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Season22もサイコーでしたねー

いやー、本当に良かったです。
ちょっと見たい映像作品が立て込んで結局リアタイ諦めて配信で見たんですけど、いやはや良かった。まだまだ相棒という世界観は暴れていくぜという気概を感じました。

まず言いたいのはOPカッコ良すぎましたね。シーズン2のOPのフレーズ入ってたのシビれたなぁ。
いわゆる相棒のお馴染みのテーマは実はシーズン3からで、それまではまた毛色の違うOPだったんですけど、そこのフレーズが入っててワクワクしたってのがまずあって、なんかそこも含めて全体的に今シーズンって昔の登場人物の再登場多かった印象ですね。

あとこれ、思い込みかもしれないんですけど、右京のオールバックの頭頂部の盛り具合が初期のそれに戻ってるというか、昔は結構ハムスター1匹寝そべられるくらいのだったのが近年はのっぺりしていて、そこももしかしたらリバイバルみたいな意識があるのかな。
考えすぎかな笑。まあとりあえず良いなと思ったエピソードを話していきたいですね。

初回スペシャル第1話「無敵の人」
のっけからスケールのでかい話でしたね。宗教団体に乗り込む展開はどうしてもトリック感があって嬉しくなってしまいます。
青木の再登場も嬉しかったし、青木を貶める名目で協力してくれる土師くんのハジけ具合も面白かった。
この回なんか予告だと衣笠が死ぬかのような見せ方をされてて見るのドキドキしたなぁ、衣笠結構好きだし、峯秋との対立関係も面白いから退場して欲しくないですね。

そして峯秋がね、近年は官房長的な不穏な立ち回りはほぼなくなって特命係に振り回される大御所ポジになってましたが、今回は内心バチボコに行ってほしいけど公安絡みのややこしめな事件だからあえて「あんまり調べんといてくれ」と言うことで逆に特命係を焚き付けるという離れ業を見せました。
振り回されるだけでなく、上手い扱い方を長年の付き合いから身に付けてるという峯秋自体の変化を見れたのも良かったですね。

第4話「天使の前髪」
やっぱこういう、犯人がわかっててそこの経緯とか、トリックとか、どう立証するかっていう対決回はワクワクしますね。
おまけに今回の相手は“女優”。近年めっきり男女問わず“俳優”って言葉に統一されてて、あの統一具合すごくない?間違えて言ったり書いちゃったりしそうなもんですけど、まるで元からそんな言葉無かったかのようにもう誰も使ってないよね、まあ校正で弾かれてるだけかもだけど。

まあ別にLGBT過剰配慮キモとまで言うつもりはないですけど、個人的には女優って言葉、割と好きなんですよね。なんていうか、独特の響きと特別感がありません?
女性にしかできない演技があるんですよっていう、男性にはできない領域を独占しているような感じがカッコ良いと思いますね。
だからこそこの時代にあえて女優って言葉を明確に使ってるのがすごく挑戦的というか、昨今の風潮に一石を投じうるポテンシャルを感じますね。

そもそも相棒では「女優」がタイトルになってる回があって、まあそれは遥か昔のシーズンですが…右京が女優である彼女を強気に疑ったのは羽田美智子演じる小峰夕月の一件から女優に対して人とは違う印象を持ってるってことなんかなと思いました。
他にも女優が出るエピソードはたくさんある中で、女優ってキーワードをあえて使うあたり、これもある種再登場とかではないけれど過去エピから地続きな部分があるのかなと思った。

第9話「男の花道」
内村部長ヤクザ癒着回、とはいえ内村部長はある一件で脅威の人格変貌を遂げ、以降は正義とデュープロセスが口癖の真面目マンになっていたのですが、今回でそれがまた戻ってしまいます。あれはあれで面白かったけどね笑

ただ、以降の展開を見るとなんかただ前の厳格な内村に戻ったというより、若干言動がバグってるあたり、内村の正義ムーブのお笑いはやりきったから、厳格内村の言動をバグらせる方向に切り替えたのかなと思った、まあどっちも面白いので今後も期待したいです。

話そのものも面白かったね。正当防衛により死亡した暴力団員の仇を、誰が、どうやって討ってくるのか。
いつもの犯人は誰か?というのとはまた違う推理の面白さがあって良かったし、もちろん正当防衛と言われる一件自体にも裏があって…というね。

