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「ソシオパス」を解明しようと努力を続けたリンダ・ミーリー

専門の研究者であれば、他人をよく観察もせず、遠目で見ただけで「この人はソシオパスだ」などと決めつけたりしない。

無邪気な人々は、相手が見たところ邪悪な人間に思えたとしても、こちらが忍耐と理解と同情をもって模範を示せば話が通じるようになると信じている。認識能力の異常や感情面でのアンバランスさといったものをそういった無邪気な人々に説明するのは、盲人に色を説明するようなものかもしれない(中略)何もかもうまくいっている成功者に見えながら、実はひどくゆがんだ人格をきわめて巧妙に隠している人間が、ごく少数ながら存在する(中略)無意味な拷問といったおぞましい行ないをしうることを、ふつうの人間は信じられないからである(中略)(※ソシオパス研究者の)リンダがネットから消えたのは十数年前のことだが、なおも分野を超えて研究者に影響を与え続けている。リンダの父、ジョージ・ミーリーは、国際人間行動学会と協力し、若手研究者に与えられる「リンダ・ミーリー賞(※Linda J. Mealey, Ph.D.)」のための基金を設立した。「ソシオパス」を解明しようと努力を続けたリンダ・ミーリー(※Linda J. Mealey, Ph.D.)は次世代の研究者たちの手本となり、インスピレーションを与え続け、そのウェブサイトは更新を停止したまま、彼女の生涯を記念するために残されている。※引用者加筆.

研究によると、病的な嘘つき(※ソシオパス・社会病質)の前頭前野の白質量は、正常人よりも四分の一大きかった。レーンと同僚らは、「嘘をつきたい」という欲求に前頭前野の白質が中心的な役割を果たしているという、おどろくべき事実を発見(中略)白質が増えるとなぜ嘘をつきやすくなるのだろう? 当時レーンのもとで博士過程にいて、実際に研究をしたヤーリン・ヤンが述べている。 「彼らには嘘をつく方が簡単なのかもしれない。白質が過剰にあると、ふつうなら隔てられている矛盾し合うデータのあいだの連結が多くなるからだ」(中略)興味深いことに、自閉症(※自閉症精神病質・サイコパシー)の子供たちでは白質が減って、灰白質が増えている。自閉症はあまり嘘をつかないことでも知られている(中略)自分にはまったく感情的バイアスがない、と断言できる人間はいない。事実に対するとき、われわれは経験や価値観、脳にあらかじめ組み込まれた感情と認識のプロセスをフィルターとしている。しかし、たとえば特定の宗派のメンバーとだけつきあっていたらどうなるか(中略)ウェスティンらの結論では「感情的にバイアスのかかった推論は、都合のよい信念を強化し、精神の安定につながる説明を肯定的な感情、あるいは救いと結びつけ、苦痛を消滅させる。こうして何かを信じたまま思考は硬直化し、新しいデータから学ぶことはほとんどない」ということだ。※引用者加筆.

自閉症精神病質↓
社会病質者とは全く異なる種類の人間になる

ここには区別すべき種類の人間がいると私は思う。社会病質者(ソシオパス)の存在を私たちが知っているのは、その症状が病気すなわち精神障害であると定義されているからだ(中略)攻撃性があって感情移入できない者は社会病質者(ソシオパス)となる。いっぽう攻撃性はあるが感情移入能力もある場合は、社会病質者とは全く異なる種類の人間になるのである。

ごくふつうの十歳の子供と同じだと思っている人など、ほとんどいない

重要なことは、十歳のサイコパスの子供の親で、自分の息子なり娘がごくふつうの十歳の子供と同じだと思っている人など、ほとんどいないということなのだ(中略)それこそ死にものぐるいでその理由を理解しようとし、なんとか息子なり娘をまともに育てようとしてきたにもかかわらず、不公平にも社会からその責任を押しつけられると、なすすべも失って失望してしまう(中略)サイコパスに対して、社会の期待や基準に沿うよう行動を修正するよう迫るとき、私たちは彼らにとって “自然な” 生きかたをやめろと要求しているようなものだ(中略)サイコパスがなぜセラピーに積極的ではないのか、その理由はほかにもある。サイコパスは “脆い” 人間ではない。彼らが考えることやすることは、外からの影響に極度に抵抗する、岩のようにかたい人格構成の延長線上にある。治療プログラムを正式に受けはじめるまえに、彼らの態度や行動パターンはすでにしっかりと固定されていて、最良の環境条件のもとでも揺らごうとしない(中略)サイコパスは法的にも精神医学的にも、最近の正気の基準を満たしている。彼らは社会のルールや善と悪の慣習的な意味を理解している。自分の行動をコントロールすることもできるし、自分の行為がどんな結果をもたらすかもわかっている(中略)社会にうまく順応してきた人たちにとっては、サイコパスが経験するような世の中を想像することは、不可能に近い(中略)サイコパスはしばしば個人セラピーやグループ・セラピーを支配する(中略)サイコパスを治療するという努力は見当ちがい(中略)私たちの知るかぎり、サイコパスは完全に自分に満足していて、治療の必要性をまったく感じていない。じつは彼ら本人にとってもなんの支障もないのだ(中略)多くのサイコパスは自分の生きかたをあっさり楽しんでいる。ふつうの人たちとちがって、サイコパスは自分から助けを求めようとしない(中略)男女を問わず、サイコパスを精神病院などへ入れたら、ほかの患者たちに破壊的な影響を与えることは必至だ(中略)“サイコパス”とは精神医学用語で、もっとも重い場合でも精神病ではないがもっとも軽い場合でも正常ではない、という厄介な人格障害のことだ。“障害” であるサイコパスには、一般に幻聴や幻覚(※重度の妄想 パラノイア)などが伴わないからだ(中略)サイコパスのおそろしい謎を解決できない社会的かつ経済的犠牲は膨大なものだ。その手がかりを求めつづけていくことが、私たちには緊急の課題になっている。※引用者加筆.

