見出し画像

結局俺はワイツを愛しすぎていただけらしい

最近ブラックリストのシーズン9がネトフリで配信されてるの見てどうも色々見返したくなってまた入っちゃったんよ。そしたらブラインドスポット見返したいのも我慢できんくなってHULUも入っちゃいました。
そんで色々見返してたらさ、なんかブラインドスポット見返したい回多すぎてびっくりした、いやホント、面白いんですよマジで。
当時見終わったとき特に感想とか書いてなかったけど、今更ながら書いてみたくなった。いやーほんと面白かったんだよな、最高だったし、キャラがみんな大好きになってた。
簡単なあらすじとしては、タイムズスクエアの中心でエスパー伊藤よろしくボストンバッグから全身タトゥーまみれの女性が出てくる。タトゥーは一つ一つ様々な事件につながる謎解きになっていて、しかも彼女は記憶をなくしている。日本でいう名無しの権兵衛的な仮の名前としてジェーン・ドウと名付けられ、タトゥーに名前のあった捜査官カート・ウェラーと共に謎を解き明かすため捜査に参加する。という感じです。
書き終わってから思ったけどだいぶ色んな名前が出てくるから、頻繁に出る名前だけ簡単に説明しとこうと思う。

●ジェーン・ドウ
タトゥーの女、格闘センスが抜群
●カート・ウェラー
チームリーダー、CV山寺宏一
●エドガー・リード
序盤ジェーンに当たりが強い
●ターシャ・ザパタ
同期のリードが好き、ダーティな役回りも多い
●パターソン
サイバー担当、メイン回が多い
●マシュー・J・ワイツ
最初は検事、更に議員、FBI長官と出世、狡猾
●リッチ・ドットコム
最初は犯罪者だったが折に触れて再登場。最終的にまさかのチーム加入、おふざけ野郎でダークウェブ専門のハッカー、バイかゲイ
●ボストン・アーリス・クラブ
リッチの彼氏。贋作師でもあり、ハッカーとしての技術もある。おしゃべりで皮肉家
●キャシー
シーズン2と3の間でリッチ、パターソンと共に「三匹の盲目鼠」というハクティビズム(デジタル義賊的思想)に傾倒したホワイトハッカー集団を組んでいたメンバー。2人に固執するメンヘラ気質でボストン曰く「濡れタオルみたいにキモいハッキング」

こんなくらいかな!というわけでランキングというわけではないけれど、好きなエピソードを10個ほど挙げていきたいです。

①S1#13「二重スパイの正体」
僕は海外ドラマを見始めてから気付いた事が一つあって、どのドラマにも第一話から見ていくとどこかでバチーン!!ときてもうそこからそのドラマをハイスピードで最後まで追い続けることが確定する回というのがあるんですよ。
シーズン1のこれは13話ですが、もちろんここまでもおお、おお、おもろいやん、おお、うんうんときていたところにこの回見てバチーン!!と、あやっべおもしれー!!となったわけです。

この回ねー、ロシアとの内通者は誰でっかというような話なんですが、この回で一番気に入ってるのがね、犯人が判明したあとにもう一度その発言が振り返られるのだけど、その中で犯人がわかる前と後で全く意味合いが変わるセリフがあって、あれには本当鳥肌が立ったのを覚えてる。
それもさ、そんな大した意味を持ってない簡単なセリフじゃなく、ある人物への痛烈な嫌味として聞こえていたセリフが、実は内通者の正体を知る他の人物への強烈な脅しだったというね。まあ脅しの掛け方テクニカル過ぎるやろという感じなんやけど、とにかくもうこの演出だけでもかなりブラインドスポットに引き込まれたなぁ。
敵は大体テロリストで、カッコいいアクションシーンが満載でありながら、ミステリー面も味わい深いものがある。そして後述するけどギャグセンも超高いからもう止められない。

②S2#7「伝説の暗殺者」
作中屈指の面白ハッカー、リッチ・ドットコムがFBIを乗っ取る…かのように思えたがあっさり逮捕。しかし彼の目的はFBI内部で拘束されることで自分を狙う存在すら疑問視されている伝説の暗殺者アケーディアンから身を守ってもらうことだった…。という感じの回。
シーズン1で登場してから折りに触れて再登場するドットコム、彼がこのドラマのギャグセンを著しく高めているキャラクターであることは間違いないでしょう。
まずこのリッチ・ドットコムというのは自ら改名した正真正銘の本名だし、アケーディアンに狙われているのも確か金正恩の愛人にちょっかいかけたからとかいうふざけた理由なのが、いつもテロリストと対峙して身を削るような死闘を繰り広げているチームの前ではより一層浮いて見えてそのギャップが面白過ぎるんだよな。

