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クリエイター側から見た依頼相手の選び方

はじめまして、W3LLと申します。
普段はネットでイラストの制作を承っております。

俗に言うクリエイター、という者です。

最近、Twitterで「クリエイターから被害に遭った」
という注意喚起の投稿がよくタイムライン上に流れてくるようになりました。

私自身、詐欺に遭った方の救済として、無償でイラストをお受けしたりもしますが、やはり第一はそもそも被害に遭わないことだと思います。

なので、今回はクリエイター側からみた「依頼相手(クリエイター)の選び方」について、お話ししていけたらと思います。

「イラストの依頼をしたいけど、誰に頼んだらいいかわからない…」
「依頼をしたいけど詐欺に遭わないか不安…」
という方々に少しでも参考になればと思います。

(とはいえ、私の書いたことが全てではありませんので、あくまで参考までに。)



依頼相手を選ぶ理由

【なぜ依頼相手を選ぶために色々するの?】

そもそも、なぜ依頼相手を選ぶために色々するのか?
好きなクリエイターさんにお願いするのじゃダメなのか?

など、色々と疑問を持つ方もいらっしゃると思います。

好きなクリエイターさんがいるなら、それはそれでいいと思いますし、その方にお願いするということでほとんどの場合は大丈夫だと思います。

そのクリエイターさんが好きということは、多分その人の普段のツイートなども見ていらっしゃると思うので、そこも含めて好きという方も多いと思いますから。

しかし、問題は「好きなクリエイターさん、お願いしたいと思っているクリエイターさんがまだ見つかっていない」と言う場合です。

依頼しようと決めた段階で、まだ依頼を頼む相手が見つかっていない、これから決めようという場合は、多くのクリエイターさんを目にすると思います。

その中で、もし何も考えずに選んでしまったらどうなるか?

それは依頼がうまく行くか、または何かしらのトラブルに遭うかの2択です。

もちろん大抵の場合はうまくいきます。
9割はしっかりと依頼を受けて最後まで遂行してくださるクリエイターさんだと思います。

ですが、クリエイターも星の数ほどいます。
星の数ほどいれば中には1割でも悪いことを考えている人もいます。
何も知らない状態での依頼だと、その1割を引いてしまう可能性があるのです。
(私の語彙力不足で言い方が悪いかもしれません…)

その1割を回避するためにも、信頼できるクリエイターさんの選び方を学んでおく必要があるのです。

【実績やフォロワー数が多いクリエイターさんは信頼できるか?】


では、実績やフォロワー数が多いクリエイターさんは信頼できるんじゃないな?と考える方も多いと思います。

もちろん、それも一つの指標ではあります。
しかし、クリエイター側からすると、必ずしも信用できるわけではありません。

その簡単な理由としては、「いくら実績があっても、トラブルを起こす人は起こす」からです。

これを言ってしまえばこの後の項目全て無駄になってしまうかもしれないんですが、これはとても大きいと思います。

この後の項目でお話ししますが、いくら実績があろうとも、報連相が出来ない、納期遅れが日常的にあるなど、過去に依頼者様とのトラブルを起こしている可能性があります。そのため、「過去にトラブルを起こしていないか」をチェックすることをお勧めします。

また、私の主観にはなりますが、フォロワー数が一概に信頼度に繋がるとも言えないと思っております。以下に理由を述べさせていただきます。
クリエイターのフォロワー数が増える要因は

  • その人の作る作品が好き

  • その人の人柄が好き

  • 人気だからとりあえずフォロー

  • 繋がりたいタグなどの反応

など色々な要素が考えられます。
特に、1番目の要因で増える場合は、人柄などではなく、その人の作品の上手さや好みで判断しているため、依頼などの対応力を基準としていません。
そのため、仮に9割の人が1番目の要因でフォローしていたと考えた場合、クオリティの高さの判断基準にはなり得ますが、依頼に対してしっかりと対応する人かどうかの判断基準としては弱くなります。

加えて、フォロワー数が少なくてもしっかりと依頼を受けて誠実な対応をする方も多いですし、何万人とフォロワーがいる方でも依頼者様に粗雑な対応をして注意喚起などを出されてしまった方もいます。

無論、上記は極論であり、基本的にはフォロワー数の内訳もわかりませんから、一つの指標としては使っても良いと思います。ですが、その数字で全てを判断することだけは避けてほしいと思います。



依頼する前にここに注意!依頼相手の選び方

【他サイトで依頼を受けているか】

相手が信用できるかどうかの判断基準として、一つ挙げられるのが「他サイトでも依頼を受けているか」です。

なぜかというと、他サイトは基本的に納品までの期日が設定されており、しっかりと納品されなければお金が返金されるシステムだからです。

ここで言う他サイトはSKIMAやココナラ、つなぐ、スキルクエスト、skebなどの仲介サービスのことです。
これらのサービスは納品されなければお金が貰えないシステムなので、これらのサービスも利用しているクリエイターさんは信用度が高めだと思います。

