𝔚𝔞𝔨𝔢𝔦🐞𝔜𝔞𝔡𝔞

SF寄り作家。🎺を吹く(TicTokのDS起動音の人)。主な作品:『エターナロイド』『…

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SF寄り作家。🎺を吹く(TicTokのDS起動音の人)。主な作品:『エターナロイド』『パレット上の戦火』「蟲医」執筆中🐷

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記事一覧

自分の性について

私は、生物学的には男性だが、クエスチョニング(Questioning)かつクロスドレッサー(cross-dressor)だと思う。その理由は、若い頃に女子っぽい振る舞いをしていたし、今…

蟲医入門 2

蟲医入門と題して書き始めているのだから、蟲医の入門になりそうな話をしておきたい。 蟻の話である。 2017年、マタベレアリ(メガポネラアリ)Megaponera analisという蟻…

蟲医入門

子ども科学電話相談で、「虫のお医者さんはいないの?」という質問が話題になったことがある。虫は人間のような生活環ではなく、多産多死の世界で、そういう生き方をしてい…

作品『新世紀愛情胡事』(チャかシズムVol.9のおまけ)

これから、チャかシズムVol.9を公表するのですが、それにあたり、おまけ版として、そちらに公表している作品『新世紀愛情胡事』の、PDF版とWord版の付録を公表します。 そ…

SF作家の息抜き

今という世の中では、ほとんどの人が無理をしている。というか、誰でもそうなのだが、少しは無理をする。無理をしている人がいないかなと見渡せば、ようやく歩き出した赤ち…

300

覚醒

アイスは緩慢な自殺だ いつかは夢が叶う 甘き死 ずらされた音符のような鳴き声で 世代の階層を抜けていくと 一人の尸が語る 「私は地層になるべきだったのか」 氷菓が舌…

夜田わけいの豊衣足食 4

美味しそうなご飯を食べてフォロワーが増えても、たまにあげる飼育しているゴキブリ画像で一掃してしまうので、フォロワーがついて来るのは大変なようである。 最近、サル…

0〜
割引あり

シュ永デ琳宮音楽レヴュー 2024/3/10〜2024/3/16

2024/3/10 今日はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番から始めよう。辻井伸行のピアノ。

シュ永デ琳宮音楽レヴュー 2024/3/10

小澤征爾が亡くなってからしばらく小澤征爾漬けだった。小澤征爾の演奏はどれもいいが、とりわけ愛聴したのはラフマニノフの交響曲第2番。カナダにいたときにずっと聴いて…

時の雫

もう 鐘が鳴るわたしがかつて生まれた眠りは見えない夢になってしまった 純粋な愛のため積み重ねた透明な時の雫は繭をさえぎった天使の形 詩集が歳を重ねるとわたしの歳は…

たのしい告白

社会にひらかれたことばで わたしは語りたい/一刻人の 死に絶えた脈拍 ないしは ここでブレスを打つ 尸を撃つように 呼吸する わたしの告白のための準備 さあゆっくり…

夜田わけいの豊衣足食 3

果たして本当にシュ永デ琳宮国民になれるのか? 人類の限界への挑戦 浦和のSF大会で、昆虫食のイベントをやった。 一応、コンセプトとしては、「蟲医のシュ永デ琳宮国民…

シュ永デ琳宮国の昆虫憲法、『てふてふ草案』の全文をつくりました。

明けましておめでとうございます。 新春早々とはいえ、昨年から準備していたのですが、ここに、私(夜田わけい)が考えた小説の蟲医の世界観を表現した昆虫憲法を作ってみ…

蟲医はなんの影響でできたか

蟲医、蟲医プロジェクト、蟲医シリーズについて、なんの影響によって生み出されたか、ということを考えるのは、あまり簡単なことではないと思う。 蟲医には、SFプロトタイ…

Kindleと共に生きて

少し綴るのが早すぎるかもしれないのだけど、Kindleのサービスを利用してみて感じたこと、思ったことを色々書いてみようと思う。 私がKindleの自費出版サービス、Kindle Di…

