる
【ラグビーW杯】キックは大胆かつ慎重に 19.09.21 フランス対アルゼンチン その②

【ラグビーW杯】キックは大胆かつ慎重に 19.09.21 フランス対アルゼンチン その②

視界にピッチと座席が入る瞬間、スポーツファンをやっていて、一番興奮するときである。特に、初めて行くスタジアムの新鮮さというのは、いつまでも忘れがたいものがある。
東京スタジアムはラグビーはもちろん、サッカーでも何度も足を運んでいる場所だ。

ただ、今日は初めてこの場所に来たかのような感覚に襲われた。
明らかに空気が違う。観客数の多さはもちろん、飛び交う歓声や、人々からほとばしる熱気が「普段のスポー

もっとみる
【ラグビーW杯】雨風舞うけど、視界良好? 19.09.22 アイルランド対スコットランド

【ラグビーW杯】雨風舞うけど、視界良好? 19.09.22 アイルランド対スコットランド

昨日の試合である程度、ワールドカップの雰囲気を掴むことができた。これは僕にとって大きなアドバンテージだった。この日は友人を連れて観戦に出かけるだけに、あれこれパニックにならなくて済みそうである。

まず、飲食は試合前に済ませることにした。新横浜駅近くのデイリーヤマザキでハイネケンと日本代表チップスを購入し、それらをつまみながらブラブラと歩くことにした。もうひとつ駅前の某コンビニを見たのだが、ハイネ

もっとみる
【ラグビーW杯】痛快! 19.09.28 日本対アイルランド

【ラグビーW杯】痛快! 19.09.28 日本対アイルランド

4年前とは違う感慨を抱いている。
あの南アフリカ戦はまさか! という「驚愕」と、勝てなかった過去を想った「涙」が、心を覆っていた。

でも、今日の試合は違う。大男2人が血相を変えて福岡を追いかける姿を見た瞬間、僕は思わず笑ってしまった。おいおい、こんなことがあるのかよ、と。
それくらい、この試合のジャパンの出来栄えは素晴らしかった。

 ◆

23日のアイルランド対スコットランドを観たとき、アイル

もっとみる
今夜はラグビーで眠りたい

今夜はラグビーで眠りたい

ラグビーの試合前日の夜は、あまり眠れない。

と言っても、これは約10年前の話だ。当時、僕は母校のC大学ラグビー部の取材に、広報紙の記者として足を運んでいた。
C大学は弱いチームだった。入替戦への恐怖と大学選手権進出の淡い期待を併せ持つ、不思議なチーム。故に、1つの勝利で得られる喜びは果てしなく大きく、1つの敗北で得てしまう不安もまた、果てしなく大きい。
だから、試合前は常にナーバスだった。授業中

もっとみる
山中亮平に重ねる希望

山中亮平に重ねる希望

その選手を初めて見たのは、2007年の早明戦だった。
復調気配があった明大ラグビー部が、コテンパンにやられている。その状況に追いやったのが、背番号10を背負った1年生選手だった。
確かに、高校時代からその才能の凄さは叫ばれていた。とは言え、早速その実力をいかんなく発揮できるだなんて……。
以来、早大ラグビー部の試合を観に行くたびに、彼の活躍を楽しみにしていた。パスやランはセンスの塊であり、そしてオ

もっとみる