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#295 手触りの感覚

僕がこれまで飲食業界で感じてきたことの一つに、「現場の反応が直接手に取れる」という事実があります。自分が提供するサービスがお客様の表情をどう変えるか、その瞬間瞬間が僕たちにとってのハイライトです。この感覚は、他業種でも同様に重要視されており、ビジネスにおいて手触り感を求める動きが顕著になっています。たとえば、コンサルティング業から製造業や小売業に転職する際、多くの人が「自分でビジネスを動かしたい」「顧客の反応をダイレクトに感じたい」と述べるのです。このように、「手触り感のある仕事」を求めて職を変える人は少なくありません。
#人との繋がり

深い関わりから生まれる価値


ビジネスの手触り感は、単なる物理的な感覚にとどまらず、顧客との関わりや、それによって生まれる経験の質にも関連します。僕たち飲食業者にとっては、飲食店を通じて「食の体験」を提供することが求められますが、これは他業界でも同様です。商品やサービスの提供を超え、どれだけ顧客の心に残るかが重要になってきています。「モノ」があふれ、欲しいものが簡単に手に入る社会になり、消費傾向にも変化がありました。消費者はモノそのものの価値よりも精神的な豊かさを求める消費行動、いわゆる「コト消費」といわれる体験価値を求めるようになります。こうした変化のなかで、消費者の共感や信頼を得るための体験価値が重視されるようになりました。
#CXの重要性

孤独との戦い


現代社会では「深まる孤独」という課題も抱えています。これに対して飲食ビジネスができることは何か。それは、顧客との真の接点を持つことによる体験価値の向上です。顧客の孤独感を減少させ、彼らが求める体験を提供することで、より強い絆を築くことが可能です。顧客とのかかわりを持つ各タッチポイントで体験価値を高めること、飲食店ではそれが可能だと思うんです。飲食ビジネスの「手触り感」とは、現場に直接関わりエンドユーザーであるお客様の反応を直接感じられること。「手触り感」は多くの場合、仕事の現場で感じやすく、例えば、新規の事業・店舗等を立ち上げることや、お客様向けのPRを行うこと、自社のサービスや製品を消費者・顧客といったエンドユーザーに売り込むことなど、現場の反応を直接感じられる距離で行う仕事全般が多いことが挙げれます。
#孤独

情報発信力の向上


現在の消費者は、情報通信技術の進展により、自らが情報発信者となっています。企業と消費者との情報の格差はなくなり、消費者は自らの意見を世界に向けて発信する力を持っています。このような状況は企業にとって、顧客との信頼関係を構築し、長期的な関係を築くためのチャンスです。口コミ評価に代表されるように、消費者は消費するだけの存在ではなく、発言力を持った存在として企業に大きな影響を与えています。こうした時代にあって、消費者との信頼関係の構築はますます重要性を増しています。情報発信力の向上は、持続的な成長を目指すための重要戦略になりつつあります。
#情報発信力

まとめ


ビジネスにおける「手触り感」は、単に物理的な感触だけでなく、顧客との深い関わり、そしてそれによって生まれる共感や価値の創出に関連しています。僕たちが提供する食事がどのように顧客の日常に溶け込むか、それを考える時、僕たちはただの提供者から、顧客の生活の一部となるパートナーへと進化することができます。ビジネスにおいて手触り感を大切にすることは、消費者との距離を縮め、更なる価値を生み出す起点となり得るのです。
#飲食店

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