ふつうの人たちとちがって、サイコパスは自分から助けを求めようとしない

サイコパスは、他人の感情の動きよりも、知性や認識力を理解することが得意ともいえる。

サイコパスは、知能や認知能力が低い人に特有の感情の浮き沈みをよく知っています。

創造的な人々がしばしば風変わり───時には傲慢で、自己中心的で、無慈悲───とさえみなされている

経験を積んでいくと次第に慣れてきて、感動が薄れてしまう

大半のサイコパスは暴力的ではないのだけれども、彼らはしばしば他人の傷にはほとんど無感覚で応答し、まさしく気にさえしてない。しかし何か、あるいは誰かに対する気遣いを多くのサイコパスは口に出す(中略)サイコパスは人を憎まない、サイコパシーの人はこころの理論ではなく、共感が欠けている。共感(enpathy)を欠いても同感(sympathy)はそれでも可能である。

年を取るということは、経験値が上がるということです。ちょっとやそっとの刺激では、感動できなくなる(中略)年を取ると感動が薄れる。衰えではなく経験値が上がったのです(中略)経験を積んでいくと次第に慣れてきて、感動が薄れてしまうのです。

サイコパスは精神科にとって忘れられた存在(中略)(※クレックリー博士)によれば、サイコパスの問題は社会全体から忘れられているばかりでなく、精神科の教科書にはそれについてほとんど記されていないというのである。彼はそのため精神科の医学生が 「自分は将来サイコパスの患者に出会うことなどほとんどないだろうから、この分野は重要ではない」と考えてしまうことを危惧したのだった。※引用者加筆.

高度な教育を受けていても、サイコパスという言葉の意味を知る人は少ない。自分の知り合いのなかに、それにあてはまる相手が十分にあることを理解している人は、もっと少ない

福島メルトダウンの影響はまだ完全には解明されていないが、発電所の廃炉と被害者への損害賠償金額は、現時点での最新の推計では2500億ドル(27・5兆円)となっている(中略)放射性廃棄物 こうした廃棄物にはウラン抽出尾鉱や使用済み核燃料も含まれるが、アメリカエネルギー情報局(EIA)はこれらについて「数千年にわたって放射性や人体の健康への危険性を持ち続ける可能性がある」と述べている(中略)実存的危機が着々と深刻化しているわけだが、中には目を逸らさずにこれを直視している人たちもいる。惨事の加速を使命とし、これに全力を注ぎ続ける社会病質者(ソシオパス)たちだ。トランプと彼の子分たちは、破滅への競争を誇らしげにリードし続けている。アメリカがパンデミックの震源地と化する中───これもトランプ一味の愚行が招いた事態(※トランプ元大統領はワクチン騒動によるインフレの扇動者である。インフレは資産家にとって有利)※引用者加筆.

(※ソシオパスである)潜在的攻撃性パーソナリティーはあの手この手を使い、相手を一段劣った地位にとどめておこうとする(※先制的な価値下げ)(中略)このパーソナリティーの持ち主が社会のルールに服従しているのは、規範や権威を心から尊重しているからではなく、そのほうが世渡りのためにはつごうがいいからにすぎない。他人を傷つけても正当化でき、逃げおおせるとわかれば、ルールを踏みにじったり、人に対しても理不尽な仕打ちを加えてきたりするかもしれない(中略)ポイントはただ三つ。「一に地位(ポジション)、二に地位、三、四がなくて五にも地位」なのだ(中略)自分たちの本当のたくらみや攻撃意図を他人の目から隠すことにとにかく必死だ。自分が観察されているとか受け身の立場にあるなら、彼らも礼儀正しく節度をもってふるまうだろうが、しかし、ひとたびそうした立場から逃れたと判断したら話は一変する(中略)攻撃性パーソナリティーは断じて敗北を受け入れようとはしない。敗北は支配的な地位と力の喪失を意味する(中略)加えた攻撃について、それはわざとではないと相手に信じ込ませ、非難されるような行為はしていないと被害者を納得させるときに用いるのが「無実を装う」という手口だ(中略)“しらばっくれる” ことによって、自分に向けられた相手の詰問の正当化を疑うようにしむけたマニピュレーター(※ソシオパス)ならではのやり口だ。※引用者加筆.

彼ら(※ソシオパス)はなぜ人を信じさせることができて、人を欺いたり操作したりすることがうまいのだろうか?なぜ私たちは彼らの発言に一貫性のなさを見抜くことができないのだろうか?(中略)その疑問に簡潔に答えるならば、一見まともな彼らの仮面のせいだということになる。 彼らの発言の奇妙さは、うっかりすると気づかないほど巧妙で、まんまとショーを演じきってしまう。私たちは彼らの言うことにだまされているだけでなく、そのしゃべりかたや、それを口にするときに彼らが選択している感情表現にだまされているのだ(中略)彼らは、自分が宇宙の中心にいると思っていて、己のルールに従って生きることが許されている優秀な人間だと思っている。※引用者加筆.

時間を節約するためには言葉(用語)を覚えることが重要───堀江貴文氏↓


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