しかしギャグ回かと思わせながらも敵であるアケーディアンは割と強いっていうか作中でもかなり強敵の部類だと思う。
半ば都市伝説のような存在としてチームも最初は真剣に取り合わないのだけど、徐々にあれ?アケーディアン来てるくないか?やっぱ実在するんじゃないか?となっていって最終的にFBIビルというガチガチのホームで追い詰められていく様はかなりスリリングだったし、カートとジェーンという最強コンビが白兵戦でたった一人に圧倒されているのも珍しい展開だった。
あそこの格闘シーン好きなんよね俺、アケーディアンがあまりに強すぎてカートなんかはガラス板に頭からぶん投げられるほどコテンパンにされているんだけど、ジェーンが仲間を失いたくない的な感じで覚醒して反撃開始!って流れがカッコいい。
やっぱブラインドスポットってマジで格闘シーンがずば抜けてカッコいいんよな。でBGMもいいのよ。挿入歌が今まで見てきたドラマより少ない部類に入ると思うんやけど、それを補ってあまりあるほどにBGMがカッコいい。推理してるときとか、格闘のシーンが特にね。

③S2#22「地と空の攻防」
いやーやっぱこれでしょ。シーズン1.2で描かれてきた全ての戦いの終焉。ワンピースでいうところの頂上戦争みたいな感じの回です。この説明すごく便利だな、ある一つのクライマックス的な意味ね。
多分視聴率によってはここで終了ということも考えられてたんだろうな。余談だけど、ブラインドスポットって視聴率自体はあまり芳しくなかったらしい。
ていうかこの視聴率でシーズン5まで続いたことがNBCのゴリ押しとすら言われているらしい。まあなんであれ僕はこの世界を5シーズンも楽しめてほんと満足です。

ジェーンに彫られたタトゥーの謎から始まり、最終的にそれはシェパードという人物が率いるあるテロ組織との大きな戦いに発展していきます。やっぱね、クライマックスということで最高に盛り上がるんよね。特にラスト、残り20秒くらいでミサイルを偽のビーコンに誘導できた!ってなってFBIにいる人らがわー!て喜んでるところ好きだね。
あと、厳密にはこの1つ前の回だったと思うけど、ぺリントン長官も俺結構好きなんよ。正直だいぶ怪しいキャラとして描かれてたと思うんよね、裏切りが多い世界で、カートとも結構対立してたし、何かしらの悪役として裏切るんじゃないかと思わせておいて、実は誰よりも勇敢なFBI長官だったというね。

そんで確かこの回のラストでやっとジェーンとカートが一切のしがらみなく結ばれるんですよ。精神的にも肉体的にも。俺もうねマジでこれが嬉しくって、なんか今までキスくらいはしてたんやけどずっとタイミング悪くてすれ違ったりして2人が明確に結ばれる描写がなくてね、もうこんなに最高のカップルなんやからいってほしいな早くって思ってたんやけど、ほんとに激戦を繰り広げた後に満を持して…って感じやったからマジで嬉しかった。
応援してたもんね、頑張れ頑張れ!!って。このとき他のチームメンバーも粋なんだよな、みんなでパーティするみたいな感じになってたんやけど、ジェーンが来てカートと二人で話してたのを見兼ねてほな俺帰るわ、あたしも、楽しんでな、つって、最高のチームだわほんとに。

④S3#14「天国へのエレベーター」
いつもと違う構成のパターソンメイン回です。この回だいぶ気に入ってる。今回調べることになった事件の証拠品がラボ内で爆発。近くにいたパターソンは重体で序盤から生死の境を彷徨います。
当のパターソンは脳内で事件の日を永遠にループしてしまい、やがて謎を解かないとループが断ち切れないと悟り、夢の中で謎解きを始める…という感じです。