そもそもお金だけ受け取ってから垢消しして飛ぶことを元から考えているような人は、他サイトでは絶対に依頼は受けません。だってお金もらうには納品しなきゃいけませんから。

しかし、利用しているからといって必ずしも信用できるわけではありません。

そのクリエイターさんが、もし他サイトを利用して何件か実績があるなら、クリエイターさんのレビューや評価を見てみてください。
大体の場合はそのレビューに書いてあることが全てです。
例えば「迅速な対応をしていただけました」ということが書いてあるなら、そのクリエイターさんは対応が迅速でしっかりと作業を進める方ですし、逆に「何も言われずに納期が過ぎてしまいました」と書いてあればどんな理由であれ、納期が遅れることを伝えていないので、報連相があまりしっかり出来ていないクリエイターさんということになります。

実際に依頼をした方の声というのは判断材料としてとても重要ですので、ぜひ確認してみてください。

また、Twitterのみでお受けしている方でもアズカリというサービスを利用している方も信用度が高いです。

アズカリは他サイトと同様に納品しないとお金がもらえないように個人間で設定できるアプリなので、アズカリを利用しているクリエイターさんとは安心して取引出来るかと思います。

【過去に問題を起こしていないか】

過去に何か問題を起こしていないかも重要な判断基準です。

例えば、過去に「支払いをしたにもかかわらず、ラフ提出すらされずに何ヶ月も経ってしまった」などという被害に遭った依頼者様がいらっしゃったら、その依頼者様が依頼したクリエイターさんにもし自分が依頼した場合、同じような被害に遭う可能性がありますよね。

今まで何もトラブルを起こしていないクリエイターさんに比べると、トラブルに遭う確率が高く、クライアント側の不安要素が大きくなります。

そのため、気になるクリエイターさんがいたら、一度そのクリエイターさんについて調べてみると良いと思います。

調べ方としてはその方の名前やTwitter IDで調べてみたり、もしくは「#拡散希望」「#イラスト詐欺」などのハッシュタグに名前がないか調べてみることも良いと思います。

「過去にトラブルを起こしているみたいだけど、どうしてもこの方に依頼したい!」という方は、その人が何回トラブルを起こしてしまったのかを数えてみてください。
何回もトラブルを起こしている方は常習犯なので本当にお勧めできませんし、もし一度だけならそのトラブルを反省して起こさないように努めている方かもしれません。

とはいえ、金銭が関わることなので、やはり一度もトラブルを起こしたことがない方とのお取引をお勧めします。

【ラフ提出後の支払いが可能か】

イラストの詐欺に多い理由が、「お金だけ先払いで取られてしまい、その後ブロックされた」というものです。

完全先払い制のみにしているクリエイターさんには少し注意してみてください。

その方が「不安ならラフ提出後の支払い、またはラフ提出後に半額払って納品後にもう半額払いでも可能ですよ」というような方であれば心配する必要はあまりないと思います。

ですが、「完全先払い制のみ、他サイトやアズカリ経由不可」というような方は、お金だけもらってアカウント削除で飛ぶ可能性が高いです。

クリエイターさんに一度相談をしてみて、支払い方法等をしっかりと聞いてみてくださいね。

【料金表と提示された値段が乖離していないか】

これはごく一部の方ですが、お金が欲しいあまり、元々そのクリエイターさんが公開している料金表よりも高い値段で提案してくるクリエイターさんがいらっしゃいます。

もちろん作業量によって値段は変化するものですし、オプションなどによっても値段が上乗せされていきますので、その範囲内であれば特に問題はないです。

クリエイターさんの公開している料金表が
・アイコン:5000円〜
・一枚絵:6000円〜
などのように、上限が設定されていない場合は作業量によって変動するのであまり問題ないですが、値段が違う場合は内訳をしっかりと聞いてみてください。
内訳がはっきりして納得がいくようであれば、ご自身の予算と提示された金額を照らし合わせた上で検討してみてくださいね。

しかし、例えばクリエイターさんが「このイラストは5000円」と固定金額を提示しているにも関わらず、同じ内容で依頼したところ「この内容では20000円です」
などとあまりにもかけ離れた提案をしてきた場合には注意が必要です。

例外として、SKIMAなどの公開募集に提案するときは、相手が提示した予算での金額を提示しなければならないため、高くなってしまうことがありますが、それはシステムの仕様上仕方ないので省きます。

