ポジティブ心理学研究者に共通する性格的欠陥があるとすれば、「精神のパワー」によって新しいスキルもたちまちマスターできるはずだと自信過剰に陥っていることだろう(中略)生まれて初めてサーフボードの上に立った私は誇らしい気持ちに包まれた。もちろんその栄光の瞬間はまもなく岩の壁に阻まれることになる。自分から水に落ちたほうが賢明だったのだろうが、案外うまく立てた快感に酔いしれていた私は、岩場に向かっていると知りながらもそのまま乗り続けた(中略)すごすごと引き上げてきた私を見てインストラクターは、首を振って言った。「砂浜から目を話すなと言っただろ」(言い訳するようだが、何も初心者のクラスでこんな危険な岩場の前でやらなくたっていいじゃないか・・・・・・)