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『黄色い家』を読んだら感情移入しすぎてしまった話

『黄色い家』を読んだ。(Audibleで聴いた)

2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。
60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。
長らく忘却していた20年前の記憶――黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。
まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな〝シノギ〞に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい……。
善と悪の境界に肉薄する、今世紀最大の問題作!

Audible HPより

読むきっかけをくださったのは、みのみのさんのこちらの記事。

重かった。
主人公の花が犯罪に手を染める前に踏みとどまらせる人が周りにいたなら、と思うと切なくてやるせなくて胸が詰まった。

いつも将来の不安とお金のことで頭がいっぱいで気が休まることがない花。
地頭が良くて、思いやりがあるからこそ疲弊していく。彼女が追い詰められていくのを読んでいくのは本当に辛かった。

自分のやっていることは正しいことではないとわかっていながら、生きていくために選ばざるを得ない選択肢が、犯罪に手を出すことだけなんてあまりにむごい。

学校を辞めずにいたなら、行政と繋ぐことができたならと考えないではいられなかった。

そんなこんなで感情移入をどっぷりしてしまい、今日はnoterさんの記事を読んでいても、どうしても『黄色い家』フィルターを通して読んでしまった。

娘さんの卒業式に向けての歌とピアノのレッスンの記事を読んでいくうちに
涙が出てきてしまった。『黄色い家』の花は、お母さんとこんな温かな時間を持つことはあっただろうかと思うと、ティッシュの箱に手を伸ばしていた。

山根さんの短歌を読むころには、冷静さがほとんどなく
二句目の「我一人 取り残されて」の部分にだけ反応してしまい、完全に読解力ゼロ状態に・・・。
山根さんにとても丁寧な解説をしていただき、やっと自分の頭が『黄色い家』から離れられないでいることに気がついた次第だった。
(山根さん、おかしなコメントしてすみませんでした。)

そのあと、YouTubeで好きなピアニストさんの動画を見て、また涙していた。花は芸術に触れる余裕もなかったよな、と。

感情は重くなったけれども、家、親子、お金、幸せ、いろいろ考えさせられた。読んでよかった。


明後日は、卒業式。
気持ち入れ替えないと!!

みのみのさん、雲子さん、山根さん、記事をお借りしました。
ありがとうございます。


最後までお読みいただきありがとうございます。
また次のnoteでお会いしましょう。

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