ブラインドスポットって幻覚とか、登場人物の精神世界の描写が結構多くて、そういうのも見てて面白いんですよね。
この回もそういう、現実世界じゃないからこそできる演出が満載で好きですねー。
シリアスなキャラが支離滅裂なことを口走ったり、既に死んでる人物が再登場したり。とくに最後犯人を導き出すときのタトゥーの模様が宙に浮いた状態でパーツを離したり組み合わせたりして謎解きするとこの描写好きやし、こいつが犯人だ!ってなったときの盛り上げ方も毎度のことながら上手くてワクワクしましたね。
そんでこれも夢の中ならではだけど、普段サイバー担当のパターソンが犯人と貴重なアクションシーンを繰り広げるのも見物です。精神世界の話なのでこのとき戦う犯人も実際はパターソンの中のネガティブな感情とか、爆発による身体的な脅威の具現と戦ってるということだと思う。

⑤S3#18「5人の刺客」
こちらも構成の妙が光る回。チームとの全面対決を覚悟した敵方が、カート、ジェーン、ザパタ、リード、パターソンそれぞれに5人の殺し屋を刺客として送り込んでくる。メンバー各々の戦いを時系列を遡りながら描いていくという回です。
この回もワクワクしたなー、あるメンバーの視点では途中までしか描写されないセリフが別の視点で続きが描かれたり、他のメンバーの視点も含めると意味がわかるセリフがあったりといういつもと違う時系列構成を利用した仕掛けもさることながら、それぞれが全く違う状況で戦いに巻き込まれていくのが面白かった。

特にパターソン編がマジで面白かったな。新しい恋に踏み出そうと鑑識のジャックとデートに出かけるも散々な流れが続き、ジャックはジャックでゲームを海賊版で遊んでることを自慢げに話したり、自分で飲みに行こうと提案したくせにお酒が飲めなかったりとなんとか奮闘するパターソンが可哀想になってくるくらい噛み合わないのだけど、そんなデートの最中に突如襲撃されてしまう。
パターソンがジャックを守るような形でなんとか逃げようとするも、その最中でさえ減点されていくジャックが面白かったな。
特にあそこかな、発火装置の代わりになる物がないか尋ねられたジャックが慌てて電子タバコを取り出すんやけど、それに対してパターソンが「やだ…吸うの!?」って言うとこマジで笑ったわ。やっぱブラインドスポットってギャグセン高いよなって改めて思った回でもある。

⑥S4#3「秘密と嘘」
これも少し特殊な回。FBIの研修生が見学にきていてリッチ、パターソン、そして長官に就任したワイツがメインで描かれて、チームの面々は無線で声のみが流れて、たまに帰ってきたかと思ったらペンキまみれになっていたりとちょっとギャグ回でもある。
しかしながら終盤は結構緊迫した状況になって、この時点で未だに保身を優先しがちだったワイツにパターソンがチームを信じるの!って啖呵を切って、ワイツが折れるんやけど、ここらへんからワイツというキャラの風向きが変わってくるんよね。まあそこら辺はまた後述しますが。
やっぱりこの本部でサイバーテクを駆使しながらチームをサポートするリッチ、パターソンはほんとカッコいいし、特に爆弾解除時に意見が割れてゴチャつく所も面白いし、このコンビはずっと見ていられるんよな。弁護士とサイバー担当は面白キャラになりがちやけど単独ではなくコンビなのが他にはない魅力だと思う。

⑦S4#6「裏切りの行方」
ある政治団体に関わりのあった議員が相次いで謎の死を遂げていくという、かつて議員だったワイツがガッツリ絡んでくる回。
てかもうワイツ回といっても差し支えないでしょう!もうほんとワイツを語らせてくれ…。最初はほんとにね、よくいる事件とは別に政治的な思惑とか出世欲でチームを邪魔してくるキャラ、あまり好きでない役所だったんですよ。
実際ワイツの手でチームは存続が危うくなったりもしたしね。なんというかなあ、ワイツを一言で表すなら狡猾という言葉に尽きるんだよな。尊大で出世欲の塊、実際シーズンを経るごとにグレーな手を使って検事→議員→FBI長官と出世していくんですよね。
シーズン4で長官にまで成り上がった彼を、チームも今までの因縁から歓迎するムードではなく微妙な雰囲気が続くのだけど、一つ前に挙げたエピソードとか、色んなところで風向きが変わってきて、この回でかなり決定的に今までのような敵ではないよというスタンスに変わってくるんですが…もうそれがアツくてね。
改心とはまた別ですけど、この事件が解決した後にワイツが「君らといるうちに私の何かが変わってしまったようだ」的なこと言うんですよ〜もうこれ、良すぎませんか〜??メイフェア、ペリントン、ハーストと様々な人物に受け継がれてきた長官あるいはそれに準ずる上司ポジの椅子になんとあのワイツが座ることになって波乱が予測される中まさかのワイツ和解ルート。

