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Nontitled(即興演奏)

もう50年も前のことだ。
田舎の祖父のだだっ広い家の、奥座敷の床の間に掛け軸が掛かっていて、全く読めない文字が書かれていた。漢字だということは一応わかった。
夏休みなど、蝉時雨の中、それを飽きるまでよく眺めていた。
何を考えながらそうしていたのか、今となってはよくわからない。しかし、何か心惹かれるものが
そこにあったのは確かだ。
即興演奏をしている最中は、何も考えていない。
だが、録画を見返してみて、何故だか子供の頃の、その記憶が蘇った。

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