見出し画像

我想去那里的理由(私がそこに行きたい理由)

初めに

こんにちは!中国の映像制作会社和之夢の日本人インターン生、麻辣烫です!

弊社の人気ドキュメンタリーシリーズの一つ、『我住在这里的理由』。日本語では“私がここに住む理由”です。日本に住んでいる中国人や中国に住んでいる外国人を主人公として、彼らの生活や仕事に密着するドキュメンタリー作品です。

画像10

でも今回はちょっとテーマをいじって、『我想去那里的理由(私がそこに行きたい理由)』とうテーマでお話ししたいと思います。那里がどこかって?

もちろん中国です!

日本で生まれ育った日本人である私がどのようにして中国を知り、なぜ中国に行きたいと考えるようになったのか、今回はそれを語っていければなと思います。

①海外なんて嫌いだった大学一年生時代

この記事を書いている私は現在24歳、今年の三月に大学を卒業しました。今年の九月には中国の大学院に進学予定です。海外留学に行きたいという日本人は一定数いますが、その留学先に中国を選ぶ人はあまり多くないのではないでしょうか?

私が大学に入ったころは留学にも海外にも一切興味がなく、むしろ毛嫌いしていました。“海外好きな人なんてみんな格好つけてるだけじゃん…俺は日本で暮らすから関係ないし”といった感じです。

画像1

僻みのようなものもあったと思います。当然外国語を話すことに憧れはあるものの、実際には話せないので忌み嫌ってしまう…よくある話ではないでしょうか?


②初めての上海旅行

そんな私が中国留学に興味を持つようになったのは大学二年生の時です。大学一年生の時の第二外国語(中国語)のクラスメート3人と一緒に上海旅行に行ったのです。その理由は…友人の一人が上海ディズニーに行ってみたかったから(笑)ということと、せっかく中国語を一年間履修したのだから一回くらい足を踏み入れてみたいと思ったからです。
 
しかし当時私は全くもって上海に行きたくありませんでした。大学一年のころに行った台湾旅行がトラウマになっていたのです。日本人の海外旅行先として人気の高い台湾ですが、私は独特の匂いに慣れず、言葉も全く分からず、夜市にいた手足のない物乞いにビビり倒し…海外って怖いんだなあという印象のまま帰国したのです。そのような思い出があったため、上海にも恐怖感を抱いていました。

画像4

 
しかし実際に行ってみると、その不安は完全に覆りました。町並みは想像をはるかに超えるほど綺麗で、街行く人たちもとても親切でした。道に迷っても一緒に探してくれたり、靴紐がほどけていることを教えてくれたりしました。ご飯も安くて美味しく(一番驚いたのが100円のチャーハン、とても美味でした)、中国語も相手が言っていることが少しだけ理解できたのです。
 
そして何より、中国を好きになった一番の要因は”自由”です。地下鉄でイヤホンをせずに大音量でゲームをする若者(現在上海では条例で禁止されているようです)、降りる人よりも先に乗ってくる乗客、客から見えるところでスマホをいじったり賄いを食べたり昼寝をしている飲食店の店員etc…。日本いると見落としがちな”あ、人間ってもっと自由でいいんだ”という感覚を得ることができたのです。

画像3


 
最初は不安で友達の後ろをついて歩いていた私でしたが、気が付くと「おい!早くついて来いよ」と積極的にみんなの先頭を歩くようになっていました(笑)。このように初めての上海旅行は胸が躍るほど楽しくて、日本に帰ってからも「次はどの都市へ行こうかな?北京かな?」と思いを巡らせるようになっていました。


③決心を後押しした京都旅行


そのような思いを募らせたまま2019年の3月に友人と京都旅行に行きました。そこで私はまた中国絡みの面白い経験をするのです。
 
昼にとあるラーメン屋さんに行った時のことです。私の隣のカウンター席に全く日本語の話せない一人の中国人男性観光客が座ってきました。彼の席には前のお客さんが使ったどんぶりが残っており、店員さんはそれに気づいていない様子でした。

画像4


 
中国人観光客の彼も日本語が話せず戸惑っていたので、私が代わりに店員さんに片付けてもらいました。すると彼は「谢谢(ありがとう)」と言ってきたので、私も中国語で「没关系(どういたしまして)」と返しました。すると彼は私が中国語ペラペラだと勘違いし、マシンガントークの中国語で話しかけてきたのです。

いくら一年間履修したとはいえ第二外国語のレベルですから当然簡単な挨拶以外は全くできません。「オーワカリマセーン」となぜかカタコトになりながらスマホを取り出し、翻訳機で会話をすることになりました。
 