影響について

誰かからの影響というのは難しいものだ。表明するだけでその人の性格を形作ってしまうし、あまり沢山挙げすぎてもその人がわかりにくくなってしまう。特定の存在を挙げて、…

自分の性について

自分の性について

私は、生物学的には男性だが、クエスチョニング(Questioning)かつクロスドレッサー(cross-dressor)だと思う。その理由は、若い頃に女子っぽい振る舞いをしていたし、今でも自分の中に女の子の性があるような気がするからだ。

自分の中の性の問題は、かなり揺らいでいる。自分が男性なのか女性なのか、それが今ひとつ自分にはよくわからない。よくわからない状態が慢性的に続いているので、クエスチ

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蟲医入門 2

蟲医入門 2

蟲医入門と題して書き始めているのだから、蟲医の入門になりそうな話をしておきたい。
蟻の話である。

2017年、マタベレアリ(メガポネラアリ)Megaponera analisという蟻が、仲間を治療しているのが発見された。実際のところ、他の文献にも蟻による治療行為がなされていたという説を支持している観察がある[1]のだが、とにかくまあこのマタベレアリという蟻は、傷ついた仲間の傷口を診断し、舐めて治

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蟲医入門

蟲医入門

子ども科学電話相談で、「虫のお医者さんはいないの?」という質問が話題になったことがある。虫は人間のような生活環ではなく、多産多死の世界で、そういう生き方をしているからお医者さんはいないのだと先生が話す。大人にとっては当たり前のこととして、若い頃に受け入れてしまうことだが、子どもにとっては虫のお医者さんがいないことがむしろ驚きらしい。
だが現実になぜ虫のお医者さんがいないのか、という問いには、虫のお

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作品『新世紀愛情胡事』(チャかシズムVol.9のおまけ)

これから、チャかシズムVol.9を公表するのですが、それにあたり、おまけ版として、そちらに公表している作品『新世紀愛情胡事』の、PDF版とWord版の付録を公表します。
それというのも、Kindleでは表現上の制約がある関係で、完全なバージョンを再現することができなかったため、こちらの作品において、より完璧なバージョンを公表したいという想いから、このような形の公表になりました。
先んじて、こちらに

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SF作家の息抜き

今という世の中では、ほとんどの人が無理をしている。というか、誰でもそうなのだが、少しは無理をする。無理をしている人がいないかなと見渡せば、ようやく歩き出した赤ちゃんだって、本能のままかもしれないが、歩くのに一生懸命だから、多少は無理をしているかもしれない。あるいは仕事帰りにくたびれたおじさんおばさんも、だいぶ無理をしている。赤ちゃんは、疲れてしまえば眠ることができる。それはお母さんが見守っているか

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覚醒

覚醒

アイスは緩慢な自殺だ
いつかは夢が叶う 甘き死
ずらされた音符のような鳴き声で
世代の階層を抜けていくと
一人の尸が語る
「私は地層になるべきだったのか」

氷菓が舌の上で溶けて
最期のことばの一縷となって 吐き出されたなら
あなたたちは卵となり 夢を語るだろう
懐かしい私たちという言語は
もう 口にされた だから
大地のかけらのついたものを食べよう

家に帰って 生まれくるものに祈りを
そして予

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夜田わけいの豊衣足食 4

夜田わけいの豊衣足食 4

美味しそうなご飯を食べてフォロワーが増えても、たまにあげる飼育しているゴキブリ画像で一掃してしまうので、フォロワーがついて来るのは大変なようである。
最近、サルミアッキと蟋蟀ラーメンを食べてみようと思っていて、そのうち行けたら行きたい。あと久しぶりに宇宙食も食べたい。

職場の方にいただいたベジマイト。
これは…ありそうでなかった味覚。うまい。
味噌っぽい感じなのにパンに合う🍞🥐🥖‼️
ベジ

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シュ永デ琳宮音楽レヴュー 2024/3/10〜2024/3/16