例)依頼者の予算が2万〜2.5万の場合
クリエイターは2万〜2.5万の間で金額を提案しなければならない

内訳を聞いても曖昧な返答しか返って来ないようなら、その方とのお取引はあまりおすすめ出来ません。
値段の内訳は結構重要なので、しっかりと聞いてみてくださいね。


何をするべき?トラブルをなくす依頼の仕方や気をつけたいこと

先ほどまでは、クリエイターさんの選び方についてお話ししてきました。

今度は、依頼するクリエイターさんが決まった後、依頼をする上でどのような点を気をつけたらいいのか、クリエイター視点でお話ししていけたらと思います。

【依頼したい内容はあらかじめある程度まとめておく】

依頼する、と決まったはいいものの、依頼内容が定まっていないと、ご依頼をスムーズに進めさせられなくなってしまうことがあります。

そのため、しっかりと依頼内容をあらかじめ決めておきましょう。

例として、「立ち絵を依頼したい」というのであれば、

  • 使用用途

  • 構図や服装などの指定(あれば)

  • 予算、支払い方法

  • 納期

  • 描いてもらいたいキャラクターの資料、デザインも頼むであればキャラクターの情報

と言うような情報は最低限欲しいです。
また、「この要素は必ず取り入れて欲しい!」というような情報は、伝えて頂かないと修正が増えて納品自体が遅くなってしまったりと、クリエイター側が本来立てていたスケジュール通りの進行が出来なくなってしまい、円滑な依頼進行の妨げとなってしまいます。

また、可能であればどのようなキャラクターなのか(クール、かわいいなど)性格なども簡単に添えていただけるとよりイメージに近いイラストが制作できるかと思います。

以上の内容を参考にして、これから依頼をする方はぜひまとめてみてください。

【修正やリテイクは一回で済ませるように要望を出す】

依頼した後、ラフ提出時に「ここを修正してほしい」と思うことが出てくると思います。

その場合は、しっかりともらったラフを確認し、気になった箇所や修正してほしい箇所を一度書き出してみましょう。

そして、一度の修正要望で修正してほしい箇所を全て伝え切るような形に出来る限りしましょう。

もし可能であれば、どこをどう修正してほしいか、具体的に画像を用いて説明出来ると、より伝わりやすいです。

これは私の主観ですが、リテイクや修正はクリエイターにとって結構な負担がかかる作業です…。
何度か心が折れかけたこともあります。

何度も修正やリテイクを行うと、クリエイターさんの負担が大きくなり、今後の進行に支障をきたす場合があります。場合によっては、無料で行えるリテイクの回数が決まっており、それ以降は追加で料金が発生するクリエイターさんもいます。

ですが、もしクリエイターさんの不備によっての修正(キャラクターの目の色が違う、形状が違うなど)は、後から気付いた場合でも修正要望を出して全然いいと思います。

【一度断られた内容は、多忙が理由で断られた以外は何度も送らない】

クリエイターさんが依頼を断る理由は、多忙な場合をのぞいて、「依頼内容に問題がある」ということがほとんどです。

自分には描けないものや要素が含まれている、予算があまりにも不足している、依頼内容と報酬があまりにも見合っていない…など

何かしらの理由があって断っています。

クリエイターさんが多忙な場合は、SNSでその旨を伝えていることが多かったりします。
なので、もし多忙なことがSNS等で書いていなかった場合は依頼内容に問題があると思ってください。

そのため、一度断られた内容は、相手が多忙で断った場合以外は何度も再送しないようにしましょう。

断った内容を何度も送られるとクリエイターさんからの印象もあまり良くありませんし、今後依頼を受けてもらえなくなってしまう可能性がありますからね…

別の内容で依頼をするのは大丈夫だと思うので、「どうしてもこの人に描いてもらいたい!」と言う場合は内容を変えて送ってみてください。

【相場外の依頼料での依頼はしない】

依頼をするときは、相手の料金表と自身の予算を比較して依頼をするかどうか考えるようにしましょう。

もし予算が少し足りない程度であれば、クリエイターさんがもしかしたら対応してくださるかもしれませんが…
これはあくまでクリエイターさんの善意です。

本来1万円する依頼を予算内の5000円で依頼したい、というような場合は依頼をしない方がいいです

これは「あなたのこの依頼は、1万円ではなく5000円の価値しかないですよ」というような、クリエイターさんの価値を下げるような行為となってしまい、とても失礼に当たってしまうからです。

相手の価値を下げる、というようなことは、その人の付加価値によって値段が変動するクリエイター職の人にとっては致命的です。

なので、もし予算と依頼したいクリエイターさんの提示している金額が違ってしまっている場合は、提示されている金額を用意できるようになってからの依頼をおすすめします。


最後に

今回は依頼をするにあたって、クリエイター視点で必要だと感じることをまとめさせていただきました。

依頼はお金が関わる大切なお取引です。
皆様が慎重にかつ円滑で気持ちのいいお取引ができることを願っております。

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