そして後述しますが彼が持つ狡猾さ、保身第一の姿勢があまりにも外道なラスボスにFBI本部が支配されるファイナルシーズンにおいて、わずかながら心強い希望となっていくんですけど…もうねぇ、役者が揃った感というか、あの嫌味ったらしかったワイツでさえ仲間になって最後の黒幕に立ち向かっていく展開がもうワクワクが止まりませんでしたね当時は。
あ、もちろんこの回事件自体も面白いんですよね。黒幕に気づいたワイツが急に古畑任三郎みたいな推理を繰り出してドヤ顔で犯人暴くとこ面白かった。レギュラーでなくサブキャラに焦点当てた回で、いつもと違うキャラが推理に参加してくるの新鮮で好きだな。

⑧S4#11「ミステリー作家殺人事件」
明らかにチームをモデルにしたミステリー小説を書いていた作家が殺害された…という回。
ここまでのエピソードの題を見て貰えばわかると思いますがブラインドスポットではこういう〇〇殺人事件みたいなベタな題名はつけない中で、あえてこういう題にしてる所もシャレてて好きですね。

これまずOP前の導入良いんだよな。リッチの「チームは古典的ミステリーの真っ只中にいる…!」ってセリフからぐわーってOP入ってさ。ブラインドスポットってこのOPがカッコいいのはもちろんそこに至るまでの盛り上げ方がすげぇ上手いんよね。
今回の事件はこんな感じです、やばいです!っていう緊迫感を最大に高めてからOPに行くから展開的にダレなくてずっと見ちゃうんよね。もう俺OP前の導入だけ見返す回とかあるもん。

この回で俺が好きなのは、てかまあシーズン4が全体的にそうなんだけども、チームの打ち解け具合よね。
チームをモデルにした小説の原稿を読んだカートの「大体メンバーの特徴を捉えているな」ていうセリフに対してジェーンが「あなたは波打つ上腕二頭筋でシャツがはち切れそうだし?」って茶々を入れてもうこれは吹き替えられてもないんやけどカートがおいおいみたいな笑みを浮かべてるシーンがあって、これがねーもうみんな色々あったけど本当に仲良くなったよなぁって、なんか勝手に感動しちゃってましたね。

こういうちょっとした一幕の一言二言でさ、吹き替えで笑い声とか入ってもないレベルの本当に他愛のない問答でキャラ同士がニヤけあったりしてるのすごい嬉しくなっちゃうんだよなあ。
好きなシーズンどれかって聞かれたら色々好きな回ある中で全体的に見たらシーズン4が好きかなって思うのは、そういうチームの結束力が最大限に高まってて掛け合いが完成されてる感があるからかなって思いますね。

⑨S5#2「敵か味方か」
きました。いやーファイナルシーズン。もうほんと目が離せなかったなぁ。
当時Huluではシーズン4までしか出ていなかったけど、もう4のラストが怒涛すぎて早よ見たかったからAmazonでファイナルシーズンのストリーミング権4500円で衝動買いしたのを覚えてます。

まずもうね、今までのシーズンからガラッとチームの置かれてる立場が変わるんですよね。シーズン4最終話でラスボスの計画が成功してしまい、瞬く間にテロリストとして指名手配、地下シェルターを隠れ家にFBI本部にいた頃とは比べ物にならないほどの拙い設備で何とか反撃のチャンスを伺うことになります。
これさ、今作のラスボスとなるマデリンって、父親がFBIに失脚させられた恨みから綿密な計画を立ててFBIを乗っ取るわけやけど、シーズン1〜2の大ボスポジションのシェパード、シーズン3のクロフォードみたいな明確な思想がマデリンにはないよなって思ってたんよね。

