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デジタル写真のエディション

Nadarさんに出展させていただきます

2023/12/16からギャラリーナダール東京さんの新ギャラリーの柿落とし(場所が世田谷に移るそうです)展示、CHRISTMAS PHOTO MARKETに参加させていただくことになりました。
 会期:2023/12/16-24 11:00-18:00(最終日 16:00)
 場所:ギャラリー Nadar東京 世田谷上町(以前の場所と違います)

この展示、出展は一人1点のみ、マーケットと銘打っているだけに、8,800円以上の価格を設定して販売できるそうです。額装などは自由ですが、その形(額装展示なら額ごと)で売り、エディションも自由だそうです。
自分は、そんなたいそうな写真を出すわけではないですが、一応エディションを付けようと考えています(何でも経験が必要!)。写真は今まで何度かくらいですが買っていただいた事があるので、エディション付けはやってみたい事ではありました。

エディションとは

 エディションとは、写真の売る枚数(世に出す枚数)を制限して希少性を高める手法とのことです。自分もPHAT PHOTOさんなどで勉強させていただいています。
まぁアマチュアの普通に撮ってる写真にどれだけの価値があるかないかなんて話とはお構いなしに、今回エディションを考えました。
フィルムの場合、エディションを付けた場合、その設定した枚数が売れたらネガを切ったりしてもうそれ以上プリントできないようにしたような話を聞いたことがあります。しかしデジタルの場合データなので削除することになるのでしょうか。そのあたりも単に削除すればいいのかきちんと管理をしなければならないように思います。また復活できたりもするので0を上書きするとか(そこまではやりすぎか)、管理がいい加減だと自分がエディション付けてたのを忘れそうです。

エディションの管理

エディションを管理する場合、いくつかの課題があると思います。特にアマチュアの写真なんてほとんど売れる事はないので、でも1枚でも売れるとずっとエディション管理を続けていく必要があります。以下にそのあたりを整理すると
ポジティブな点は
・良い点:希少価値が付く(一般的には)
・エディションというと格調高そう(?)
ネガティブな点は
・それほど枚数が売れると思われないため(アマなので)、長期間番号を管理する必要がある
・全部一気にプリントすると劣化や保管場所に困る一方、プリントの設定やロットごとにばらつきが出る可能性がある(自家プリントなのでプリンター保管用のP.Pというエディションとしては置いておきますが) 
 *プロだと制作年度が古い程ビンテージの価値が付くそうですが自分はまぁ関係ないでしょう。
・サインしてもそれは自分のサインだったか忘れる(接写で撮影したものをプリントされ、サインをまねられる場合もあるかと←そこまでは・・)
・最終的にデータを削除するとしても、それまでのデータの保管場所が不安定だと提供できなくなる(ランサムウエアに暗号化されたり故障でHDDが壊れるなど)

自分なりに考えたデジタル写真の管理方法

 という事で自分なりに考えたエディション管理は以下のようにしたいと思います。あくまでアマチュアの自分のような場合現状を考えてこうする、という程度のものだと思います。
(*注:本来は一気にエディション数のプリントをして、保管すべきなのだとは思いますが、実情もあるので。)

1.エディション数は少なめに
 それほど売れないのと温湿度管理が大変なので、エディション数を最大10として売れたら都度プリントとする。10枚打ったらデータは削除する。
2.署名の管理
 サインしたデータを撮影して保存する。これで自分が描いたサインとわかるので。サインにはエディション番号と作成年月も書いておきます。
3.画像データとサインの保管は厳重に
 自宅のサーバにいれておくだけではPCの故障やランサムウエアでなくなる可能性もあるため、クラウドにも保存する。これはとりあえずAdobe Creative Cloudのライブラリにしておくとどこからでも共有できるので良いかなと思っています。これをローカルと同期しておけば安心です。ただ、完璧にするには、ランサムウェア対応のクラウドも考えてます。(不用意に削除しても復活できるし)


4.データの命名規則ははっきりさせる
 撮影データはオリジナルのファイル名の後に、サイズとエディション数とNo.を付けておく。署名はさらに、プリント用紙とプリントソフトの補正設定(明るさ、コントラスト、色バランス等)を記録しておく。自分は出力にCanonのPrint Studio Proを使っていますが、このソフトの補正値を記載しています。これはプリント紙のiccプロファイルを利用すれば基本的には変更しなくて問題ないはずなのですが、あくまで原理的には、という感じがしています。これは一度に全枚数プリントすれば必要ないのですが。
5.ネットにアップするデータサイズ制限
 SNSになどネットにアップする販売する画像のピクセル数は長辺最大1,500ピクセルとする。
これはXの仕様でもありますが、プリント時2Lだとちょっと劣化する程度の写真になるようです。逆にこれ以上の解像度のデータをネットにアップしてあれば、簡単にコピーされてしまいエディションの希少性がなくなるからです。もちろん、モデルさんに渡すデータもこのサイズに制限しておくのが良いでしょう。
6.モデルの許可
 ポートレート写真の販売となると撮影とは別にモデルさんの許可が必要です。中には特定のカメラマンと専属契約があったりして、販売NGという方もいます。写真集の販売でも必ず確認しています。
7.類似写真のチェック
 撮影時に似た様な構図の写真を何枚か撮るのですが(自分は少ない方だと思いますが)、そういった写真も仮に購入した人がいるとすれば、類似した構図の写真が出回ると嫌でしょうね。なので、ファイル名とファイルのプロパティは変えずに残しておく必要があると思います。
8.AI、非AIを明確にする
 最近ではまるで写真のようなAI画像が簡単に作れるようですが、一方で写真を生成と疑ったり、AI画像に嫌悪感を持つ人もいるようです(不気味の谷?)。これは非AIなのか生成AIを含むものなのかは今から明確にしておくのが良いと考えています。ちなみに今でもPhotoshopで生成拡張などを行うと、Photoshop上で写真の縁に赤線が見える事がありますが、あれはAI処理した透かしのようなものなのでしょうか。
将来的にはカメラ内デジタル証明(オレオレ証明)データの管理も視野に入れるのが良いかもですね。
AIが普及し始めると、リアルが重視されるようになると考えていて、リアルなものの価値については今からしっかりと考えておくべきだと思います。

とりあえずこのくらい管理しておけばエディション付けてます、と言っても大丈夫かなと考えてます。結構面倒ですが、それくらいやらないとエディションの意味は薄くなると思います。
もし経験者でご意見があれば是非コメントで聞かせてください。

東京都在住のアマチュアカメラマンです