そこの会話で出てきた中国語は今でもはっきり覚えています。排球(バレーボール)、女神、外国人、这么多(こんなに多いの?)など…。そこのラーメン屋さんは量がとても多いことで有名で、案の定彼は食べきれず、チャーシューを一枚恵んでもらったりもしました。
 
翻訳機を通してではありましたが、中国人と会話、交流をするってこんなに楽しいんだと改めて実感することができ、この瞬間、中国留学に行ってもっと中国語を上達させたいと決心したのです。


④そして大連留学へ

そこからの私の行動は早かったです。まずは大学の留学センターに行って、中国との交換留学ができないか掛け合いました。しかし当時私はすでに大学三年生になっており、交換留学であれば四年生になってからではないといけないとのことでした。

少しでも早く中国に行きたいと考えていた私は学校の交換留学を諦め、両親に頭を下げて私費留学で中国に行くことにしました。最終的にとある仲介会社におすすめされた大連を留学先に決めました。 

画像8



理由としては上海や北京の大都市と比べて学費が安いこと、海なし県埼玉出身の私には海が近い都市が魅力的に映ること、中国語の発音が比較的標準語に近いことなどが挙げられます。
 
留学へ行くまでの半年間は日本でひたすら中国語を勉強しました。新たに大学内の日中交流サークルに入り、中国人の友人を作って一緒に遊びながら発音や会話の練習をしました。またYouTubeで大連の都市プロモーションビデオを毎日見てモチベーションを上げていました。

画像7


そして待ちに待った2019年8月26日、大連での留学ライフがスタートしました。留学生活は「充実」の一言で、毎日24時間楽しく生活することができました。具体的な留学時の様子やエピソードに関してはまた別の記事で書こうかなと思います。


⑤コロナで帰国

一年間の留学予定だったのですが、一学期目が終了したタイミングで世界を動かす大事件が起こります。そう、新型コロナウイルスの蔓延です。ちょうど春節と重なり、留学生は皆帰国し、中国人の友人たちも実家に帰ってしまっていたため、中国にいてもやることがなかったのです。そこで私は一時帰国することにしました。
 
まさかこの一時帰国が本帰国になるなんて…誰が想像したでしょうか?

画像10

 
2020年の1月26日に帰国をした私はきっと2週間くらいでコロナも収まって中国に戻れるだろうと信じていました。しかし猛威をふるい続けるコロナになす術もなく、日本滞在を余儀なくされました。

4月くらいになって留学先の大学がオンライン授業を開いてくれたので、その授業を平日1コマ分を受けて中国語を継続して勉強することができました。
 
しかし中国に行きたいという熱意は消えることはありませんでした。一年間の現地生活が半年で中断してしまったショックは計り知れないほど大きく、不完全燃焼のまま日本で日々を過ごすしかありませんでした。
 
中国のコロナ対策はどの国よりも厳しく、2022年7月現在も学生ビザは発行でいない状態が続いています。大学在学中に中国留学に行くことは難しいと判断した私は、これからの目標を「とにかく一番早い方法で中国に行く」ことに定めました。

選択肢はいくつかありますが、すぐに思いついたのは、日本で就職して出張や駐在員として中国に行くということ。そのため2020年の7月くらいまでは就職活動の一環として大手メーカーのインターンを申し込んだりしていました。

画像9


しかし実際には新卒の社員にすぐに海外に行かせてくれる会社は非常に少なく、現実的な方法ではないと悟りました。

「最低日本で8年は働いてもらいます。」という企業もあり、それでは遅い、と感じた私は中国企業に新卒で入ることを考えました。しかし基本的に中国の就労ビザは二年間以上の就労経験、もしくは修士以上の学歴を必要とするため、どちらも当てはまらない私はこの方法も諦めざるを得ませんでした。


 ⑥中国の大学院へ

画像9

それなら最終手段!ということで、今まで考えたこともなかったパターンですが、中国の大学院に入るのが一番手っ取り早いという結論に至ったのです。中国の大学院留学に行く日本人は決して多くはなく、情報も少ないため非常に苦労しましたが、友人や先輩、両親や恩師の熱心な協力もあり、無事に合格することができました。
 
それでも前述した通り、中国の学習ビザは依然として発行できません。そのため日本でオンライン留学をしている人が数多く存在します。今年の九月には行けるようになるのではという噂もありましたが、まだ確定はしておらず、皆不安な毎日を過ごしています。

中国に行ったら行ったでたくさん不自由なことがあるかもしれません。しかし私からすると行きたくても行けないことの不自由さのほうが大きく感じてしまうのです。

とにかく早く中国に行きたい…今はただそれだけを願っています。中国に行って今度は「我住在这里的理由」として取材されたいですね(笑)。

それでは今日はこの辺で!
 




文字 | 麻辣烫



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?