元日スペシャル第10話「サイレント・タトゥ」
これリアタイだと地震と被って右画面にずっと日本地図表示されてたんよね、まあ仕方ないですが。悦子再登場は嬉しかったというか、良かったなと思った。
妊娠するや否や夫かつパパがダークナイトと化して逮捕されてしまったから、可哀想というか、精神的に流産とかしてたらどうしようって悪い想像しかできなかったんですけど、峯秋、右京が様子を見ていて今では子供も立派に育っているようでしたね。
初登場のカイトのお兄ちゃんが面倒見てるとはいえ悦子と崩れた口調で話してて一瞬うそだよね?と思ったけど、まあ健全な関係そうで良かった。
というか今回の被害者からもっと露骨にエロ漫画みたいな脅迫受けててそれを気丈にかわしているようだったので安心した。
カイトくんが出所してとりあえず腹が減って入った定食屋のテレビを見たら大家族スペシャルでまさかの悦子登場とかなったら悲しすぎますからね。
カイト兄「トオル見てるか〜」は胸糞悪すぎるんで本当に良かった。相棒が終わるあたりのエピソードでカイトなんとかして再登場か、手紙とかでも良いから何らかの形で出て欲しいよね。やっぱ歴代相棒再登場が見たいよ。

第12話「惡の種」
まさかまさかの南井回、今回は直接は出なかったし、本当にまだ生きてるのか、本人の自我はあるのか不明でしたが、まだまだ続くようですね。
南井回のあの独特な不気味さと、クリミナルマインドみたいな推理というよりはプロファイリングに近い捜査が新鮮で好きなんですよね。
てか南井が出るなら遠峰小夜子とかもまた出して欲しいですね。

あと僕さ、亀山くん帰ってきたんやから一回くらい浅倉回あっても良いんじゃないかなと思うんよな。昔はあんなに擦ってたんやから帰ってきてまた夢に出てきて事件を告げてきたとかさ、そんな感じで。

第13話「恋文」
これ良かった〜!モト冬樹が演じる失踪した妻を探し続ける謎の画家が凄く良い哀愁を漂わせてて真相も含めてすげぇ好きだったわこの回。
哀愁ってなんか虚しさとか、情けなさってイメージなりがちやけど本来の寂しさ、物悲しさって感じのそれを体現してる雰囲気があって凄く良い。モト冬樹ってよくバラエティでいじられてるイメージやったけどちゃんと俳優さんよなって感じた。

画家の抱えてるジレンマもすごい良かった。人間のその、説明の難しい複雑な行動原理の切なさがねー、モト冬樹の演技含めていみじくもスムーズに気持ちが理解できるようになってるのが素晴らしいですね。

一枚の絵を巡って色んな人が悲しい思い違いをしてるんやけど、最後の最後に右京が解き明かした絵に残された本当の真実がさ、すごい上手い伏線回収で圧巻でした。
やっぱ相棒ってこういうのが面白くてたまらんのだよなぁ。あと、亀山夫妻の仲睦まじい様子が見れたのも良かった。

第15話「マッターホルンの殺人」
いやもうめっちゃ泣いたわこの回。
まず最初に事件の導入を土師くんが担ってるところが嬉しいというか、謎かけ的に右京に挑戦してきてるんですけど、今シーズン通して土師くんと特命係の距離が明らかに縮まってるのが嬉しいですね。
後でも言うけど後半にかけて特に前振りもなく土師くんが特命係に入ってきたり、既にいたりする場面が多くて良かった。
青木とはまた違う面白さがあって好きなんですよね土師くん。普通に青木並みに有能だし、あのロボットみたいなイントネーションと独特なシャツとネクタイのカラーリング、どこか抜けたような発言、全てが癖になる。公式SNSとかでも登場が増えてるし良い流れですね。

そんでもう、この回なんなのって一言でまとめると、善ちゃんの物語なんですよねー。
最初は生配信中の完全犯罪という触れ込みだからガチ推理回かと思いきやゴリゴリ人情回だったという。
子供達の本当の気持ちに真摯に向き合う善ちゃんなのだけど、エリート志向の毒親たちにひどい仕打ちを受けてしまう。
けどそれでも加害者側が捕まらないようにと気遣う底なしの優しさを見せつけて、尚も子供たちに向き合い続ける。

まあ何やかんやでしんでなくて今回は死者のない事件だったわけですが、ラストのシーンでもう僕涙が止まらんかったんですね。
親の顔色を窺って将棋を続けられない少年に善ちゃんは何とかして夢を追ってほしい。
けど少年は自分の気持ちに嘘をついてムキになって「プロになれなかったら責任取れんのかよ!」って言うんですけど、それに対して善ちゃんが「取れるわけないよ、宗介の人生なんだから!」って。
もうね〜この、毒親たちに蹂躙されてもなお真っ直ぐで温かい善ちゃんに涙を禁じ得ないと同時に、ただ優しいとか宗介の将棋の才能に目をつけてるというわけではなくて、宗介自身の選択、人生を凄く尊重しているんですね、宗介自身よりも。そこがもう…善ちゃんっ!!て感じで涙がポロポロ止まらんかったです。

