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【連載インタビューvol.2】興味があるところに飛び込む!関係値を深めながら高める将来へのものづくり欲

設計を身に付けたいひとから現役設計者、そして木工家や職人まで、様々な職能を持つ方々が集まるEMARF CONNECT。

本記事は、EMARF CONNECTメンバーの素顔に迫る連載企画です。
第二弾は、松崎太一さんをご紹介します。

● EMARF CONNECTとは?
次世代の設計者を目指す方を対象にものづくりの学びと実践を通して設計のデジタル化を支援する、月額980円のサブスクリプション型オンラインプラットフォームサービス。2022年7月のスタート以降、これまで様々なプロジェクトやワークショップを通して学びと実践を繰り返してきました。

現在EMARF CONNECTでは新たに動き出したワークショップやプロジェクトも増え、また10月からは会員の随時募集中。
EMARF CONNECTって「どんな場所?」「どんな方がいるんだろう?」と気になっている方はぜひ読んでみてくださいね。
▶︎会員申し込み・詳細はこちら

● 松崎太一さんプロフィール

福岡県糸島市出身。サウナ好き。
現在は鹿児島大学建築学PG専攻、修士2年。鷹野研究室に在籍。
銭湯や温泉、サウナなどの温浴施設に特化した建築士になることを志し、「温泉大国」鹿児島への進学を決意。
大学では、フィンランドの伝統的なスモークサウナの建築構法について研究している。
2023年1月からメキシコのモンテレイ大学に留学予定。
ものづくり意欲や知見を広めるため、EMARF CONNECTへ参加。
〇 Instagram @sauna_architect 〇 Facebook Taichi Matsuzaki

● 今日はよろしくお願いします。普段はどんなことをされていますか?

鹿児島大学の修士2年生で、建築学を専攻、鷹野研究室に所属しています。

大学ではフィンランドの伝統的なサウナのつくりかたや環境性能をテーマに研究しています。

それとは別で、個人的にデジタルファブリケーションやコンピュテーショナルデザインに興味があります。

● ありがとうございます。
EMARFのことはもともと知っていただいていたんでしょうか?

学部4年生のときにEMARFを利用して家具を製作しました。

その後は、「こどものけんちくがっこう」や大学院の授業などでEMARFのサービスに触れる機会は多くありました。

▲「こどものけんちくがっこう」夏の特別課外授業

▲鹿児島大学鷹野研究室・デジファブによる再生可能な東屋「Rebornable hut」レポート

● はじめてEMARFを使うことになった経緯はなんでしたか?

経緯はわかりませんが、当時の研究室の学部4年生が中心となって、ShopBotを使って家具をつくることになったんです。

椅子を製作して、鹿児島空港やショッピングモールに展示していただきました。

● これまでも実践的にアウトプットする機会は多かったんでしょうか?

B4になるまで、授業含め、実物をつくる活動にはほとんど参加してきませんでした。そもそも、鹿児島大学自体ではそういう授業はあまり多くない気がします。

● その授業がきっかけで、手を動かす系の授業に積極的に参加されるようになったということですか?

そうですね。今の研究室に所属してからは、「こどものけんちくがっこう」です。けんちくがっこうは木工がメインなので、そこから手を動かす機会はかなり増えました。

その後、留学したいなと考えていたときに、行きたいと思ったメキシコの大学の先生から、「Grasshopperを使えないとついていけないかもしれない」と言われたんです。

当時はRhinocerosも触ったことがなかったのですが、Grasshopperをある程度使えるようになってきたときに、運良くEMARFを使う授業やプロジェクトが重なりました。

なので、コンピュテーショナルデザインのGrasshopperと、デジタルファブリケーションのEMARFやShopBotの2つが僕のなかでタイミングよく合わさったことで、のめりこんでいきましたね。

▲「こどものけんちくがっこう」 夏の特別課外授業 Photo by Hayato Kurobe
▲鹿児島大学鷹野研究室・デジファブによる再生可能な東屋「Rebornable hut」Photo by Hayato Kurobe

● そうなんですね。
留学先ではどんな大学に行かれるんですか?

メキシコのモンテレイ大学です。

日本だと、建築を学ぶとなると、建築学科としてひとくくりになっていることが多い気がします。

ですが、その大学ではデザインをメインに、インテリアデザインだったり、サスティナブルデザイン、もちろんデジタルファブリケーションなど、細かく分野が分かれているんです。

それらの授業が幅広く受けられるみたいなので、面白そうだなと思いました。

● 面白そうですね。
実際に手を動かすものづくりの領域に興味を持ったのはわりと最近のことだと思うのですが、そもそもいまの研究室でサウナに興味を持ったのはどういうきっかけなんでしょうか?

まず、建築学科に進学したのは、高校生の時に、いつか温泉やサウナなどの温浴施設を建ててみたいなと思っていたことがきっかけなんです。

建築に進むことを決めた時からその気持ちは変わらないのですが、運良く僕が研究室に入る年に、鷹野研究室でフィンランドサウナの研究が始まったんです。

● 奇跡ですね!
でも、なんで温浴施設なんでしょう?きっかけとしては結構めずらしくないですか(笑)?

めずらしいとおもいます(笑)。

父親が家具やウッドデッキなどをよく自作していました。自分もそれを横で手伝っていたので、、小さい頃からものづくり自体は好きでした。

でも、高校生の頃に特にやりたいことがなくて将来どうしようかなと考えていた時に、近所のよく行く銭湯で、ふと「こういう建物を建てられたらいいな」と思ったんです。

温泉とか銭湯にいる人って怒ったりもしないし、気持ちよさそうな顔してるなって・・・。そういう建物が増えたらいいのかなと、なんとなく思いました(笑)。

● 素敵です。銭湯ってひとつとして同じところはないですもんね。
小さい頃からお父さまがものづくりが好きだったということですが、自分でもものづくりする機会はありましたか?

