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雪組公演「ALL BY MYSELF」を見に行きました

宝塚歌劇団雪組公演「ALL BY MY SELF」をみてきました。
最初に言います。最高でした。少なくとも今まで見てきた野口作品で一番好きです。彩風咲奈さんと雪組さんへの感謝に溢れて止まらない作品でした。何度でも何度でも見たいです。円盤が欲しいです。本当に素晴らしいコンサートでした。
彩風咲奈さんの舞台の歴史は雪組の歴史である。
ああ。本当にこのスターは卒業してしまうのだ。その寂しさをたたえながらも、本当に愛おしさに溢れた作品でした。
どうしても雪組さんが好きです。そのことを再確認しました。
一つ一つの場面を噛み締めようと思っていたらnoteを書くのに時間がかかってしまいました。

人生こそ物語である

すべての人の人生は、それぞれに素晴らしい物語である。今回の「ALL BY MYSELF」はまさしくそんなコンサートでした。
彩風さんの舞台人生を振り返り追体験する。それだけでもう一つの物語なのだと思います。
私は2013年に初めて宝塚歌劇を生で見て、同じ年に雪組が大好きになりました。2013年は彩風さんの研究科7年目の年。はじめて生で見た雪組公演は「ベルサイユのばら」でした。そうです。彩風さんが最後に新人公演の主演を務めた作品です。
彩風咲奈さんのいない雪組を知りません。でも、彼女が雪組を去る瞬間は刻一刻と迫っている。
だからこそ彼女の舞台人生に、雪組人生に感謝をという温かいコンサートでした。その人の舞台人生を振り返るということは、その人へ感謝を伝えることである。本当にわかりやすい誠実なメッセージの伝わる公演でした。

思い出を振り返ること

彩風さんご自身が舞台裏もののコンサートをしたいと要望されてできたこのコンサート。初舞台から新人公演、主演公演、そしてトップスターへと歩みを進めていった彩風さんの思い出そのものがエンターテイメント足りうる。
これですよ。これが見たかったんですという場面だらけでした。
優等生として初舞台を踏んだ彼女だって若いころは悩み落ち込んだ。その中でも初日と千秋楽を繰り返して繰り返して、人生を歩んできた。

新しく思い出を作ること

またこの作品ではかつて彩風さんが演じた役を若手のジェンヌさんが演じる場面があるんですよ。これ本当に良かったと思う。彩風さんが歌う歌に合わせて彩風さんが嘗て着た衣装を着て踊る若手の男役さんたち。これだけでもう一つの歴史のマイルストーンであり、新しい歴史そのものであると思います。

あなたのやり方で超えていく

このコンサートは「入社5年目の若手記者、カイルが大スターブルームの本を出すために一緒に彼の舞台を追体験していく」という入れ子構造として開催されます。
彩風さんにあこがれて宝塚の門をたたいた華世さんがカイルを演じています。もうそれだけで一つの「憧れの世代間継承」の理想だと思いますし、何より最後に「君のやり方で俺を超えていけ」と彩風さんが華世さんに声をかける。美しい。

反省すべきところは無限にあります。変わらなければならないことは挙げていけばきりがありません。失った信頼を取り戻すには途方もない努力が何十年も必要でしょう。
ただどうか、どうか、変わってほしい。この「憧れを超えていく」彼女たちの物語に夢を見られる組織であってほしいと、私は宝塚歌劇団に改めて強く思いました。

彩風さん、みんなの夢になって下さり、本当にありがとうございました。5月6日にも配信があるので、雪組を見たことがある方も、宝塚を初めて見る方も是非。

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