山男みたいなムサい男性なんですが、どんだけ良いやつなんだよってくらいにピュアで温かい。あまりに純粋に良いやつって俺泣いちゃうんだよ。
善ちゃん多分本気で赤ちゃんはコウノトリが運んでくるって未だに思ってるんじゃないかな、それくらいピュアなんだよ。「え?コウノトリさんが運んでくるんだろ?だよな宗介?宗介もそうなんだよな?宗介?」ってなるんじゃないかな。
もう今後は善ちゃんまさかの特命係加入で部屋の一角を託児所みたいにしてエピソードの半分は善ちゃんと子供達の笑えて泣ける痛快ドタバタコメディになるのもありかなと、一瞬思うくらいに良いキャラでしたねー。

第16話「子ほめ」
後半のエピソードだいぶ刻んでいきますねー、今回結構後半のが好きな回多かったかな。
なんと約22年ぶりに青楽師匠が登場。
相棒で初めて泣いたのが青楽師匠の初登場回だったな。
あのアイドル妻も変わらず師匠を支えていて良かったし、蟹江敬三演じるバーテンダーの回もそうでしたが、かつて罪を犯した人が更生してやり直してるのが描かれるのは良いですね。

22年という期間を経て再登場というのが、ここまで長く続いたからこそ生まれる特別感があって、やっぱそういうシリーズの長さゆえに出来ることってあるから今後も昔のキャラの再登場を期待したいですねー。

最終回スペシャル19、20話「トレードオフ」
もう個人的にシーズン22で一番好きだったかも、てか控えめに言っても神回でしょう。
先に言うとくけど土師くん大活躍回なんだよ。生成AIとかが絡んでくるのもあって全編にわたって土師くんが出てくるどころか、強引にお願いされるだけじゃなく自分から調べて特命係に報告したり、こてまりまで顔を出して調査結果を報告するという今までが嘘みたいなデレデレぶりに土師くん萌えが止まりませんでしたわ。
ほんでまずこの回良いキャラが多かった。
いや、そもそもキャストが豪華過ぎるんだ。相関図見てるだけでワクワクするよね↓


なんていうか展開も含めて元日スペシャルっぽかったよね。
甲本雅裕演じる特捜部長もあの乾いた無気力さと、やるせない怒りに静かに燃えてる雰囲気が好きだったし、あと榊幹事長役の人なんか声聞いたことあるなと思って調べたらやっぱ声優さんやったんやね。海外ドラマの常連です。
佐戸井けん太演じる学者先生も好きだったなぁ。キャラが良すぎるのも踏まえて俺めっちゃ怪しいと思って疑ってたわ。
やっぱ佐戸井けん太ってああいうちょっと胡散臭いというか、ヌメっとした喋り方するおじさんが上手いですよね。喋るのをずっと見てたくなるくらい良いキャラだった。

そしてそして、もう個人的にはかなり彼に持っていかれたんですけど、金田明夫演じる武智淑郎内閣官房長官。朱雀、音越、鶴田に続いて歴代で多分?物語的にガッツリ絡む4人目の内閣官房長官ですが、例に漏れずロクな奴じゃなく…というかなんでこの世界はこんなヤバい奴ばっか内閣官房長官になるんでしょうか。
犯罪行為も辞さない人間ばっか就任しちゃうの明らかに国政に問題があるよな笑。

まあ朱雀に師事していた鶴田がヤバすぎて、その鶴田に師事していたのが今回の武智なんですけど、官房機密費で殺し屋とか雇い出す鶴田ほどではないにしても、機密費をバチバチの犯罪行為に平然と使う彼も中々やばいです。
ただ悪人というだけでなく、カラオケが大好きらしく官房長官室や公用車の中で演歌を熱唱する一面も見せるのがどこか憎めないバカっぽさを作り出しててかなり好きなキャラになっちゃったんですが、、、、その矢先にまさかの被害者だったのでどこか寂しさを覚えてしまったのは俺だけじゃないはず。

金田明夫やっぱ良いよね、最初この手の官僚役に金田明夫か?って予告見て思ってたんだけど、役が役だからすごく悪どい顔もする一方でどこか憎めない茶目っ気を違和感なく盛り込むというか、自然にそれが生まれててああなるほどねーと見てからキャスティングに深く納得できた。こりゃ適任ですわってね。

