【No. 1022】コミュニケーションにおける補助線

これまで見えなかったものが突然見えるようになるということありますよね。数学に「補助線」という言葉がありますが、補助線を引かれることによって、見えてくるものがあります。

*

コミュニケーションにおいて、相手をティーアップする習慣のある人とない人がいます。ここで言うティーアップとはゴルフのティーアップのことです。相手を高めようとするコミュニケーションでして、ただ褒めることの上位概念だと思っています。

*

例えば、最近僕が一番衝撃だったのが、とあるコミュニティでの会合でのこと。初参加の方が自己紹介するとき、主催者の方をめちゃくちゃティーアップするんですね。その方の自己紹介タイムなのに、主催者の紹介とも間違うくらい。でもめちゃくちゃ自然で、ちゃんと自己紹介としての情報も入ってくるのです。

あくまで前提は自己紹介なので、聞いている僕としては、主催者への褒め言葉は、すっと無意識下に入っていきます。そして、知らないうちに、やっぱ主催者さんすごいなぁと思ってしまっているんですね。

*

別件ですが、昨日は4人で飲み会に行っていきました。同い年ですが、気づいたら、僕以外みんな経営者。人を紹介し合う文化のある人たちです。

昨日も1人、僕にとって初めましての方がいましたが、友人が他己紹介してくれます。それがまた、すごくて。ティーアップするような言葉遣いは当たり前。さらに紹介される側の人が「そんなに俺のこと調べてくれてるの」とびっくりするくらい細かな内容でした。

また、紹介された人がトイレに立ったときには「いいやつでしょ。この前もさ…」なんて、またティーアップを欠かしません。

*

合コンの例えを聞きました。「合コンはチーム戦でしょ」とのことです。

僕はそんなこと考えたこともありませんでしたが、みんなでいるときに男女が1対1で話しすぎることはタブーで、むしろみんなで喋る。みんなで喋って、みんなで笑う。もちろん仲間が気に入った女性がいれば、みんなで援護射撃する。男性がトイレに立つときは、本人のいないところで話題に出し、褒めることで女性にいい印象を持ってもらう。もちろん連絡先の交換も自然な流れになるようにサポート。みんなでティーアップし合うんですね。

*

下世話な例えで恐縮です。女性で不快に思われた方もいるかもしれませんが、「チームでティーアップ」という言葉は、僕にとっては「補助線」なんですよね。

何も男女の集まりだけでなく、人が集まった時にはチーム戦さながらに、仲間をティーアップするコミュニケーション。

こんなことしている人がいるなんて見えてもいませんでしたが、僕は補助線を引いてもらって、やっと見えるようになりました。次は習得する番ですね

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?