自分で道具を買ったり専門的にやったことはなかったですし、父親の手伝いをするくらいでしたね。

● そうなんですね。
最近になってそういう機会が巡ってきたということなんですね。


はい。今も、鹿児島の建築デザイン会社であるIFOOさんとShopBotを使ってストリートファニチャーを製作するプロジェクトが動いています。

それこそ今日もいままでその制作作業をしていました。12月に完成予定なので楽しみにしてください!

▲「霧島神宮駅活性化プロジェクト」モックアップ
▲「霧島神宮駅活性化プロジェクト」イベント当日

● 銭湯の話がすごいグッときちゃってるんですが(笑)、EMARF CONNECTに入ったきっかけを教えてください。

日本ではコンピューテーショナルデザインやデジタルファブリケーションを学べる場所がまだ少ない気がしています。

在籍大学でもそういう情報が得られる機会が少なく、CONNCTに入ることを決めました。

● ありがとうございます。
7月に始まって4ヶ月が経ちましたが、どうでしたか?

最初の方はあまり参加できていなかったんですが、ベガハウスの大迫さんに誘っていただいて参加したBaBaBaでのデザインフェスがあった1ヶ月間は、コネクトのメンバーの方と直接お話ししたり、チャットでも相談に乗ったりしていただいて楽しかったし、入ってよかったと感じました。

先ほども言ったように、デジファブのものづくりや設計に関して、専門的な知識を気軽に聞ける場所は私の周りには少なく、相談したときに即レスしていただけたのはめちゃくちゃありがたかったです。

▲「EMARF DESIGN FES 01」出展作品

● そう言っていただけて嬉しいです。
今回、一般に開かれた場所で色々な方に見ていただく機会になりましたが、どうでしたか?

まずは、個人的に満足のいくものを無事展示することができてよかったです。

また、今回作った作品とは別で会場内に置かせていただいたポートフォリオを見て声をかけてくださったり、出展者だけでなく、展示を見に来てくださった方とお話しできたことが、なにより参加してよかったと思ったことです。

サウナ好きなので、サウナの話でかなり盛り上がりました。

Photo by @potepote

● 作品を展示することで、思いがけない展開があったんですね。
展示に参加してくださった方の多くが、今回みたいに締め切りがあったことで自分を追い込めたことがよかったと言ってくれたのですが(笑)、その点松崎さんはどうでしたか?

たしかにそれはあるかもしれません。

今回出展した作品はベガハウスの吉永さんと田村さんにShopBotで加工してもらったのですが、予定では1日で終わるはずだったのが結局4日かかってしまい、とてもお世話になりました(笑)。

● お二人に手伝ってもらいながら、バタバタながらも楽しく制作できましたか?

そうですね。
使用する材料に合わせて接合部のオフセット値を厳密に設定したかったこともあり、データは加工当日に、ShopBotの横で作成しました。

Grasshopperを使って自分でデザインしたものが目の前で切り出され、加工が終わったらすぐに自分で手を動かしてつくれるという体験は、視野が広がったというか、新しい考えが得られたのかなと感じます。

● デジタルファブリケーションの強みですよね。
ところで松崎さんは、ものづくり欲は常にあるタイプですか?

僕は趣味でレザークラフトをしていて、自分の財布とかもつくったりするので、そう考えるとものづくり欲は強いほうかもしれないですね。

お店でも、「どうやってつくってるんだろう」みたいなところを見ることが多いです。

● コネクトが始まった時は、主に何に期待していただいていたんでしょうか?

いくつかありますが、一つはVUILDが建てている建築の接合部がどうなってるのか知りたかったです。

あとは、GrasshopperでデザインしたVUILDの作品のコードが気になっていたり・・・。また、色んな人と繋がれるということですかね。

● 最初に挙げていただいた2つともまだできてないですね、すみません・・・(笑)。Grasshopper関連のコンテンツに期待していただいている方も多いので、チームにフィードバックしておきます。

今後、記事や相談会などは引き続き継続しつつ、様々なプロジェクトが立ち上がってコラボレーションが増えていきます。例えば12月には、コネクトメンバー企画のワークショップが有明の無印良品さんであったりするのですが、松崎さんは絶賛メキシコ留学の準備中ですよね・・・。

そうですね。
今後プロジェクトに参加するのは難しくはなるとは思いますが、レポートや記事は読みたいなと思います。

無印良品・東京有明でのEMARFワークショップ詳細

● ありがとうございます。リアルじゃなくても楽しめるオンラインコンテンツも引き続き増やして行こうと思います。
メキシコは日本と時間が反対だと思うので、日本で夜にやるオンラインのワークショップなどで、ぜひ朝活してください(笑)。

たしかに(笑)。

留学先の大学にもCNCがあるので、メキシコでのものづくりの様子をお伝えできればと思います。

● どんどんやってください!メキシコのものづくり事情、知りたいです。
メキシコから帰ってきてからの展望みたいなのはあるんでしょうか?

就活をどうしようかなーっていう(笑)。

でもせっかく留学するので、しっかり学んで、帰ってきたらなにかやりたいですね。

サウナを設計して、建てます!!!

● そうですよね!個人的にも応援させてください。
今日はありがとうございました!


▼メンバーインタビュー第一弾もぜひご一読ください!


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