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ディズニーランドのオリエンタルランドを評価~企業財務分析


挨拶

このページをご覧になってくれている方ありがとうございます。改めましてコブータと申します。私は米国公認会計士や簿記2級の学習を通じて会計のマニアになりました。企業の財務分析を行うことで皆様の投資判断の材料にしたり、就職、転職の企業分析にお役立ちいだだければと思います。今回はオリエンタルランドです!会社名ではピンと来ないかもしれませんがみんな大好き東京ディズニーランド、シーを運営している会社です。この企業の分析をしてほしいとリクエストがありましたらコメント等に残してくれると嬉しいです!

企業概要

1960年7月に千葉県浦安沖の海面を埋立て、商業地・住宅地の開発と大規模レジャー施設の建設を行い、国民の文化・厚生・福祉に寄与することを目的として、オリエンタルランドが設立されました。この頃から東京ディズニーランドが出来ることが決まっていたのでしょうね。そこから23年後の1983年にようやく東京ディズニーランドが開園されました。そして2001年にはディズニーシーが開園され現在に至っています。

事業内容

オリエンタルランドの事業は下記の2個の事業に分けられています。

  1. テーマパーク

  2. ホテル

  3. その他

やはりオリエンタルランドの一番の収益はテーマパークですね。そしてディズニーランドホテル、その他になっています。その他はモノレールやイクスピアリの運営ですね。

人員について

オリエンタルランドの従業員数は8,945人です。あれだけ広いディズニーリゾートを経営しているとは言っても1万人近く従業員がいるのは多いですね。しかも、ここにはアルバイトは含まれていません。アルバイトの人は約12,000人です。その中でもやはりテーマパークに多くの人員を割いていますね。殆どのスタッフがテーマーパークに携わっています。

オリエンタルランド従業員数

働きやすさについて

現在注目されている働きやすさですが、オリエンタルランドの女性の管理職は18.1%と中々高いですね。日本企業としてはかなり頑張っていると思います。男性の育休取得率は66.3%とまずまずの数字になっています。これだけ女性の管理職登用が進んでいるのであれば男性の育休取得率も70~80%くらいはあるかなと思っていましたが。

オリエンタルランド多様性指標

オリエンタルランドの売上構成

オリエンタルランドは売上高約4,800億円の大企業です。単純計算で1日約13億円稼いでいることになりますね。2021年度と比較すると売上は約75%も上がっています。これは2022年3月にコロナの制限が緩和されたからですね。パーク内での売上も、ホテルの売上も2022年度は大幅にUPしています。
オリエンタルランドで一番の収入源はやはりチケットですね。アトラクションやショーの収入が全体の売上の約4割を占めています。その次がグッズ等の販売収入です。
日本のディズニーランド、シーにはディズニーの資本が入っていません。それは日本でテーマパークが成功するわけがないとディズニーが考えていたからです。ですが、日本のお土産文化もあり、グッズの収入が好調なため大成功して、それ以降ディズニーはテーマパーク建設の際は必ず資本を入れるようにしているようです。確かに商品の販売売上が2番目に多いですね。

