リレー小説 note15 『Relation』#9

 この物語は、空音さん主催のリレー小説企画への参加作品です。
 長くなったので、分割してあります。

note14 ← 目次 → note16

#8← #9

 件の事件の後。第一線を退いた父親の後を追いかける事にして1年目。
 タケシは独力で人工知性を生み出すことに成功した。
 ただし、表向きは、あくまで人工知能として公表された。
 あまり話題性のないニュースとして、それは直ぐに風化していった。


「と言うことにはしてるけどさ、父さんにも内緒なのか?」
「そうね。もう少し内緒にしていても良いんじゃない?基本、嘘のつけない人だし」
「それについては、全くの同意見だけどさ」

 笑いながら話す二人の様子は、以前と全く変わらないものだ。
「しかし・・・必死に駆けつけてみれば、『またね』だからな」

 苦笑しながら、作業するタケシの前、2面目のモニターの片隅で動作するウィンドウ。

「しょうがないじゃない。一番差し障り無く、全部をまとめるには、ああでもしないといけなかったんだから」

 そう言って、膨れっ面をする冬顔の姿があった。

 一体どうやって?

 そう、『冬顔は全てに繋がる』のだ。
 過去にも、未来にも。
 どこへでも。

 だから――――冬顔は、まだここに居るのだ。
 タケシと、一緒に。
 いつまでも。
 そう、いつまでも。

 ― fin ―

note14 ← 目次 → note16

#8← #9

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?