見出し画像

戦略に活かすためだからこそ内部そして外部と様々な切り口で分析する SWOT分析

作れば売れる時代、良いものを作れば売れる時代、バブル時代と、何かと企業は拡大路線に走る傾向がありました。

しかし、現在は、容易に事業拡大が出来る時代ではなくなりましたが、それでも成長戦略は非常に重要となります。
それは、VUCA時代とも称されるように、 先行きが不安定で読みにくく見通しが立たない状況にあるからです。

それ故に事業戦略を推進する上では、内部環境や外部環境を把握するための環境分析が必要となります。
また、環境分析ですが、現状の分析だけではなく、将来的な分析も重要です。
将来と現状の環境分析から、そのギャップ(問題)を検証することで課題が見えてきます。

マーケティングの環境分析の手法の中で、活用度が高いとされているのがSWOT分析と呼ばれるフレームワークです。

SWOTとは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、 Threat(脅威)から来るものでスウォットと発音します。

そのメリットは、一つのフレームワークで、内部環境と外部環境」、機会と脅威をクロス分析することが可能であることです。
客観的に全体の状況を捉えることで、意識統一を図り易くなります。

また、現状と将来予測あるいは、あるべき姿のフレームワークを作成して比較することで、逆算思考で戦略を立案することが可能となります。
但し、SWOT分析だけで、全ての環境分析ができるとは決めつけてはなりません。
特に、STP分析との連携は強いと捉えています。
その他、PEST分析、3C分析、5つの力(5 Forces)分析などの情報と連携することもSWOT分析を行う上での重要となります。

SWOT分析の基本的な手順です。

1.目的を明確にする
企業の事業計画書のフォーマットの中には、定型的にSWOT分析が盛り込まれている場合があります。
しかし、立案すべき事業計画に具体的な目的や目標がないままSWOT分析しても、分析どころか方向性を見失いかねません。
具体的な目的や目標があるからこそ、SWOT分析で、現状とのギャップ(問題)と課題を可視化させ、今後の戦略を立案できます。

2.ターゲット市場の選定
目的や目標を達成するために、最も魅力的な市場を見つけ出すために、様々な切り口により市場を細分化(セグメンテーション)し、その市場の中から、最も魅力的なを選定(ターゲティング)します。

3.環境別に具体化する
目的や目標、それを達成するためのターゲットから外れないようにしながら内部環境として、強みと弱みを出し切ります。
また、その強みや弱みが外部環境の機会や脅威からどの様な影響を受けるのか、あるいは、どの様な影響を与えることができるのかを分析します。
ここから、応えるべきニーズの位置づけ(ポジショニング)を行います。
ここでは、ブレインストーミングなどの手法を用いてより多くの考えを導き出すことも重要となります。
しかし、ただ事象を出しあっただけでは、分析も、戦略の立案も中途半端になってしまいます。

4.クロスSWOT分析
SWOT分析が活動度が高いといわれる所以は、クロス分析が可能であり、それによって、より実践的な戦略を立案できるところにあると考えます。

自社にとって、最も魅力的な市場は、最大の機会である「機会×強み」となります。
対して外部環境は、自社に都合良くなるとは限らず、最大の脅威である「脅威×弱み」では事業撤退などの方針を打ち出さねばならない場合もあります。

それらを分析するのがクロスSWOT分析です。

①機会×強み:積極的攻撃戦略
最大の機会であり、自社の強みを活かして優位に進められる事業戦略。

②脅威×強み:差別化戦略
自社の強みで脅威に打ち勝つ戦略。他社には脅威でも自社の強みで脅威を機会に変える戦略。
切り口を変えた思考戦略。

③機会×弱み:段階的施策戦略
自社の弱みを改善して機会を取り込む戦略。

④脅威×弱み:専守防衛または撤退戦略
最大の脅威であり、最悪の事態を回避するための戦略。

機会は、待っているだけで、訪れるこもは皆無に近いと考えるべきです。
ならば、引き寄せるために何をするかです。
長期的に考えたら自社の強みである独自の価値を拡大し、弱みを如何に縮小させることになります。

しかし、マーケティングの観点から注目すべきは、切り口を変えることで、脅威を機会に変える戦略だと考えます。
例えば、2020年に発生した新型コロナウィルスの感染拡大は多くの企業の経営にとって脅威でした。
ところが、これを機会に、滞っていた生産性向上戦略を短期間で推進し、売上が低下しても黒字を維持した企業もあります。

また戦略立案においては、ターゲット市場に対して何を訴求するのか自社の提案するポジションを明確に伝えることも重要となります。
例えば、何でも出来ますとか、どんな人にも買って欲しいなどという曖昧なポジションは結局、曖昧なままターゲット市場で受け入れらなないことになりかねません。

SWOT分析に限りませんが、分析することが目的ではありません。
企業や事業の目的、目標を達成させるための戦略を立案する際の有益な情報となります。
それだけに、様々な切り口で可能性を分析することが重要です。
様々な分析を複合的に捉えてることで戦略の質を高めて行くことが可能となります。

この記事が参加している募集

マーケティングの仕事

仕事について話そう

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?