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【第45回読書会】エレンディラ

3月も終わりで年度末ですね。今月も読書会を行なったのですが、ちゃんと報告が書けていませんでした。すみません!

まず、第44回から報告をしたいと思います。

3月5日(土)JST19:00-
ガルシア・マルケス著『エレンディラ』より『失われた時の海』を読みました。

実はこの日、主宰者であるわたし、途中で抜けさせてもらいました。というのも、どうしても参加したい別な読書会があったからです。

最初の音読パートは参加していたのですが、後半のお話パートは参加できずでした。でも皆さんでお話が盛り上がったと後で連絡をいただき、とても嬉しかったです。

でも、できるだけ自分の読書会にはちゃんと最初から最後まで出ようと思いました。

この日、読んだのは『失われた時の海』です。短編集のなかでは二番目の作品です。音読をするとちょうど1時間ほどでした。

『エレンディラ』という短編集の全てを貫く、中南米の村に来るよそ者、海、蟹、そしてバラの匂いがありました。

ハーバード氏というアメリカのおじさんが来るのですが、この赤ら顔のおじさんはお金持ちでお金が余っているから、みんなの悩みを解決しに来たという。でも、そのままお金をくれるわけではなかった。

村の人たちに何かをさせて、それでお金をあげるのでした。見るからに嫌なやつです。でもどこか現実の世界にも既視感がありました。

ある時、昼寝から起きたハーバード氏がお腹をすかせていましたが、食べるものが何もありませんでした。村の人が砂の中に蟹が埋まっていますから掘り返して食べたらどうですか?というとハーバード氏はヨダレを垂らして砂を掘っていました。

この話の主人公であるトビーアスはそんなハーバード氏を見てこう思います。

腹を空かせた金持ちというのは貧しい人間にそっくりだ

その後、トビーアスはハーバード氏と一緒に、海に潜ります。すると、死人の村や、若い死んだ女性や、何千という眠りこけている海亀を見るのでした。私はこのシーンがすごく好きです。

人間は死んだら空に向かうと思いがちですが、海に沈むというのも文化によってはあるのかもしれません。水葬という習慣があるくらいですから。

トビーアスは死人の顔を見ながらこう思います。

彼らの顔には忘れ去られた人たち特有の表情が浮かんでいた。

そして、ハーバードがこんなことを言います。

「これは大昔に亡くなった人たちだ。これほど穏やかな姿になるには何世紀もかかるんだよ」

よくわからない設定。理解できるようでできないセリフがいつも通りオンパレードですが、なんだかどこかでガルシアマルケスの言いたいことがわかるような気がするのです。

でも、それがはっきりとわかりたいと思う短編でした。

では、また!



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日本語教師でライターが日常をみつめるエッセイです。思春期子育て、仕事、生き方などについて書きます。

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