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学級通信を読み返そう

とある町で小学校教諭をしています。わいぬです。
主にX(旧Twitter)で日々の学びや気づきについて発信をしています。

今回の記事はまほろばのマガジン「紡ぐ学級通信」にも投稿しています。
メンバー6名がそれぞれの角度で学級通信について書いているので合わせてお読みいただけると嬉しいです。

前回の板男さんのnoteお読みになりましたか。
通信を書くきっかけが書かれていました。
通信を書くきっかけは十人十色です。
私もいつか通信を書くきっかけについて書きたいです。


今回は「学級通信を読み返す」ことについて書きます。

過去のまほろばメンバーの記事「物申す」「3学期の学級経営」にも繋がるので合わせてお読みください。

学級通信を読み返す必要性

 授業の後や行事の後、学期の終わりなどで子どもたちにふりかえりを書く機会を設けている方が多いと思います。

 学級通信は言い換えれば担任が学級をふりかえる機会になります。

 授業での出来事。
 行事の練習風景。

 どのような記事を書いても必ず頭の中に学級の映像を浮かべるはずです。

 〜君がどういう表情だったのか。
 〜さんは前から成長した。
 私の声かけの仕方も変わってきたのかな。

 その時々を切り取りながら書かれてきた学級通信をそのままにしていては勿体無い。
 通信を読み返すことで次の2つが意識できます。

 学級の「今」を見つめる
 自分の指導を見直す

学級の「今」を見つめる

 学級の「今」を見つめます。

 このnoteを書いているのが1月末ですので子どもたちとの日々も残り40日を切ってきています。
 年間の登校日が200日ほどですから、約4分の3以上が過ぎました。
 子どもたちと日々を過ごす中で多くの発見や気づきを見つけられてきたのではないでしょうか。
 私は時折、通信を読み返して学級の「今」をふりかえることをしています。

 学級がどのように育っていったのか。
 学級の目指すところはどこなのか。
 あの授業で◯◯さんは特に成長した。

 学級や子どもたちの成長をふりかえることができます。

 反対に課題を見つけることもあります。
 育ってきているからこそ背中を押したい部分もあったりします。

 学級通信を書くにあたって個人的に1番大切にしている考え方があります。
それは、学級通信は道標であり、軌跡である。ということです。

道標として

・クラスの未来を定める
 第1号の通信には自己紹介や学級通信のタイトルの由来だけでなく教育観を書いています。
 「こんな子どもたちを育てていきたい。」
 「こんな学級にしていきたいです。」

 ここで1年間の目指すべきゴール(道標)を定めます。
 このゴールが教師の哲学として学級づくりの道標になるのです。

・子どもたちの成長を導く
 子どもたちを指導していく中で教室では様々なドラマが起こります。
 そのドラマをぶつ切りにしてしまうと勿体無い。
 子どもたちが最初に示した目指す学級像に向かっていっていることを伝えます。
 また、授業や行事でもそのような場面が見られることがあります。
 子どもたちの変容を通信で取り上げて子どもたちの成長を導いていくのです。

・教師のために
 子どもたちと日々を過ごしていくと教師にも迷いが生じることがあります。
 そんな時に過去の学級通信をみるようにしています。
 今年度はどんな気持ちで4月1日を迎えたのか。
 学級や子どもたち一人ひとりをどのように育てていきたいのか。
 教師自身の道標としても通信を活用していきます。
 もちろん子どもたちと共にやり方を工夫したり迷うこともありますが、目指すべきゴールをブレないようにします。

軌跡として

・過去の通信にもどる・変化に価値を
 通信を書いていく中で子どもたちに伝えたいことが重複する場合があります。その時には「通信○号に書いたように」と書くことができます。
 例えば、子どもたちが協力して取り組む姿を取り扱ったとします。
 目指す学級像のなかに協力があれば協力し始めた時期と協力した場面については差があるわけです。
 その子どもたちの変容の姿を価値づけます。
 「協力する」というのにも段階があります。
 子どもたちの成長の軌跡として通信を書いていきます。 

自分の指導を見直す。

 皆さんは初任の時にどんな通信を書いていましたか。
 私も見返してみると読めたものではありません。

 先日読んだ本「ハッとする言葉の紡ぎ方」という本に以下のように書かれていました。

すでに書かれたものたちは、自分の記憶でもあります。何かしら感じるものがあることに気づきます。それは、それをみた瞬間に、書いた文字が、自分へのタイムマシンになるということです。

ハッとする言葉の紡ぎ方ーコピー裏たーが教える31の理論ー

今のあなたの気持ちは、きっと10年後の自分には書けません。だいたいこんな感じだったなと考えられても、本当にリアルな気持ちは自分を生きるあなた自身にしか書けないのです。
 だからこそ僕は、自分が紡いできたものを探してみることをおすすめしたいと思います。もし実家から離れて住んでいてすぐに昔描いたものに触れられない場合は、スマホの自分に残ったメールやチャットのやり取りを見返すのもいいでしょう。もしくは、SNSをされている方は、自分が過去にアップした一番昔の投稿を見返してみることでもいい。きっと、うわぁ、こんなこと書いていたのか、と恥ずかしい気持ちになるでしょう。
 でもそれは裏を返せば、自分がそれだけ成長し、視野が広がり、視座が上がったということなのかもしれません。

ハッとする言葉の紡ぎ方ーコピー裏たーが教える31の理論ー

 初任者であった自分が子どもたちに対して愚直にも真っ直ぐ向き合っていた当時の気持ちが蘇ってきます。
 同時に足りていなかったところにも目を向けることができます。

 過去にさまざまな学級を担任させていただいてきました。
 子どもたちを導く者として自分の指導をふりかえり分析をするように心がけています。

 しんどい思いをした年もありました。
 通信を読みながらその時に子どもたちに何をどう伝えていったのか。
 なぜ伝わらなかったのか。どうすればよかったのか。
 今度同じようなことがある場合にはどうすればいいのか。
 様々なことを考えます。

 充実している年も同様です。
 なぜ子どもたちの心に響いたのか。
 子どもたちはなぜ成長していくことができたのか。
 その時気づかなかったこと。今後どうしたらいいのか。

 過去の通信を見返し、自分の過去の指導についてふりかえります。

学級通信を残しておいた方がいい

 私は過去に手書きで学級通信を発行していました。
 しかし、年数が経った時に処分してしまいました。
 今ではそれをとても後悔しています。
 過去の学級通信は絶対に残しておいた方がふりかえる先を多く持つことができるのです。

学級通信を本にまとめておこう

 年度末に学級通信を一冊の本当してまとめてみましょう。
 毎回印刷をするための原本をファイルに取っていくだけでもいいです。
 私はクリアファイルにまとめて置いて年度末にホッチキスで止めて本にすることを数年前から始めました。
 読み返す際にパラパラとめくりながら読み返すことが楽になりました。

最後に

 学級通信は学級の記録です。
 担任自身の内省を通して担任としても学級も成長するきっかけになります。
 まずは今年と1号の通信を読み返してみませんか。


学級通信についてマガジンにまとめています。

お読みいただきありがとうございます。感想やご意見、ご質問を受け付けております。
学級通信に関する質問なんでも構いません。
このマガジンが私にとっても皆さんにとっても学びのあるマガジンにしていきたいと思っています。よろしくお願いします。


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