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量子コンピューターでも解読できない「QR-UOV署名」の期待

東京大学大学院情報理工学系研究科の高木剛教授と古江弘樹氏、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所日本電信電話(NTT)の共同研究によると、量子コンピューターでも解読できない多変数公開鍵暗号のデジタル署名技術「QR-UOV署名」を開発し、公開鍵のデータサイズを既存方式と比較して約1/3まで削減することに成功したと発表した。

現代の情報社会では、暗号技術はきわめて重要な存在であり、この新しい「QR-UOV署名」がどういう所に活用できるか、考えてみた(個人的な感想です)。

個人的な意見・感想

まず、インターネットでの取引において、秘密性の確保や改竄防止に使えるだろう。また、オンラインバンキングなどで本人確認にも利用できるかもしれない。さらに、医療分野でも遺伝子解析などに応用できそうだ。そして、何よりも、「偽造不可能」「改ざん不可」という特長から、個人情報保護法への対応策としても有用である。


「QR-UOV署名」のモビリティ活用

次にモビリティのセキュリティ関連についても活用の期待ができる。

例えば、自動車の自動運転の実現には高度な計算能力が必要で、そのための半導体チップを開発する際には、製造工程中に意図的な破壊行為を防ぐ必要がある。こうした場合、従来の方法だと膨大なコストがかかるし、場合によっては工場ごと閉鎖するしかない。しかし、「QR-UOV署名」があれば、低コストかつ安全な方法で対策が可能となる。具体的には、製造工程中の製造装置で、あらかじめ決められた特定のタイミングで、特定の手順により特定の文字列を生成することで、暗号化されたデータを生成する。生成したデータは、製造ライン上でのみ検証されればよく、他のプロセスの影響は一切受けない。つまり、悪意ある者が製造した半導体チップであっても、その段階では安全が確保されるわけだ。

「QR-UOV署名」は、このように幅広い分野への適用が可能なため、今後の活用幅は広がると思われる。しかし、現実問題として、どんな課題があるのか?はまだ分からないため、注目していきたい!!


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