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悪意なき死姦

著名人が亡くなった時に生まれる謎のエネルギーでマジなのかふざけてるのか微妙なラインの追悼イラストが乱造される流れが好きです。

黄金期はやっぱ志村けんが亡くなったときだと思う。あの頃は本当にふざけた追悼イラストがたくさん生まれてて、今でも志村けん 追悼イラストってGoogleの画像欄で検索するだけで下手なお笑い番組より面白い時間を過ごせる。

まずよくあるのが、天国のいかりやが志村けんに対して「お前こっちに来るの早すぎるだろうがー」と叱るという展開のイラスト。これほんっっっとよくある。
なんか感動できそうな気がするかもしれないけどよく考えてほしい、流行り病で亡くなった人間に対して死後の世界でなおも叱咤するいかりやの謎の厳しさなんなんだよ。
没年齢2年くらいしか違わないのにいかりやの棚上げ具合も意味がわからないし。

あと、天国で再会したいかりやと志村がなんやかんやで「よし、じゃあ今度はこっちの奴ら笑わせますか!」とあの世でコントする展開。
まず、オナニーが過ぎる。
もうなんかこういうのってほんの少しでもエモいかのように思えれば演者も展開もなんでも良いんだなと思う。
原作レイプというか故人レイプとしか言いようがない墓から引きずり出した亡骸をインクを塗りたくった局部で貫いて紙がしわくちゃに破けるまで乱暴に擦り付けて無理やり書き殴ったようなふざけた展開で追悼される志村を思うと居た堪れない。

これらの流れに対して不謹慎とかリツイート稼ぎだとかで一定の非難があるのが常なんだけど、僕から言わせればそんなことは別にどうでも良いというか。
思うにみんな真剣で他意はないんだと思う。それ故に堪らなく面白いのだ。
このムーブメントの真の面白さは、真面目に故人を偲ぶ思いで書いてるのにこんな多方面の感情を逆撫でする代物を生み出してしまう感性の愛おしさにあると思う。
物を知らない子供の困惑する様に大人がつい頬を緩めてしまうような、そんな感覚だ。

フリーザとかセルが喪服で泣きながら鳥山明の葬式に参列してるイラストを見てそんなことを思い出した。

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