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映画日記#16 『東京公園』

今日はDVDで日本映画『東京公園』を鑑賞した。
今年3月に急逝した青山真治監督の2011年の作品で、ロカルノ国際映画祭では金豹賞審査員賞を受賞した作品だ。主演は三浦春馬。

公園で家族写真を撮り続ける大学生の光司(三浦春馬)のもとへ、とある男性(高橋洋))から「彼女(井川遥)を尾行して写真を撮ってほしい」という依頼が舞い込んだことで、ゆるやかな距離でつながっていた女性たち(榮倉奈々、小西真奈美)とのあいまいな関係が微妙に変化していく…。
映画.comより引用

青山真治監督の映画愛が詰まった佳作だった。
ゴダールのジャンプカット、明らかに小津を意識した構図とカット割りなど、どれも模倣品ではなく、自分のものとして物語を紡いでいた。
ゾンビ、SF、コメディなど様々なジャンルの要素も含んでいて、意外性のある展開も多いが、近くにいる人を見つめて、愛することの大切さを伝えてくれる、素晴らしい物語だった。
公園のゆったりとした空気感を、映像の中に見事に取り込んでいて、ほのぼのとした気持ちにさせられた。
また、三浦春馬はじめ、俳優陣の人柄の魅力が伝わってくる映画で、笑いながらも思わず涙が滲み出てくるほど、人の優しい映画だった。
青山真治監督は、愛のある、優しい映画作家だったのだ。
今年は青山監督の代表作『EUREKA/ユリイカ』や、『Helpless』、遺作『空に住む』も鑑賞した。どれも非常に素晴らしく、心の中にどっしりと残り続ける名作ばかりだった。
改めて、映画の歴史を開拓した、偉大な人を亡くしてしまったのだと、今になって気付かされた。
素晴らしい作品をありがとうございました。

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