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外郎(ウイロウ)で和菓子の技法 必殺内ぼかし‼️


和菓子といえばSNSでも話題になる上生菓子(じょうなまがし)。

季節によって様々な意匠(いしょう)があります。
5月では花菖蒲や杜若、藤の花や花水木など季節の花々や燕などもあります。

今回は「花菖蒲」で和菓子の技法を説明致します。

目次
⚫︎ 上生菓子のウイロウとは。
⚫︎ 和菓子の技法「内ボカシ」とは。
⚫︎ 茶巾絞りの仕上げ
⚫︎ ウイロウの仕上げ

⚫︎ 上生菓子のウイロウとは。
お茶席に使われる生菓子。
桜餅や大福、柏餅などは「朝生菓子」というものに分類され、お茶席で使われるものを「上生菓子」と言います。

米粉(上用粉)をメインに餅粉、浮粉(小麦粉の澱粉)や葛粉を使い、蒸して着色、成形した物です。
簡単に配合を申し上げます。

上用粉     125g
グラニュウ   120g
トレハロース  110g
餅粉      25g
浮粉      25g
水       245g

粉、糖類を混ぜ込んで水を入れしっかり混ぜ
約30分蒸します。

トレハロースについては下記の林原商事のHPを
見てください。


⚫︎和菓子の技法「内ボカシ」とは。

生菓子の見どころの1つ「ぼかし」です。
グラデーションとも表現しますが、職人の腕の見せ所です。

読んで字の如く、内側からボカシしていきます。

真ん中をくぼませます。

見にくいのですが、薄らっと手袋の見える程度までくぼませます。決して穴はあけてません。

白外郎をくぼませた所に入れます。

紫生地25gに白生地3g程度です。
さらに白生地の所にくぼみを入れます。

白生地の真ん中にくぼみをつけ黄色生地を入れます。

1g〜2g程度の黄色生地をくぼみに入れます。

ウイロウは透明感のある生地なので、白餡や黄味餡など色が薄い餡を使います。
小豆などの餡を使うと小豆の色が表のウイロウの色に干渉してしまいます。

今回は黄味餡を使います。
写真で見えるのが内側で餡を包む方です。

餡を包むとこの様に内側から白生地、黄色生地が見えます。

包んでみないとどれぐらい表にボカシが出てるのかわからない為、一発でボカシが綺麗にでるのはそれなりの技量が必要です。

馬鈴薯澱粉(片栗粉)をハケで付ける。

⚫︎茶巾絞りの仕上げ

茶巾絞りとは、絹などを使い色んな形を作ります。

このように布の上に置き絞っていきます。
今回はレーヨンの生地を使ってます。
黄色の位置を確認して布を絞り親指でギュッと押します。
布を解くとこの様な形になります😄

⚫︎外郎の仕上げ

馬鈴薯澱粉がついた状態の外郎もいいのですが、
練り切り餡で作った花菖蒲の葉が粉に邪魔され付かないので2分程蒸します。

蒸しあげると馬鈴薯澱粉にコーティングされたようにツヤツヤになります。

緑色の練り切り餡を薄く延ばし、ペティナイフで三角に切り付ける。

これで完成です!

花菖蒲の葉はピンと伸びたようにします。

今回は外郎での内ボカシを載せましたが、練り切り餡での内ボカシはまた違ったようになりますので、別の機会に載せます。


いかがでしたか?
和菓子の技法を知って頂くことによって少しでも上生菓子の見方が変わって頂ければ幸いです。

最後までお読み頂きありがとうございました❗️

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