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山田さんへ

 2010年スマイレージでデビューするときにチーフマネージャー?として私たちの面倒を見てくれてから、もう14年も経つそうです。

 当時の私は15歳で、山田さんは30代でしたっけ?右も左もわからないアイドルなりたての私たちをほぼ毎日叱って、反省会をしてくれていました。

 山田さんが怒っていたとき、私は終わったら何食べようかと考えていました。暇だったので時計の針もずっと見ていました。申し訳ないのですが、当時の私のマインドはそんなものでした。けれど、自分は何もできないんだなってことも幼いながらに思ったりしていました。

 こうやって話すと鬼軍曹と言われていた山田さんの姿を思い出しますが、忙しさでクリスマスに家に帰れない私たちのために、プレゼントを用意してくれたり、当時女子の間で流行っていたバネ入りのウサミミカチューシャを衣装でつけていいといってくれたり、多忙でも15歳の私を忘れずにいてくれたことは今でも覚えています。

 1年半から2年弱くらいで?(記憶曖昧)山田さんはスマイレージの担当から外れました。そのあと、いろんなマネージャーさんにお世話になったけど、アイドルとしての私ではなく、年相応の私として、ときには同じ仕事をする社会人として接してくれる人はそう多くないことに気づきました。

 当時所属していたグループでは、初めての新メンバー加入という変化もあり、山田さんが担当を離れたあと、あっという間にスケジュールは空白だらけに、ライブやイベントの集客も難しくなりました。自分たちでも言っている「どん底」の時代です。
 仕事がなく不安だったので、当時のマネージャーさんにもっと仕事を入れてほしいと言ったこともあります。けれど、仕事を入れてほしいと言ってはいるものではありませんでした。

どれだけ山田さんが私たちのためにさまざまなところへ働きかけてくれていたかを知りました。

 しかし幸運なことに、このどん底の時代は私にとって宝物のような出来事になっていきました。ある程度放置されていたので、賑やかで楽しいメンバーたちと自分時間を過ごすようになりました。自分たちでなんでもやってみること、自由に楽しく遊びながらライブ・アイドル活動する術を身に着けるようになっていました。狭いライブハウスの楽屋でバトミントンをしていたメンバーの姿を思い出します。

 自分たちでグループのアイデンティティを獲得した私たちは、いつの間にか自信を感じるようになっていたことも覚えています。

 山田さんのような人があれこれ動いてくれて、決めてくれてできることもあるけど、こうやって自分たちで獲得できる時間とか心もあるのだと気付かされました。

 そして忘れてはいけない、自分時間を楽しむようになっていたこの期間に、アンジュルムになる土台ができていたのだと思います。

 これくらいの時期に、成人式に行けない悔しさをブログに書いたところ、炎上しました。(ネットを見ていなかったので、炎上しているとは知らなかった。周りの人から炎上していると言われたので、炎上していたのでしょう。)
もうすでに担当を外れているのに、イベントに見に来てくれて?(たしか)、あのときの山田さんの立場で言える最大限のお叱りと、最大限の慰めをもらいました。それからいつものように、成人祝いのプレゼントとしてお箸をくれたのを覚えています。螺鈿細工の綺麗なお箸です。洗っていると螺鈿が剥がれてくるので、たまにしか使っていないけど今でも大切にとってあります。

 その後、新メンバー加入とグループ名を変更し、また激動の時間を過ごしました。けれど、今までと違ったのは、アンジュルムになった途端、周りの人から褒められるようになったことです。長い時間放置されてきた感覚だった私にとっては、想像もしていなかったし、なぜ褒められるのかもよくわかりませんでした。
 けれど、右肩あがりにどんどんグループへの注目度が上がっていくのを肌で感じました。そしてこのときほど山田さんに戻ってきてほしいと思ったことはなかったです。
 最高に近い状態を更新し続けている私たちをまたマネージメントして欲しかったし、売り出して欲しいとずっっっっっっっと思っていました。もちろん叶わなかったけど、ずっとそう思っていました。

 長くなりましたが、このような出来事と活動を通して、考え抜いて持ち続けていた私の信条を含めてマネージメントできるのは、山田さんしかいないといつからか思っていました。なので、YU-Mエンターテインメントに入りたいと言いました。

 そうして今日までやってきたわけですが、大人になった私との関係をまた一から作ってくれたことにとても感謝しています。
 考えすぎて慎重になる私の背中をいろんな場面で押してくれたからこそ、グループ卒業後も幅広く活動できました。
 それから、私の発言や考えを聞いて、会社内の環境を変える努力をし始めたり、アイドル業界の問題を一緒に考えてくれたりもしました。

 経営者の立場では、社会的な正しさや善良な選択をいつでもできるわけではなかったと思います。そんな中、味方でいてくれる姿勢にとても支えられていました。

 短い時間だったけど、また山田さんとお仕事できて楽しかったです。
 今後は、同業者として、友達としてときどき話ましょう。!いつかビジネスパートナーとしてまた何か企める日を楽しみにしています。

5年間、大変お世話になりました。そして、本当にありがとうございました。



 あ、山田さんのラインの文面が、年に2回程意地悪に感じるときあるので気をつけてください。私なら既読無視しちゃうけど、他のタレント、アイドルのみなさんが既読無視できるとは限らないので、ストレスや負担を感じて余裕がないときは、リフレッシュを忘れないでくださいね!



 じゃ、またねっ!♪( ´θ`)ノ


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