佐戸井けん太と金田明夫のアクの強さが、尾上特捜部長や下川元法務大臣みたいな真面目なキャラに対して良いギャップになってて、この回自体をすごく鮮やかでユニークな雰囲気に彩ってるなと思う。
公用車で右京の挑発動画にブチ切れて「杉下右京…ナメたマネを…鶴田先生の言ってた通り…厄介者だああああああ!!!!!!!」ってシャウトするとこ笑ったなぁ。相棒の世界の内閣官房長官ってなんか急に大声出す奴多いよな。

けど悪どさや茶目っ気だけじゃなく、ともすれば鶴田らも上回るレベルの策士だったよね。最終的に死んじゃったけど、右京と全面対決することになってたら中々熾烈なものになってたんじゃないですかね。それはそれで見てみたかったな。

キャストは最高なのはもちろん、話もすげえ面白かったなあ。
テレビで政権批判をした学者が襲撃されたのを皮切りに連鎖して起こる事件と、捜査を進める中で瞬く間に拡散されはじめる謎のAI右京。

トレードオフというタイトルから、ミステリーちょっとでも好きな人なら事件の複雑さ、とりわけ動機面の繋がらなさも踏まえて何らかの取引を元にした交換殺人を予想したのは俺だけじゃないはず、だから僕はちょっと鼻を伸ばして「いやこれタイトルにしちゃダメでしょ〜」とか余裕こいてたんやけど事態はそれより遥かに複雑で、色んな人間の悪意と散りばめられたフェイクが交錯して正しくカオスの様相を呈する今回の事件は、冠城くん時代なら絶対「君の好きな展開になってきましたねぇ」「カオス」の掛け合いがあったでしょうね。2人が別々に1人ずつ殺したんじゃない、2人で2人殺したんですって言い切るあたりトレードオフってタイトル自体が単純な交換殺人を匂わせるミスリードにもなってるのかなとも思う。題名すらブラフに使うとは恐れ入る…。
かく言う僕もカオスな展開が好きなのでこの回は非常に見てて楽しめました。

そんでAI右京も面白かった!!この世界において鬼石美奈代が発展させたAI生成技術は鶴田から最終的に内調の手に渡り、折に触れて事件にも絡んでくることになるのですが、そこら辺も過去回から地続きで流れが作られてるのが面白かった。
「ディープフェイク・エクスペリメント」の回でも言及されてたように、鑑定によって見抜けないディープフェイクは現在の司法制度上では真っ赤な嘘であっても本物として扱うことになり、近い将来に動画は証拠品としての機能を失うかもしれないということです。

これってまあ現実世界は別としてミステリードラマとしてある種致命的とまでは言わないまでも、動画が証拠になるという展開を一つ潰されるというか、声だって偽造ができてしまうとより犯人を追い詰めることが困難になるし、何よりじゃあこれも偽物か?って見てる側が疑いの目を向ける場所が増えすぎてしまうようなイメージがあって、素人目線ではなんかこれ作ってる側からしたらより展開を作るのが難しくなってるのかなぁとか思うんですよね。
けど相棒ではそこに真っ向から立ち向かっているというか、テクノロジーの進歩とそれを受けての世相の変化を逃げずに取り入れているのがすごいなぁと思った。

もちろん何でもアリにならないように、鑑定不能なレベルの高度なAI生成技術は鬼石美奈代→鶴田翁助→内閣情報調査室が保有してるっていう風にきちんと利用できる人間の範囲を限定してたり、驚きは残しつつ展開的に理不尽というか、そこまでやられたらもうわからんわとまではならない程度に、上手くスパイスとしてそういった要素を取り入れてるのがこんなん言うの恐れ多いですが流石だなと思いましたね。

あと、超余談なんだけど、本筋に絡む歴代の内閣官房長官がみんな社会的か肉体的に女性にトドメを刺されてるの、歴代相棒がカで始まってルで終わる名前なのと並ぶくらいのジンクスじゃないですか?
朱雀は片山雛子に切り捨てられて、音越は植村明梨に毒殺されて、鶴田は柾庸子に裏切られて、武智は下川元法務大臣に絞殺されて…という。
特命係は何かと内閣官房長官に因縁があるから、もしラスボスに当たる人物が権力者なら警視総監か警察庁長官か内閣官房長官か総理大臣とかになるのかな、とか考えるんですけど、次も内閣官房長官が出てきたら付近の女性キャストに注目せざるを得ないかもしれませんね。いや次こそまともな奴に就任してほしいけど笑。

いや〜今シーズンも最高だった。プレシーズンから1年半経てようやくリアタイに追いつけました。今年の10月が早くも待ち遠しいです。
来シーズンは更なる過去キャラや、南井等の強敵の再登場、土師くんの躍進に期待したいですね。

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