ブラインドスポットは基本的にテロリストとの戦いを描いていて、シェパードは現政権を文字通り抹消して自身が見定めた人物で固めた新体制に政府機能を引き継がせること。
クロフォードは軍事国家とも言える規模の国境なき傭兵軍団を作って各国で起こり続ける紛争への強大な抑止力とすること。
手段はガチガチのテロリストなのでダメなんですけど、一応理想とそれを現実化するための具体的な計画があったんですよ。
じゃあマデリンは何なのかなって考えてたんですけど、多分マデリンがどうこうではなくて、チームの立ち位置なんですよね。
今までFBIとしてテロリストとの戦いに身を投じていたチームが今度はテロリストとして追われる身になってしまうという。
今までチームが戦ってきたテロリスト達は基本的にFBIや現体制が腐敗しているという前提で破壊行為を行なっていて、それをチームは止めていたんだけども。
マデリンが乗っ取ってしまうことでFBIは正真正銘に腐敗してしまって、実際本物のテロリストたちが出入りする危なすぎる場所になってしまう。
腐敗したFBIに対してテロリスト扱いで今までにないほど窮地に立たされているチームが命懸けで立ち向かっていく。
いやこんなにも熱い血湧き肉踊るファイナルシーズンがあってええんですかと言いたいんですよ俺は。
だからこそマデリンは思想よりもその外道さがとことん際立つ必要があったのでしょうが、もう本当このドラマ内で吐き気を催す邪悪というのは彼女をおいて他に居ないでしょうね。
因縁、権力、極悪さはもうお釣りが出るほどだったと思います。

というか普通にマデリン一派強すぎるよな。テロ組織ダバー・ザン首領のアイヴィに、実働部隊ドミニク、シャーリー弁護士、おまけにあの頭のネジが外れているメンヘラハッカーのキャシーまで揃えておいて、国家情報長官のナッシュを始め弱みを握っている数多の権力者たちもその手中に収めているわけだから、まさに最後の敵って感じでワクワクしたなぁ。

余談だけど俺シャーリー弁護士大好きなんだよな。初登場からもう面白すぎた。なんで弁護士とハッカーってこういうコメディリリーフの温床になるんでしょうね。
ハッカーはまあ何となくわかるけど、やっぱあれかね、アメリカって結構しょーもない言いがかりみたいなことでもとりあえず訴えるみたいな感じの訴訟大国らしいから、それを議題にする弁護士も何となく嫌味ったらしかったり異様に口が達者で饒舌みたいなイメージがあったりするのかな。
リーガルハイとかはともかく日本だとそんなに面白キャラの温床みたいなイメージはない気がするんだよな弁護士って。
ブラインドスポットのシャーリーも外道なんですけど漏れなく面白い。とにかく饒舌でどこか抜けている。携帯落として画面バキバキなってしまったり、机をドンと叩いたらコーヒーこぼしちゃったりと極悪非道なマデリン一派に咲いた一輪の花と言いたいところだけど彼自身もしっかり極悪なんですよね。

あと最終シーズンの個人的なもう一つの見所はやっぱワイツなんですよね。
チームが追い出されて自身も弱みを握られてしまったためにせっかく登り詰めたFBI長官の地位にいながらマデリンの傀儡になってしまい腹心のシャーリーの無茶な要求に苦しみながらもなんとかチームの復帰を模索するという、FBI内部の数少ないチームの事情を知っている人物として今までの尊大で狡猾な立ち回りとは打って変わり上はマデリン、下は密かに通じているチームに挟まれるかなり苦しい中間管理職的な立場であたふたするワイツが見てて面白いんですよね。

つい熱くなって長々書いてしまいましたがこの回はそういうワイツの魅力がよく出ている回なんですよね。講演会でワイツの次の登壇者がマデリンの標的だと気づいたチームがなんとかワイツに自分のスピーチを伸ばして時間稼ぎをするよう迫るのだけど、無理やりに伸ばしまくったから最終的に私はチョコクリーム派だみたいなめちゃくちゃ薄い話題になって観客が呆れ始めるとこ笑ったなぁ。
あとパターソンの父親ビル・ナイの再登場も良かった。彼が出るとカートがキャラ崩壊するのが面白い。
この回カートの戦闘シーンもかっこいいよな、BGMもすげぇ良い。映画でなくドラマでここまで見応えのあるアクションシーンを作れているのにはバトルシーンの激しいBGMが確実に一役買っていると思う。

