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【ぶんぶくちゃいな】Netflix版『三体』の文革シーンはリアルか、陰謀か?――わたしの文革体験(後編)

前回に続き、ポッドキャスト「不明白播客」から高さんの文化大革命(文革)を巡る当事者の回想録後編をお届けする。まだの方は前編からどうぞ。

「高さん」は今回の内容でも明らかにされるが、今年78歳の女性だが、身の危険を考慮して匿名にされている。前回の内容では、ちょうど清華大学に入学した年に文化大革命が発動されて駆り出され、結局大学生活を実際に学ぶ機会を与えられないまま、終わることを余儀なくされた世代であることが語られた。

そして実際に文革を暴れまくった「一兵」として彼女は何を目にしたのか。今回はそれらの出来事が具体的に語られる。

Netflixが製作したドラマ『三体』が世界的に大ヒットし、正式に配信されていない中国でも多くの人たちが目にした結果、沸き起こった文化大革命に対する議論を高さんは「良いこと」と断言する。そして、実際に中国国内では南京大虐殺は知っていても、文化大革命をまったく知らない若者が存在することに危機感を覚えているとも。

しかし、そんな「忘れ去られた過去」を、贖罪の思いから掘り起こそうとし続けている高さんとかつての同窓生たちの活動は、今また文革を思わせる障害に直面し続けているという。

なお、文中、[]で訳者である筆者による補足及び注釈を示した。


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