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小さな店の小さなパトロン

ロスに行くと必ず立ち寄る店がある。小さな小さな子供服のセレクトで、オーナーともいつしか仲良くなった。彼女のお店への愛情が随所に溢れているそんな素敵な店である。娘の洋服を選びに行くというのと、同時に彼女と彼女のスタッフが元気に楽しそうにしているかの毎回定点チェックでもある。

ロスにいくと娘の服のコレクションが増えていく。大人の服よりも高い、すぐに着れなくなっちゃうのだから勿体無いと言われるのだが、この時期の子供の姿は一度きりだと思ってついつい手にとってしまう自分がいる。幸い、WAGYUMAFIAは出産ラッシュで、娘が切れなくなったらプレゼントしたら喜ぶだというという思いも手伝うのだが、それ以上にこのお店が大切な愛情をもって育てられているということが一番大きな購買動機=お店の小さな小さなパトロンで有りたいということだと思う。

僕がいつも思うのは、このお店の常連はいつかいなくなるということだ。子供が大きくなったら、この店で買うことはないだろう。時折プレゼントすることはあっても、きっとその常連はいなくなる。どういう想いで店主はその顧客に接しているのだろう。今回も前回買った服を着てそのお店に遊びにいく、ちょうど7周年パーティをしていて、チケットを渡してくる。

「あらあなたたちね、本当は今日買ってくれた人限定なんだけど、アイスクリームを食べていってね」

外あったジェラテリアのフードトラックは彼女たちが呼んだのだろう。小さな店内はこのお店の常連たちで溢れていた、7周年おめでとうと伝えると、とても嬉しそうに笑顔でありがとうと伝える。店内には本物のラマがぬいぐるみようにいて、子どもたちはお絵描きをしたりと楽しそうだ。この雰囲気どこかで見たことがあるな、と思っていたら、昨日のWAGYUMAFIAのパスタマフィアがまさにこの光景だった。僕らも本当に温かいゲストたちに支えられているのだった。感謝の気持ちと同時にあのときのジェラートの溶けかかったバニラ味が記憶に蘇ってくる。


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