レイズに対してはMDF厳守

はじめに

前回の記事でMDFについて書きましたが重要な点を見落としていたので続きを書きます。
前回の記事ではMDFは必ず守らなければならない指標ではないと書きましたが、対レイズの状況では一部例外を除きMDF以上でディフェンスする必要があります。

対ベットと対レイズの違い

レイズに対するMDFは以下の様に定義されます。
MDF = 1 - (レイズ/(レイズ+ベット + ポット))

また、レイズ側がブラフで追加の利益を得るための条件は以下の通りです。
フォールドレンジのフォールドEV < そのハンドのベットEV

当然ですがフォールドのEVは0なので、ベットEVが0以上であればブラフを増やすことが利益的になります。
このフォールドレンジのハンドを追加のブラフとして使用できるのが対ベットと対レイズの違いです。

ベットをする状況ではブラフを増やすためにチェックEVを放棄する必要があるため、相手のディフェンス頻度がMDFを下回っただけではブラフを増やす十分条件とはなりませんでした。
しかし、レイズをする状況ではフォールドレンジのハンドをブラフに使用することでEVを放棄することなくブラフを増やせます。なのでブロッカー効果によるベットEVの減少がないハンドがフォールドレンジにある場合、相手のディフェンス頻度がMDFを下回ればそれだけで追加の利益を得ることができます。

集合分析での検証

Piosolverの集合分析機能を使い
UTGvsBB2bet Flop33%CBに対して66%レイズ
SBvsBTN3bet Flop33%CBに対して33%レイズ
COvsBTN3bet Flop33%CBに対してallinレイズ
それぞれの状況でのディフェンス頻度を確認しましたが、ディフェンス頻度が MDF以下でディフェンスするケースは僅かで、詳細を確認したものだと元々のベットレンジが極端に狭く例外とみなせるケースしかありませんでした。

むしろMDF以上にディフェンスするケースが多く極端な例だと下の図の様なケースがあります。

画像1

この状況のMDFは60%ですがGTOでは92%でディフェンスしています。

これらのことから対レイズではMDFは適切なディフェンス頻度を推測する指標にはなりませんが絶対に守らなければいけないディフェンス頻度としては機能します。

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