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お彼岸と無縁さん(お彼岸:3月17日〜3月23日)

「お墓にいぐど(お墓に行くよ)」

小さい頃からお彼岸やお盆、命日などの朝に父親から言われていました。

今年のお彼岸は3月17日〜3月23日で、3月20日が中日です。


そもそもお彼岸ってなんだ?

今更ながら、お彼岸について知りたいと思いました。


お彼岸とは

簡単に説明すると

「煩悩と迷いの世界 此岸(しがん)」から、「六波羅蜜」の修行をすることで「悟りの世界 彼岸(ひがん)」に行ける

と言うものです。

日が登る真東から日が沈む真西に日が沈み、昼と夜の時間同じになる「春分の日」と「秋分の日」を挟み前後3日の7日間を「彼岸」と呼び、この期間に仏様の供養をすることで極楽浄土へ行くことができるとされています。

お彼岸は何をするの?

まずは、お彼岸をお迎えするために準備をします。具体的にすることは

・お仏壇の掃除、お供物(日頃からのお花のお供え)
・お墓の掃除、お供物、お花のお供え など

そしてお彼岸の期間中に、お仏壇やお墓参りなどで供養をします。

無縁さん(無縁仏)

わたし自身、今まで遠方に住んでいたこともあり、お盆くらいしかお墓参りに行けていませんでした。

今年は久しぶり(15年ぶりくらい?)にお彼岸の準備のためお墓参りに行ってきました。

そこで衝撃的な立て札を発見!

「◯月◯日までに申し出がない場合は、無縁さんとして供養をさせていただきます」

あるお墓の前に立てられた立て札。そのお墓はもう何年もお墓参りにこられた形跡もなく、墓石にも苔が生え放置されているようでした。

お寺の住職が管理をされていたのか、雑草などはあまり目立たなかったものの、あまりにも可哀想な状況です。

どの家でもお墓はあり、ご先祖さまを供養し、後に自らもそこに入ると当たり前のように思っていました。

しかし、その後お墓を管理する人がいなければ、そのご先祖さまも含め「無縁さん」になってしまうと言うことです。

無縁さん(無縁仏)とは、供養してくれる者がいない仏様のこと。

後継者とは言わないまでも、お墓を守ってくれる人の存在というのは非常に大事なのだと改めて思いました。

生きている人のためのもの

お墓やお仏壇というものは、仏様を供養するためのものとして、お亡くなりになった方のためにあるという認識が一般的です。

しかし、わたしの考え方としては、お墓やお仏壇は「生きている人(ご遺族)」のためにあるものと思っています。

わたし自身、中学生の頃に父方の祖母を亡くし、数年前に母方の祖母を亡くしました。

祖母とのお別れは非常に悲しく、受け入れ難いものです。しかしながら、お仏壇に手を合わせたりお墓参りをすることで、次第に死を受け入れ「成仏してください」と願えるようになります。

また、何かいいことがあったり、悲しいことがあったり、なかなか人に話せない悩みがある時、お墓に眠る祖母に話しかけると、なんだか祖母がお話を聞いてくれている気持ちになり

「おばあちゃんだったら、こんな言葉をかけてくれるかな?」

なんて想像してみたりして、ちょっと気が楽になったりもします。

母方の祖母のお墓に行く時は「ばっぱ(おばあちゃん)のところに行こう!」と言うほど。

お墓参りに行くというよりは、祖母に会いに行く気持ちで行っています。

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お墓を大切に

恥ずかしながら、32歳の今までは「お彼岸」の意味もわからず「お墓参り」の大切さも分かりませんでした。

しかし、ご先祖さまの供養含め、お墓を守ることは生きている私たちにとってもとても大切なことです。

ご先祖様を「無縁さん」にしないように。

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