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NovelJamの思い出

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人間は短期間で小説を生み出せるのか? 新たなる知のスポーツこと「NovelJam」に参加した、僕の波乱万丈の体験ルポ(と作品)
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#編集

NovelJam2018秋 前夜祭

NovelJam2018秋 前夜祭

白楽駅から歩いて5分のところに、餃子をメインメニューとする中華料理店がある。今日の夕食はそこにした。自炊はしない。料理の時間を削り、2泊3日の大冒険に向けて荷造りをしなければならない。

油淋鶏&餃子定食を注文する。休日前夜の騒がしい店内の中で、思いに耽る。
この大会との縁が続き、再び参加することができた。だが、参加であり参戦ではない。僕はコースの外側から、レースの模様を眺めるのである。

ギャン

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NovelJam2018(秋)推薦状【特に編集役希望者向け】

NovelJam2018(秋)推薦状【特に編集役希望者向け】

2泊3日の合宿形式で小説をつくるイベントことNovelJam。2月にこのイベントが終わった後も、参加者である僕は「編集とは何か」をよく考えている。
なので今回は、「NovelJamの編集役」について私見をまとめ、かつ今年11月の秋大会での多様な方々の参加に繋がればなあ…という思いで筆を握っている。

さて、僕はNovelJamに第1回大会は著者として、第2回大会は編集として、そして秋に開かれる第3

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NovelJam2018回顧録 最終回

NovelJam2018回顧録 最終回

不協和音のあとに嵐は過ぎ去り、やや穏やかになった執筆部屋。
BCCKSのワークショップまでは暫く時間がある。少し寝たり、チェックアウトの準備をするのがベターだろう。

席には藤崎さんと藤沢さんが談笑している。みかん君は朝食に行っている。
ひとつ策を立ててみた。

僕の本業は食品メーカーのサラリーマンだ。お菓子もいくつか製造している。
そのお菓子を4人×3日分、僕は鞄に忍ばせていた。初日の午後3時と

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NovelJam2018回顧録 第7話

NovelJam2018回顧録 第7話

逸走2月12日の朝5時、言葉を失った。
藤崎さんは仮眠をとっていて、原稿はもう一息だそうだ。いや、これはいい。
みかん君の原稿はあまり直っていない、それどころか、新しい話が加えられるかもしれない、と。

僕はわりと、心配性なところがある。
大丈夫? どうかしたの? 悩んでいませんか? ……ということをついつい聞きたくなる。が、そういうせっかちさは作家の気分を害することもある……と藤沢さんにたしなめ

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NovelJam2018回顧録 第6話

NovelJam2018回顧録 第6話

「異」と「差」の違いTwitterの印象とは違うな。
ペンネーム「腐ってもみかん」君(以下みかん君とする)とのファーストコンタクトで抱いた第一印象である。

文章を書かせることで、よりその印象は前向きなものへと変わっていった。影がありつつも、大人っぽい艶がある地の文と登場人物。ラッパーということもあり、テンポも良かった。
アイスブレイクで話を聞いているうちに、社会問題への強い関心があることもわかっ

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NovelJam2018回顧録 第5話

NovelJam2018回顧録 第5話

ローリング・ストーンズと山田太一お題が発表された。T理事長がそれっぽいメガネをかけ、それっぽい額縁を持っていたので、おいおい小渕官房長官かよ! と小声でつっこんだら、本当に小渕氏のモノマネだった。そう、テーマは「平成」である。

平成か……。「平」「成」という漢字からアイデアを膨らませて書いて良い、という指示も出た。そういう使い方をした班も実際にはある。だが、E班は両作品とも時間軸や時代性をベース

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NovelJam2018回顧録 第4話

NovelJam2018回顧録 第4話

キーワードは「フォロワーシップ」さて、第4話は実際にNovelJamでお話した自己紹介スピーチの掲載ということにする。本番は若干アドリブを入れたので、厳密には違うところもあるが、概ね同じということでご了承頂きたい。
来年は来年でNovelJamのレギュレーションは変わっているかもしれない。でも、こういう立場の人間が、こういう思いを抱いて編集役も参加しているんだな、ということが伝われば幸いである。

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NovelJam2018回顧録 第3話

NovelJam2018回顧録 第3話



編集の命運はスピーチにあり!運命の日である。

八王子の大学セミナーハウスに到着したのは、12時を少し過ぎたあたりだったろうか。そのわりには、もう席は半分近く埋まっている。みんなの並々ならぬ、熱意が伝わる。
受付を済ませ、席に案内された。僕はEの札が掲げられているところを訪れた。一人は根木珠さんだった。静かに本を読んでいる。ここは彼女なりに集中しているとみて、会釈のみとする。
もう一方は、昨年

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