⑩S5#9〜11「全面対決」「鼠たちの友情」「グランドフィナーレ」
いやーすまん、もうこのラスト3話はまとめて言わせてくれ!!正直どの場面とっても最高過ぎるんだよ。今までの全てが一つに収束していくんです。まずもうボストンとパターソンだよな。
チームは全員拘束されてしまうも、死んだかと思われたパターソンが生きていて襲われかけたボストンを間一髪で助ける。
こっからOPのイントロが流れ始めるんやけどもね、驚くボストンにパターソンが「いこう、チームを救う」って言った後に困惑とか驚き顔のボストンの表情にポッと希望の笑みが灯った瞬間OPドーーーン!!個人的に今までのどの導入よりも盛り上がりましたね。
パターソン頼もし過ぎるし今から最終決戦が始まるんだなってのと、正直ここまでマデリン一派の非道さ、圧倒的なパワーを見せつけられてどうなっちまうんだ…となっていた視聴者たる僕らにとってボストンに灯ったあの希望の表情というのはあまりにも容易に感情移入ができるものだったと思うんですよね。

ちなみに最近ロードオブザリングを観る機会があったんですけど、このシーンを見直したときにボストンが「白のガンダルフなみの復活劇だ」て言ったのに対してパターソンが「でもバルログは死んでない」って返す掛け合いがあるんだけど、そのセリフの意味がわかっておおってなりましたね。
ボストンやリッチの会話には映画ネタが多いので僕がもう少し映画に明るければ彼らのセリフをより楽しめるんだろうなぁと思った。

あとこういう最終決戦でさ、いつもは前線張るタイプじゃないやつらが少数精鋭で囚われた本隊を救いにいくの良いよね、ワクワクします。
そんでもう…こっから俺はもう「全面対決」の一番好きなところなんだけど、FBI本部に乗り込んだパターソン達はワイツとも合流してチームを解放したりサーバールームでマデリンの悪事の証拠を探したりするんだけども、全てのデータが巧妙に偽装されていて表向きは明らかにワイツが主犯に思えるような物しか残っておらず、狼狽まくるワイツはいつもの保身マインドが発動して行方をくらましてしまう。

その後緊急アラートが作動して傭兵軍団とチームだけになったFBIで、あと少しのところでみんな抑えられてしまうんやけど、もうダメか…ってなったところで逃げたはずのワイツが帰ってくる。

「このバッジが見えるか?何だと思う?私がここのトップという意味だ。チームの身柄はこちらで引き受ける」ってね。

脅迫データはクラッシュして弱味もないはずなのに、チームを救うためだけに、まだカートらを信じている捜査官を引き連れて助けに来てくれるんですよ。もう…ワイツ…ワイツっ!!!も〜最初は嫌味ったらしい奴だったのにさあ、こんなんズルいだろ…。惚れてまいますよこんなん…。

いやーこうして感想を書いてみると俺ほんとワイツが好きだったんだなと思う。
ジェーンを始めチームのメンバーも、サブキャラの中にも好きなキャラいっぱいいるドラマだけど、あの株の上げ方はズルいよ。
好きになっちゃいますってこんなの。俺クリミナルマインドのストラウスの時もそうだったけど、普段つっけんどんやったり嫌味な上司とか中間管理職キャラに改心じゃないけどそういう心変わりみたいなの見せられると弱いなぁ。
なんか、こうして感想書くとやっぱ自分にとっての思い入れが明確になって面白いですね。

そんで「鼠たちの友情」ね。ブラインドスポットはパターソン、リッチ、ボストン、キャシーと、面白ハッカー、サイバー担当を4人も生み出しました。この回はラストに用意された彼ら彼女らのメイン回と言えるでしょう。
ダバー・ザン首領アイヴィがマデリンの隠していたZIP爆弾(記憶を消す薬品が入った爆弾)を入手するためボストンを拉致して無理やりハッキングさせる中、マデリンに雇われていたキャシーがFBIに出頭、ひょんなことから協力を申し出る。
あまりにも信用できないがアイヴィを止めるにはキャシーの力を借りるしかなく奇しくも三匹の盲目鼠のメンバーでボストンを助けることになる。

やっぱ彼らがメインの回なので、最終回間際ながらかなりコメディ色が強くて好きですね。キャシーのイカれが強すぎてリッチが半ばツッコミに回るし、ボストンはボストンで誘拐されて無理やりハッキングさせられてるという緊迫した場面なのにふふって笑ってしまう台詞回しが多いし。
アイヴィがハッキングを急かすためにボストンの指を1本切り落とすんだけど、そのときのボストンの断末魔がどうも笑かしにきてるし、キャシーはキャシーで「切り落とされて良かった!指以外を助ける時間が増えたってこと!」とか言うてるしでもう最高だなこいつらはって思った。