シュ永デ琳宮音楽レヴュー 2024/3/10〜2024/3/16

2024/3/10

今日はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番から始めよう。辻井伸行のピアノ。

シュ永デ琳宮音楽レヴュー 2024/3/10

小澤征爾が亡くなってからしばらく小澤征爾漬けだった。小澤征爾の演奏はどれもいいが、とりわけ愛聴したのはラフマニノフの交響曲第2番。カナダにいたときにずっと聴いていて、飯まずなカナダで涙を流しながら聴いていた。その小澤征爾が亡くなったことがショックで、しばらく鬼リピしていた。

時の雫

時の雫

もう 鐘が鳴るわたしがかつて生まれた眠りは見えない夢になってしまった
純粋な愛のため積み重ねた透明な時の雫は繭をさえぎった天使の形
詩集が歳を重ねるとわたしの歳はいくつになる?糸をほどきながら
化石の呼吸法で白いゴムの海の底に沈む涙は虹のように青い

たのしい告白

たのしい告白


社会にひらかれたことばで
わたしは語りたい/一刻人の
死に絶えた脈拍 ないしは
ここでブレスを打つ
尸を撃つように 呼吸する
わたしの告白のための準備
さあゆっくり前を向いて
京浜東北線大船行に乗る
わたしは乗/ノれるから
トべるから たぶんわたしだけのリスクで Yesを言おう
お世話になった薬たちにさようなら。:。;…;
インヴェガ、ジプレキサ、ベンザリン、
アキネトン、ワイパックス、クエチア

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夜田わけいの豊衣足食 3

夜田わけいの豊衣足食 3

果たして本当にシュ永デ琳宮国民になれるのか? 人類の限界への挑戦

浦和のSF大会で、昆虫食のイベントをやった。
一応、コンセプトとしては、「蟲医のシュ永デ琳宮国民になりきって」ということで、タイトルは『みんなで昆虫食を食べよう〜シュ永デ琳宮国の住民になりきって〜』だった。
SF大会のWebページや案内リーフレットでは、すっかり「昆虫食」とまとめられていた。その方がわかりやすかったのだろう。

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シュ永デ琳宮国の昆虫憲法、『てふてふ草案』の全文をつくりました。

シュ永デ琳宮国の昆虫憲法、『てふてふ草案』の全文をつくりました。

明けましておめでとうございます。
新春早々とはいえ、昨年から準備していたのですが、ここに、私(夜田わけい)が考えた小説の蟲医の世界観を表現した昆虫憲法を作ってみました。昆虫憲法は、現行の日本国憲法をベースに、虫を含めた人間主体を中心とした未来的な世界観によって構成されています。
作中で憲法を作ってみると、今の憲法はここがダメだよなとか、ここはこうした方がいいんじゃないかとか、色んなアイデアを思い付

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蟲医はなんの影響でできたか

蟲医はなんの影響でできたか

蟲医、蟲医プロジェクト、蟲医シリーズについて、なんの影響によって生み出されたか、ということを考えるのは、あまり簡単なことではないと思う。
蟲医には、SFプロトタイピングの影響が大なり小なりある。というか、私は蟲医がSFプロトタイピングだと思っている。読者の皆さんにそういう認識があるかはさておいて、私自身としてはそういうものとして構想していた。結果的に出来上がったものは、SFプロトタイピングというに

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Kindleと共に生きて

Kindleと共に生きて

少し綴るのが早すぎるかもしれないのだけど、Kindleのサービスを利用してみて感じたこと、思ったことを色々書いてみようと思う。
私がKindleの自費出版サービス、Kindle Direct Publishingを利用し始めたのは、2016年頃からである。第一詩集が『song of river poetry』で、そこから立て続けに短期間で『ヒョウカ、ライガイ:RPGの詩学』、『Python311』

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影響について

影響について

誰かからの影響というのは難しいものだ。表明するだけでその人の性格を形作ってしまうし、あまり沢山挙げすぎてもその人がわかりにくくなってしまう。特定の存在を挙げて、その人の影響を受けました、と主張すると、その人がダメな人だったときとか、不始末を起こしたときにその人も一緒に流されてダメな人みたいな扱いになってしまう時があるじゃない。だから、影響という言葉は、あまりその人を知る材料にはならないことが多々あ

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