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雑感:通年採用

 どうも!おはよございますからこんばんわ!まで。

 先日インターネットでこんな記事を見つけました。

良品計画、大学1年生から応募できる「通年採用」を開始 内定後は無印良品でのバイトが条件

 新卒一括型採用・日本型雇用へのアンチテーゼとしてなにかと話題に挙がったり萎んだりを繰り返す通年採用ですが、今回はこれをキーワードにして書いてみたいと思います。

1.そもそも通年採用って?

 文字通り通年⇒1年間採用の門を開けてまっせというのが大方の通年採用の意味だが、その定義の仕方は導入各社によってばらばらだそうです。ビズリーチのアンケートによると、通年採用を導入・検討している企業は236社の採用担当者の内65%で、その内36%の企業は2020年卒以前から導入している企業は36%に挙がります(下図)。こうしてみると一種のトレンド的な感じで導入している企業ってあるんだなぁと感心してしまいます。

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 ご紹介したビズリーチのアンケートの中で、導入・導入を検討している理由という質問事項があり、一番多い回答は必要な人材を必要な時期に採用できるという事で、次いで早期に就職活動を始めた学生に出会える,ミスマッチのリスク軽減となっています(下図)。

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 こうしてみると、確かにバラ色チックに見える側面もあるかと思います。一方で、手放しに通年採用を良しという風潮にも疑問を感じてしまいます。その理由をこれから述べていきます。

2.早期の囲い込みによる束縛?

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 上記の画像は冒頭の記事で紹介をした無印良品を展開する良品計画が9月1日より実施をしたという通年採用の応募条件と待遇面です。提示入社コースは卒業年度の4月1日入社が出来て採用内定を受諾してからは在学中無印良品でアルバイトとして働ける人と書いています。これを見た時、私はふとあることを想ってしまいました。

仕組みの仕方次第では騙す形で内定者を囲い込みという名の束縛が出来てしまうんじゃね?と。

 NPO法人POSSE代表今野晴貴氏の著書『求人詐欺 内定後の落とし穴』の中で、直接的に就職活動をやめろと指示はしないものの、他社の選考に参加できなくするよう入社前のイベントや研修で拘束するオワハラ(就活終われハラスメント)の形態があると指摘しています。(参照:pp136~137)勿論、その会社が意中の会社なのであれば話は別ですが、自分自身が卒業後に働く企業をきちっと見つける事ができるか分からない不安感から早期に行動をし、内定を受諾した後は卒業年度の4/1までの間はアルバイトとして働くという縛りを見逃してしまって後からトラブルに発展してしまう可能性も考えられます。つまり、採用プロセスの仕組み次第では囲い込みという名の束縛が容易なのでは?という疑問です。

3.企業の難易度アップ?

 現状の新卒一括採用に紐づけられている日本型雇用の特徴として、自ずとジョブローテーションのプロセスを経てエントリーレベルのランクに相当する社員が足りなくなるという事です。エントリーレベルのランクであれば大抵ポテンシャルがあれば不足人員を埋めることは容易です。だからこそ、新卒一括採用が機能します。

 一方で、通年採用の特徴として新卒一括採用ではなかなかお目にかかることが難しい既卒や留学生といった人達も競争の俎上に上がるため、競争相手のポテンシャル次第では内定をもらえそうと思う会社でも内定をもらう事が出来ない可能性があります。これは裏を返せば一種のミスマッチに繋がる要因になると私は思います。

4.終わりに

 他にも論点もありますが、今回はここで筆を置きたいと思います。ただ、通年採用と一口に言ってもただ単に真似をすればいいというわけではなく、各々の会社とって現状の成果と採用に掛ける事ができる予算等々を加味して、どっちがメリットあるか?という事を考える事が大切であるのと同時に、しっかりと求人を読み解くスキルを身に着ける事が大切なんだと私は思います。

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