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自称インディーズスポーツライターの当方がつらつらと記した文章をひたすら載せていくマガジンです
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2018年8月の記事一覧

もう、「不釣り合い」じゃない!

もう、「不釣り合い」じゃない!

藤田菜七子騎手を初めて見たのは2年前の3月。彼女が騎乗するときはパドックに人が押しかけ、シャッター音が鳴り響いく。実力以上の喧騒。殺伐であるべき鉄火場も、波に飲み込まれていた。

昨日の新潟競馬12レースにて、藤田騎手騎乗のセイウンリリシイ号が勝利。JRA通算35勝目となり、女性騎手最多勝記録と同年間最多勝記録を塗り替えた。
藤田騎手は着実に、競馬の騎手として成長している。もう、平場では「不釣り合

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【鈴木】との対話

【鈴木】との対話

カシノランサムが第4コーナーを回った瞬間、僕は「しめた!」と思った。若干、脚色はよろしくない。でも、今日の大井なら残れる。このリードを保つんだ。単勝1.5倍・1番人気のストーミースターはどんどん沈んでいく。やっぱり今日の大井も魔境だな!

次の瞬間、大外から一気に駆け上がる馬がいた。5番のトーセンルノワール!? えーっ! 藤本ー! それを前のレースでやってくれー!

自信がありすぎたが故に、カシノ

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エースが一人じゃ戦えない

エースが一人じゃ戦えない

大阪桐蔭、圧倒的強さで史上初2度目の春夏連覇! 金足農と東北勢の初Vの夢叶わず【全国高校野球】<最終日 決勝 ○大阪桐蔭13―2金足農●>第100回全国高校野球選手権記念大会は21日、阪神甲子園球場で最終日を迎えた。決勝戦は、大阪桐蔭(北大阪)が金足農(秋田)を下し、史上初となる2度目の春夏連覇を果たした。

さて、そんな今大会で大阪桐蔭高校以上に注目を浴びたのは、準優勝を果たした金足農業だろう。

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続けることに、気がつくこと

続けることに、気がつくこと

的場文男騎手が地方競馬通算7152勝目! 佐々木竹見元騎手を超えついに記録更新12日の大井競馬第5R(ダ1200m・12頭)は、先手を取った的場文男騎手騎乗の1番人気シルヴェーヌ(牝3、大井・櫻木英喜厩舎)が、直線で後続を突き放し、最後は2着のヤマショウバトル(牡3、大井・堀千亜樹厩舎)に3.1/2馬身差をつけ圧勝。勝ちタイムは1:15.6(稍重)。同馬はこれが初出走だった。同騎手はこれにより地方

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暑いゲームは、暑いうちに

暑いゲームは、暑いうちに

僕が尊敬するスポーツライター、故・山際淳司氏の本に「夏の終わりにオフサイド」というものがある。山際氏は「江夏の21球」など多数のスポーツノンフィクションを生み出している作家だが、この本はどうも毛色が違う。
一言で評すならば、ノンフィクションとフィクションの間を彷徨っている。もちろん、実在する有名なスポーツ選手が出ている作品もある。でも、その周囲を取り巻くエピソードは、どうやらたっぷり「虚」が含まれ

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都市対抗野球へ、ようこそ!【大会総括後編/社会人野球は3つ目の元号を乗り越えられるか?】

都市対抗野球へ、ようこそ!【大会総括後編/社会人野球は3つ目の元号を乗り越えられるか?】

大会総括前編はこちらからどうぞ



平成最後の都市対抗野球を見終えた今、「都市対抗野球にとって【平成】とは何だったのか」…を考えるには、「日本のスポーツ界にとって【平成】とはどんな時代だったのか?」を踏まえる必要があるだろう。

僕はこの問いに対して、二つの仮説を提示したい。
ひとつは、平成という時代における日本スポーツ界の最大の変化は「サッカーの拡大及びプロスポーツ文化の発展」だということ。

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