やっぱ俺さぁワイツも好きだしチームのメンバーも大好きだけど彼ら面白ハッカーの絡みはずっと見てたいくらい大好きやね。リッチがシーズン3でチームに加入してからだいぶコメディ色が強くなったのってなんかレビューとか見たわけじゃないけどおそらく賛否両論あったりするんかなとも思う。
俺は好きだしリッチのレギュラー化やったーって思ったけどドラマ全体の雰囲気は変わってるわけやから、ずっとシリアスなのが良いって人も多いだろうけど、何だろうな、シーズン3まで続けてチームの仲が深まって掛け合いがスムーズになったからこそリッチという究極のコメディリリーフを活かせるようになったというか、リッチが入ってきてもチームの雰囲気を残したままもう一歩先の、新しいチームの姿を見せれるようになったんじゃないかなって俺は思うわけです。
元々リッチが登場しない回も面白いサブキャラみたいなのは多かったしね。

さあさあそしていよいよですが、最終話「グランドフィナーレ」
んーーもうこれはね、ほとんどボーナスタイムというか、マデリン一派は壊滅して、最後はやはり残ったアイヴィ率いるテロ組織ダバー・ザンとのZIP爆弾を巡る戦いになります。
前回ラストで再びZIPを浴びたジェーンは幸い耐性があって記憶は無くなりませんでしたが、副作用の幻覚が見えるようになる。
すぐに治療すれば大事には至らないがその幻覚が潜在意識で認知している爆弾の在処に導いてくれる可能性があるため、あえて幻覚の誘導するままに動いていくというね。

この幻覚というのは今までの登場人物が変わるがわる再登場してラストを盛り上げてくれるってかんじでねー、なんかこう、理想の最終回だよなこういうのって。
シーズン1の登場人物なんかは当時生やしてなかった髭をはやしてる人物もいたりと、あえて過去を再現せずに今の俳優さんそのままってのもアリよな。
ちなみに幻覚内でメイフェアが再登場なかったのがちょっと気になったかな。都合が合わなかったんだろうか。
ジェーン的にネガティブな印象があるから幻覚として発現しなかったっていう解釈があるくらいかなぁ。

ほんでその…ラストなんですけど…あれってその、解釈別れるものになるん…すよね?
なんとかZIP爆弾を見つけて解除して、FBIを辞めてみんなで楽しくご飯を食べているシーンに移って、カートが「一つでも線が違えば全く違う結末になっていたかもしれない」みたいなことを言って、そっからジェーンがZIPの治療遅れて死んでしまうシーンがフラッシュバックして、ラストはカートに呼びかけられてハッとしたようなジェーンの顔でENDなんやけど、これは俺ジェーンが死なないルートが真やと解釈してるんやけどどうなんやろ、実際は間に合わなかったのか。
なんやろそういう解釈別れる見せ方にしているのか、単にそういう結末もあったよってシーンなのか。
俺は最後のカットが生きてるジェーンで、死んでる世界線を想像してゾッとした後に、今目の前にある幸せを噛み締めてるような表情に見えたから、やっぱハッピーエンドやと思いたいデスねぇ。

いやー、とんでもない文字数になってまいましたねぇ。でもなんやろ、ここまで書いたらさ、なんかもう見返したくて仕方なかったこのドラマへの想いが良い意味で落ち着いたというか、面白かったなー最高やなー大好きやなーって気持ちが上手く腹に落ちたような感覚があるので、感想書いたりするのは悪くないですね。
とにかくもう最高のドラマです。シーズンも5と僕に言わせれば短いです。キャラクターが魅力的やし、ギャグセンは高いし、BGMは良いし、各エピソードも1話完結で面白い中で構成に創意工夫が見られる挑戦的な演出も多々あって見てて飽きないし、盛り上げ方も音楽からOPからすげえ巧妙でテンポも良いからダレる場面がないし、アクションシーンも今まで見たドラマの中で一番カッコいいです。
これを読んで興味が出た人はこれでもだいぶネタバレを抑えてはいるので観てみてほしいなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?