オリエンタルランドセグメント情報

営業利益と当期純利益

収益が増加しているのも重要ですが、営業利益と当期純利益についても無視することはできません。
オリエンタルランドの営業利益率は約22%となっています。オリエンタルランドはサービス業に分類されますが22%の営業利益率はかなり高い部類でしょう。昨年は営業利益率2%台とかなり苦戦していましたが復活しましたね。
これはコロナの人数制限が緩和されたのが大きいですね。ディズニーランドを運営するにはどうしても多くの固定費がかかってしまいます。1日に入場する人の人数が制限されればそれだけ利益率も悪くなります。ですが、もう人数制限される可能性は低いのでさらに売上、利益率が今後も高い水準で維持することが期待できますね。
当期純利益は2019年度以来の100億円台の利益で約800億円です。今後も売上が伸び続ければ1,000億円の大台に乗る可能性もありますね。
1株あたりの配当金もコロナの時期はおよそ半分にまで減少していましたがコロナ前の水準に戻ってきていますね。ですが配当性向は約100%台か、それ以上であるのは気になりますね。赤字の2020年度も半減とは言え配当金を出していました。オリエンタルランドはキャッシュが豊富なため利益は全額株主に配当しても問題ないというスタンスでしょうか
配当利回りは0.8%台とかなり低くなってしまっています。オリエンタルランドも1株あたりの金額が高すぎますね。日本株は基本100株からしか買えないので株を買うには400万円以上の原資が必要になります。これは中々用意できない金額ですし、1社に対してこれだけの投資を踏み切るのは決断力がいりますね。オリエンタルランドも株式分割してくれないかな笑。
オリエンタルランドは株主への優待券もあるので無視することはできません。ディズニー好きであれば持っておきたいですのでやっぱり株式分割して欲しい。

オリエンタルランド損益計算書

オリエンタルランドの倒産リスクは?

会社が潰れてしまう可能性があるか?を判断するには流動比率の分析はかかせません。流動比率とは流動資産÷流動負債で求めることができ、短期的な資金繰りに問題がないかが分かります。
流動資産は1年以内に現金になりえる資産、流動負債は1年以内に払う負債のことです。流動資産が流動負債より多ければとりあえずOKです。
ですが気をつけるのは棚卸資産の項目です。棚卸資産は1年以内に販売できるかできないか分からないからです。その前段階である原材料も考慮が必要でしょう。
オリエンタルランドの流動資産を確認すると約3,500億円あります。その内棚卸資産、原材料等は約230億円ですので流動資産の約6%です。一方で、流動負債は約1,600億円と流動資産より1,900億円少なくなっています。棚卸資産を除いたら資産は約3,200億円あり、負債よりかなり多いです。ですのでオリエンタルランドの短期的な資金繰りについてすぐに問題は起こらなさそうです。

オリエンタルランドの固定資産

オリエンタルランドの固定資産は増加していますね。額にして約400億円増えています。主に増えているのは建物及び建築物です。これは恐らく2024年度の6月にオープンになるファンタジースプリングスのアトラクションやホテル等の建物ですね。今後新エリアファンタジースプリングスでさらに収益を上げていけるか注目ですね。

オリエンタルランド固定資産

社債の発行

オリエンタルランドの財務活動によるキャッシュフローを分析すると2021年度は社債を約800億円発行しています。つまり新しく800億円借金したということです。今後の事業や、ファンタジースプリングスへの投資、配当金の原資等様々な現金の用途があるので社債を発行したのだと推測できます。
オリエンタルランドは流動資産が約3,500億円あり、負債は固定負債を含めても約3,800億円と流動資産と同程度ですのでこの社債がリスクになるということは考えにくいでしょう。

まとめ&評価

  • 2021年度と比較すると売上が75%増加。主な要因はコロナの人数制限緩和

  • 利益率は20%超えの高利益率企業。主なリスクは感染症等の影響で人数制限が規制されることくらいか

  • コロナの制限緩和により外国からもゲストが多く来ることが予想できるので今後の増益に注目

  • 配当額は少ないが優待券の価値を考慮すると悪くないが株価が高すぎるため手が出しづらい

  • 短期的な資金繰りについては問題なさそう。

  • 新しいエリアファンタジースプリングスを建設。今後の成長にも期待が持てそう。

オリエンタルランド評価

ここまで読んでいただきありがとうございます。コメントにどの企業の分析をやって欲しい等書いていただければ分析します!

出典:EDINET閲覧(提出)サイト https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100R8C8.pdf?sv=2020-08-04&st=2024-04-27T12%3A51%3A04Z&se=2033-06-29T15%3A00%3A00Z&sr=b&sp=rl&sig=zjgwyGi%2BJb9BeM6u75ufrbP71TBx4IPFO%2Bs3IBLhRz8%3D

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